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今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン2 第12話に登場する、自作ロボット競技の大会文化です。手作りのロボットで暴れ回るモンテを前に驚くペニーに、シェルドンとハワードが大会の存在を説明する場面から、趣味の大会がどんな形式をとっているのかを見ていきます。
「Round Robin Invitational」という大会名から見ていきます。
大会名に見る「Round Robin」「Invitational」という呼称
友人4人が手作りしたロボット「モンテ」が部屋から飛び出し、驚いて逃げ出したペニーに向かって、シェルドンは怪訝そうにこう切り返します。
Sheldon: I’m sorry, are you unaware of the upcoming Southern California Robot Fighting League Round Robin Invitational?
(すまないが、来る南カリフォルニア・ロボット・ファイティング・リーグ・ラウンドロビン・インビテーショナルのことを知らないのか?)TBBT Season2 Episode12 (The Killer Robot Instability)
Round Robin は「総当たり戦」を意味する言葉で、参加者全員が一度ずつ対戦する試合形式を指します。Invitational は「招待制の」という意味で、大会名によく添えられる語です。この2語が示すとおり、自作ロボット同士を戦わせる趣味の競技であっても、大会名には正式なスポーツリーグさながらの呼称が用いられています(こうした自作ロボット競技コミュニティの歴史や大会形式の細部は地域や時代によって差があるため、本コラムでは断定は避けます)。
名前だけを聞くと大がかりな響きがありますが、実態は友人同士の手作りロボットの持ち寄りである点に、このドラマならではのおかしみがあります。ペニーが大会名を知らないのも無理はなく、シェルドンにとっては当然の常識でも、外から見れば聞き慣れない固有名詞の連なりに映る、という温度差がこの一言に表れています。
are you unaware of 〜?(〜を知らないのか?)という切り返し方自体、驚きよりもむしろ「常識のはずなのに」という前提が先に立つ、シェルドンらしい問いかけの型と言えます。趣味で組み立てたロボットの延長線上に、こうした固有の呼称を持つ大会がきちんと存在しているという事実そのものが、ホビイストの世界の奥行きを感じさせます。
表彰式とダンスパーティーまでセットになった大会の体裁
ペニーの反応をよそに、ハワードは大会の中身を自分から説明し始めます。
Howard: It’s a big deal. There’s an awards banquet and a dance afterward.
(大ごとなんだぜ。表彰式のあとには、ダンスパーティーもあるんだ。)TBBT Season2 Episode12 (The Killer Robot Instability)
It’s a big deal.(それは大したことなんだ)というひと言から、ハワードがこの大会を軽んじていないことが伝わってきます。続く awards banquet は「表彰式・表彰晩餐会」を指す言葉です。ロボット同士を戦わせるだけの競技かと思いきや、その後には a dance(ダンスパーティー)まで用意されているという説明に、ペニーならずとも驚かされます。
単なる対戦の場にとどまらず、参加者が正装して集う社交行事としての体裁を伴っている点は、アメリカのホビイストコミュニティのイベントに見られる形式のひとつと言えます(大会ごと・年代ごとの差があり得るため、一般的な傾向としての紹介にとどめます)。趣味の集まりであっても、表彰と懇親の場をきちんと設けるという発想が、この一言から伝わってきます。
対戦そのものの結果だけでなく、それを称え合う場まで用意されているところに、単なる遊びを超えたコミュニティとしてのまとまりが感じられます。ロボットを組み立てる工程だけでなく、その先にある表彰式やダンスパーティーまで見据えて準備を進めているところにも、この趣味に打ち込む面々の本気度がうかがえます。
まとめ|趣味の大会にも、正式な体裁がある
Round Robin、Invitational、awards banquet、a dance。自作ロボットを戦わせるだけの趣味の集まりに見えても、大会名の付け方から表彰式・ダンスパーティーの設営まで、正式な大会としての体裁が整えられています。シェルドンたちの熱の入れようは、こうした大会文化の存在があってこそのものと読み取れます。ペニーの驚いた反応と、当然のこととして説明するシェルドンたちの温度差からも、オタク趣味のコミュニティがどれだけ本格的な体裁を整えているかが伝わってきます。
『ビッグバン★セオリー』には、こうしたオタク趣味のコミュニティ文化が垣間見える場面がほかにもあります。


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