「no can do」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S12E01で学ぶ英会話

「no can do」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

友人や同僚からの頼み事を、深刻にならずさらりと断りたい場面に出会ったことはありませんか。

そんなときにぴったりの「no can do」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン12第1話の中盤、ニューヨークでのハネムーン中にシェルドンがエイミーへ返す一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「no can do」の意味とニュアンス

no can do
意味:それは無理だ、できません

no can doは「I can’t do it」のくだけた言い方で、依頼や提案を軽く、かつきっぱりと断るときに使う口語表現です。canの前にnoを置くという語順は文法的には破格ですが、定型句としてすっかり定着しています。

友人や同僚からの頼み事を断るときや、予定変更ができないことを伝えるときなど、深刻になりすぎずカジュアルに意思表示したい場面で広く使われます。文法の正しさよりも、断る速さと軽さを優先した言い回しだと捉えておくと、使いどころのイメージがつかみやすくなります。短く言い切れる分、相手を長々と待たせずに済むという実用的な利点もあります。

【ここがポイント!】

  • 「no can do」の核は、文法を崩してでも即座に断る勢いを表すイメージ
  • 深刻さを避けつつ、きっぱりと意思表示できるカジュアルな断り方
  • 友人や同僚との軽いやり取りで使うのがコツ、フォーマルな場では別の言い方を選ぶ

『ビッグバン★セオリー』S12E01のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ニューヨークでのハネムーン中、時差ボケを感じているエイミーが、その夜の予定を翌朝に回せないかとシェルドンに提案します。ところがシェルドンは、あらかじめ決めていた予定表を根拠に、きっぱりと拒否の姿勢を示します。

Amy: You know, I’m a little jet-laggy. Maybe we can revisit this in the morning.
(ねえ、私、少し時差ボケなの。これ、朝にまた考え直してもいい?)

Sheldon: Oh, no can do. If we miss tonight, it’s not scheduled until Thursday at 6:00. And that’ll have to be “no frills,” ‘cause we’ve got a 6:30 reservation at Benihana.
(ああ、それは無理だ。今夜を逃したら、次は木曜の6時まで予定に入っていない。しかもその回は「簡略版」にせざるを得ない。6時半にベニハナの予約があるからね。)

Amy: Sheldon, do we really have to do this on a schedule?
(シェルドン、これって本当に予定表通りにやらなきゃいけないの?)

Sheldon: Are you suggesting spontaneity?
(君は、その場の思いつきでやろうと言っているのか?)

The Big Bang Theory Season12 Episode1 (The Conjugal Configuration)

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シーン解説と心理考察

時差ボケを理由に「朝にまた考え直してもいい?」と控えめに提案するエイミーに対して、シェルドンは「それは無理だ」と即座に切り返します。次の機会は木曜まで無く、しかも簡略版にせざるを得ないという細かい理由まで淀みなく並べる様子に、予定表を絶対視するシェルドンの徹底ぶりがよく表れています。

エイミーが「本当に予定表通りにやらなきゃいけないの?」と食い下がると、シェルドンは「その場の思いつきでやろうと言っているのか?」と、まるで理解しがたい提案であるかのように問い返します。計画性を何よりも重視するシェルドンと、それに戸惑いながらも向き合おうとするエイミーの温度差が、新婚早々のすれ違いとしてコミカルに描かれる場面です。エイミーの控えめな提案とシェルドンの即答の間にある温度差そのものが、この2人らしい会話のリズムを形作っています。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

「can do(できる)」という言葉のすぐ前に、文法を無視して「no」をぽんと置いてしまう様子を思い浮かべてみましょう。正しい語順を組み立てる時間さえ惜しむように、即座に断りの意思を示す勢いが、この表現の芯にあります。言葉を整えるための一呼吸すら省略してしまう、そのくらいのスピード感を持った断り文句だとイメージすると覚えやすくなります。

シェルドンが理由をまくし立てながらも即答で断っていたように、no can doは考える間を置かずにきっぱりと返すからこそ様になる表現です。文法的な正しさよりも断る速さを優先するイメージを持っておくと、とっさの場面でも自然に口から出てくるようになります。

