海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第10話から、「からかい」をめぐる英語を取り上げます。面接がうまくいかなかったラージの周りで、ハワードのからかいが自信をなくした原因なのかどうかが話題になります。
同じからかいでも、する側は仲のよさの表れと言い、される側は笑いものにされたと受け止めることがあります。make fun ofとbust on、そして「悪気はない」を表す言い方を、場面ごとに見ていきます。
「make fun of」はからかわれる側から見た言い方
父親に面接の結果を報告したラージは、父親から友達づきあいを問題にされます。
Dr. Koothrappali: You know what? I bet it’s those friends you surround yourself with. Like that Howard, always making fun of you.
(いいか、きっとお前が付き合っている友達のせいだ。あのハワードのように、いつもお前をからかってばかりいる。)Raj: Howard doesn’t mean anything by it.
(ハワードに悪気はないんだよ。)TBBT Season11 Episode10
make fun of は「からかう」「笑いものにする」という意味で、からかわれた側が不満を言う場面で耳にすることの多い言い方です。always making fun of youのように進行形とalwaysを組み合わせると、「しょっちゅうやっている」という非難の響きが加わります。
これに対するラージの doesn’t mean anything by it は、「(その言動に)深い意味はない」「悪気はない」とかばう表現です。父親は Don’t make excuses.(言い訳をするな)と返し、ラージが答えかけると「今のは rhetorical question(答えを求めていない問い)だ」と言って、自分で答えを言い切ります。
別の場面で、ラージはペニーとレナードにも、父親はハワードがいつも自分を making fun of するせいだと考えている、と話します。レナードが「筋は通る」と応じ、ペニーに聞きとがめられると、レナードは does make fun of him a lot(実際よく彼をからかう)と答えます。
ここでもmake fun ofは、からかわれるラージの立場から語られています。doesは強調で、「実際にそうしている」と事実を認める働きをしています。
似た言い方に tease がありますが、teaseは軽いちょっかいから意地悪まで幅広く使われるとされます。make fun ofは「笑いの種にする」という中身がはっきりしている分、言われた側の不快感が伝わりやすい表現と言えます。
「bust on」は仲間うちの軽口を指す言い方
このやり取りの続きで、ラージに「ハワードの味方なのか」と聞かれたペニーは、からかう側の論理を口にします。
Raj: Well, so you’re on his side?
(じゃあ、君は彼の味方なのかい?)Penny: I’m just saying, that’s what friends do. You know, they bust on each other. It doesn’t mean anything.
(私はただ、友達ってそういうものだって言ってるの。ほら、お互いにいじり合うでしょ。深い意味なんてないよ。)Leonard: Well, I’m not surprised you think so.
(まあ、君がそう思うのは意外じゃないな。)Penny: Why is that?
(どうして?)Leonard: Well, you can be kind of mean to me.
(だって、君はちょっと僕にきついときがあるから。)TBBT Season11 Episode10
bust on は「(仲間を)いじる」「軽口を叩く」という意味のくだけた口語です。each otherと組み合わせると、一方的ではなく双方が言い合う関係が前に出ます。ペニーはそれに It doesn’t mean anything. を添えて、からかいに悪意はないと言い切ります。
ところがレナードは、ペニーが自分に be mean to(きつく当たる)ことがあると返します。する側が「いじり合い」と呼ぶものを、される側は「きつい」と受け止めている、という視点のずれがこの短いやり取りに表れています。
後の場面では、ペニーがレナードを褒めると、レナードは何があったのかと問いただし、「いいから言って」のあとに I can take it.(受け止められるから)と続けます。ペニーは、きつく当たっていたのを悪く思って being nice(優しくしている)と説明します。be mean toとbe niceが対になって使われている場面です。
I can take it. は「(きついことを言われても)受け止められる」という意味です。また別の場面では、スチュアートがハワードに「好きなだけ僕をからかっていい」と申し出て、ハワードが断っても、同じI can take it.で促しています。
| 表現 | 立場 | ニュアンス |
|---|---|---|
| make fun of | からかわれる側から | 笑いものにする |
| bust on each other | からかう側・仲間うち | いじり合う |
| be mean to | 受け止める側から | きつく当たる |
| doesn’t mean anything | かばう側から | 悪気はない |
まとめ|からかいを呼ぶ言葉は立場で変わる
今回は、からかわれる側から語るmake fun of、仲間うちのいじり合いを指すbust on each other、そしてbe mean toやdoesn’t mean anythingを、ラージの周りの会話から見てきました。同じ行為でも、どの語で呼ぶかに話し手の立場が表れます。
軽口のつもりの一言が相手にどう届くのかを考えながら、この回の会話を観直すのも面白いところです。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の英語がより立体的に見えてきます。


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