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今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン3 第17話に登場する、ガレージセールの箱から見つかった指輪をめぐり、シェルドンがもっともらしい理屈で所有権を主張する場面です。全員で出資した品物を独り占めしようとする言い分と、それをすかさず突く指摘のやりとりに、主張の組み立て方と切り返し方の型が表れています。
「the laws of maritime salvage」のような言い方から見ていきましょう。
「全員で出資した」という事実と、法律用語を持ち出す屁理屈
ガレージセールの箱の中から見つけた指輪を、シェルドンが真っ先に「僕のものだ」と言い放つ場面です。共同で出資した経緯を指摘するレナードに対し、シェルドンはもっともらしい専門用語を持ち出して反論します。
Leonard: No, it is not yours. We all went in on the box together.
(だめだ、君のものじゃない。この箱は全員で出資したんだから。)Sheldon: Well, yes, but I found it in the box, and the laws of maritime salvage clearly state that the finder of a sunken treasure is the owner of the treasure.
(ああ、そうだけど、僕がこの箱の中から見つけたんだ。海事救助法では、沈没した財宝の発見者がその財宝の所有者になると明確に定められている。)Leonard: How is this maritime salvage?
(これのどこが海事救助にあたるんだよ?)Sheldon: Other than the lack of water, how is it not?
(水がないこと以外、あたらない理由がどこにある?)TBBT Season3 Episode17 (The Precious Fragmentation)
We all went in on [名詞] together. は「みんなで〜に出資した」と共同出費の事実を根拠に主張する言い方です。go in on ~ は「〜に金を出し合う」という意味の口語表現で、共有物の権利を主張するときの基本の切り口になります。対するシェルドンは、この事実そのものには反論せず、the laws of X clearly state that Y という型で、専門用語(ここでは海事救助法)を持ち出して話をすり替えます。X clearly state that Y は「Xは明確にYと定めている」という、規則や法律を根拠に主張を補強する堅い言い回しです。共有物の指輪と沈没船の財宝はまるで別物なのに、もっともらしい法律用語を挟むだけで理屈が成立したように聞こえてしまう点が、この切り返しの面白さです。
「How is this X?」への切り返し―弱点を逆手に取る開き直り
How is this X? は「これのどこがXなんだ」と、相手の主張の前提そのものを疑う突っ込みです。レナードはmaritime salvage(海事救助)という言葉の妥当性を正面から問いただしています。これに対しシェルドンが返す Other than [欠けている条件], how is it not? は、指摘された弱点(この場合は「水がない」という決定的な違い)を逆に開き直りの材料に変える言い方です。本来なら反論の余地がない弱点を、「それ以外は当てはまるだろう」という形で押し通しているところに、こじつけの面目躍如があります。
日常の軽口でも、明らかに無理のある主張を茶化して押し通したいときに、Other than [ひとつの欠点], how is it not [主張]? という型はそのまま応用できます。真面目な顔で法律用語を持ち出しながら、突っ込まれた瞬間にその弱点を逆手に取る、シェルドンらしい理屈のこね方がよく表れているやりとりです。
まとめ|もっともらしい理屈を組み立てる型
We all went in on the box together.、the laws of maritime salvage clearly state that ~、Other than the lack of water, how is it not?。事実を指摘する言い方と、専門用語で言い抜けようとする言い方、そして弱点を逆手に取る切り返しまで、屁理屈にも組み立ての型があることが読み取れます。真顔で押し通そうとする理屈ほど、突っ込みどころも際立って見えてくるところが面白味です。
『ビッグバン★セオリー』の指輪をめぐる攻防は、この後もまだまだ続いていきます。
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