海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第1話から、「取り乱す」を表す freak out と lose one’s mind の違いを取り上げます。バーナデットが思いがけない2人目の妊娠をペニーに打ち明ける場面に、この2つが続けて登場します。
どちらも日本語では「取り乱す」と訳せますが、表現の強さには差があります。動揺した相手にかける言葉とあわせて、台詞に沿って見ていきます。
「freak out」と「lose one’s mind」は強さが違う
ペニーとバーナデットが2人で話している場面です。ペニーが、話を聞いているのかを確かめたうえで、大丈夫かと尋ねます。返ってきたのは、打ち明け話の前置きでした。
Bernadette: Look, I’m gonna tell you something, but you can’t freak out, because I’m already freaking out.
(いい、話があるの。でも取り乱さないで。私がもう取り乱してるんだから。)Penny: Oh, my God, what is it?
(うそ、何なの?)Bernadette: I’m pregnant again.
(また妊娠したの。)TBBT Season11 Episode01
freak out は「気が動転する」「パニックになる」という意味のくだけた表現です。you can’t freak out で相手に釘を刺し、I’m already freaking out と進行形で「今まさに自分が動転している」と続ける形になっています。同じ動詞を2回重ねることで、先に動揺しているのは自分のほうだと伝わってきます。なお、freak someone out の形にすると「人をぎょっとさせる」という意味になり、主語が驚かせる側に変わります。
妊娠を告げた直後、バーナデットは夫ハワードの反応をこう予想します。
Bernadette: Howard’s gonna lose his mind.
(ハワード、きっと正気じゃいられなくなるわ。)TBBT Season11 Episode01
lose one’s mind は直訳すると「正気を失う」です。日常会話では、驚きや怒りで「どうにかなってしまう」様子を大げさに言うときに使われます。2つを並べると、違いは次のように整理できます。
| 表現 | 主な意味 | 響き |
|---|---|---|
| freak out | 動転する・パニックになる | くだけた口語。一時的な動揺 |
| lose one’s mind | 正気を失う・どうにかなる | 誇張。反応の大きさを強調 |
バーナデットは、自分の今の動揺には freak out を、ハワードの反応の予想には lose his mind を使っています。同じ「取り乱す」でも、語の選び方で反応の大きさの見込みが変わることが分かります。
動揺した相手にかける言葉
バーナデットは、気をつけていたのに起きたことだと続けます。This wasn’t supposed to happen は「こんなはずじゃなかった」と想定外への動揺を表す言い方です。ここでペニーは、話の向きを前向きな面へ変えます。
Penny: Okay, look, look, this is a good thing.
(ほら、いい? これはいいことなんだって。)TBBT Season11 Episode01
this is a good thing は、相手が悪い知らせとして受け止めていることを、良い面から言い直す返しです。冒頭の look, look は、相手の注意をこちらに向けさせる呼びかけとして働いています。ペニーはこのあと、上の子に弟か妹ができることや、自分も両親にとって思いがけない子だったことを例に挙げます。それを聞いたバーナデットの言葉が、次のやり取りです。
Bernadette: Okay. Maybe this baby actually is a blessing.
(そうね。この子は本当に恵みなのかも。)Penny: Oh, my God, honey, of course it is.
(もう、当たり前じゃない。)TBBT Season11 Episode01
バーナデットの Maybe ~ actually is は、「もしかすると本当に〜なのかも」と、考えを少しずつ改めていく言い方です。of course it is は、相手が出した前向きな結論をすぐに肯定して後押しする一言で、honey という呼びかけが親しみを添えています。
別の場面では、バーナデットが検査薬を見せ、ハワードが No を繰り返します。ハワードがようやく what are we gonna do?(どうしよう)と口にしたあと、今度はバーナデットが励ます側に回ります。
Bernadette: Look, I know it’s scary, but we’re both responsible adults. We can do this.
(いい、怖いのは分かる。でも私たちは2人とも責任ある大人よ。やれるわ。)Howard: You really think so?
(本当にそう思う?)Bernadette: No!
(思わない!)TBBT Season11 Episode01
I know it’s scary, but ~ は、怖さをいったん認めてから励ましにつなぐ型で、We can do this. が締めの一言になっています。最後の No! で直前の励ましを自分で打ち消してしまいます。直後にバーナデットは泣き出しており、こちらが本音だと分かります。
まとめ|動揺の強さと、かける言葉
今回は、気が動転する freak out と、正気を失うほどの誇張である lose one’s mind の違いを見てきました。あわせて、this is a good thing や I know it’s scary, but ~ のように、動揺した相手にかける言葉も確認しました。
取り乱す側と支える側の英語が一度にそろうのも、『ビッグバン★セオリー』のこの回ならではの見どころです。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の英語表現を取り上げています。


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