例文で覚える「no can do」

軽くきっぱりと断りたい場面で活躍するno can doを、3つの例文で確認していきましょう。

Can you cover my shift tonight? Sorry, no can do.
(今夜のシフト代わってもらえる? ごめん、それは無理だ。)
職場の同僚からの頼みを断る場面です。Sorryを添えることで、きっぱりした断り方にも配慮が感じられます。短いやり取りの中でも、相手への気遣いを忘れない使い方です。

No can do, I already promised to help my sister move this weekend.
(それは無理だよ、今週末は妹の引っ越しを手伝うって約束しちゃったから。)
予定が重なって断る日常会話です。理由を続けて添える形が、実際の会話でもよく使われるパターンです。断りの言葉だけで終わらせず理由を一言添えると、印象が柔らかくなります。

A: Could you finish this by tomorrow morning?
B: No can do, I need at least two more days.
(A:これ明日の朝までに終わらせてもらえる?)
(B:それは無理です、最低あと2日は必要です。)
急な締め切りを断るビジネスシーンです。カジュアルな表現ですが、理由を明確に添えることで角の立たない断り方になります。同僚同士のやり取りなら、これくらい率直な言い方でも問題なく通じます。

あわせて覚えたい関連表現

I can’t do that
(それはできません)
文法的に正しい標準的な言い方で、no can doよりも丁寧でフォーマルな場面にも使える点が異なります。

that’s not gonna happen
(それは起こらない、無理だ)
that’s not gonna happenは、より強く断定的に「絶対に無理」というニュアンスを持ち、no can doよりくだけて挑発的に聞こえることもあります。

I’m afraid I can’t
(申し訳ないですが、できません)
I’m afraid I can’tは丁寧に断る言い方で、no can doのカジュアルさとは対照的にフォーマルな場面で使われます。同じ「断る」場面でも、相手との距離感によって選ぶ表現を変えられるようにしておくと便利です。目上の相手に対しては、あえてこちらの丁寧な言い方を選ぶ判断も必要になります。

Note|no can doという破格の語順が定着した経緯

no can doは、英語の語順としては明らかに不自然な表現です。それにもかかわらず、なぜこれほど広く定着しているのでしょうか。

no can doのような「否定語+動詞句」という並びは、19世紀後半から20世紀初頭にかけて、英語を母語としない話者が簡略化した英語を話す際の言い回しが、そのままアメリカの日常会話に取り込まれて広まったとされる言い回しの一つです。文法的な正しさを追求するのではなく、意味が通じることを優先した簡略な言い方が、かえって軽妙でくだけた響きを持つ定型句として英語話者の間に浸透していきました。似たような成り立ちを持つ表現は他にもいくつか存在しており、正式な文法から外れているからこそ、あえて使うことで気軽さやユーモアを演出できるという逆説的な魅力を持っています。今では出自を意識されることなく、日常会話の中でごく自然な断り文句として使われています。文法の型を崩した言葉が長い年月を経て定型句として市民権を得ていく過程は、言葉の変化そのものの面白さを感じさせてくれます。

シェルドンが理路整然とした理由を並べながらも、断りの一言だけはこの砕けた言い回しを選んでいたのも、no can doが持つ軽妙な響きがあってこそ成立するギャップです。

意味が通じればいい、という発想が、時に一番覚えやすい表現を生み出します。

まとめ|理屈より先に、きっぱりと断る一言

no can doは、依頼や提案を軽く、かつきっぱりと断るときに使う口語表現です。

文法的には破格でありながら、友人や同僚とのカジュアルな会話で角を立てずに断る一言として、幅広い場面で会話に馴染みます。理由を長々と説明する前に、まず気持ちをはっきり伝えたいときにも役立つ表現です。

理由を淀みなく並べながらも「それは無理だ」と即答したシェルドンの様子には、計画性を何より重んじる性格がそのまま表れていました。とっさに断りたい場面が来たときに、表現の引き出しに加えてみてください。

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