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ある時期を境に、仕事や活動が急に勢いづいて、一気に上り調子になっていく——そんな「飛躍の瞬間」を見聞きしたことはありませんか。
そんなときに使える「take off」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン7第18話の中盤、ゲームの中で語られる「20年後の未来」をめぐって、ペニーとレナードが思わぬ言い合いを始めるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「take off」の意味とニュアンス
take off
意味:(キャリア・事業などが)軌道に乗る、急成長する、離陸する
take off は、飛行機が地面を離れて飛び立つ「離陸」が原義の句動詞です。そこから比喩的に、キャリアやビジネス、商品の売れ行きなどが「一気に勢いづいて上昇する」という意味へと広がりました。
注目したいのは、その「急に・勢いよく」という加速のニュアンスです。じわじわ伸びるというより、ある時点からぐんと跳ね上がるイメージで、career took off(キャリアが軌道に乗った)、sales took off(売上が急増した)のように使われます。なお、take off は目的語の有無で意味が大きく変わる句動詞でもあり、take one’s coat off(コートを脱ぐ)、take a day off(一日休む)など、まったく別の顔も持っています。自動詞として単独で使うときの「軌道に乗る」という意味を、まずしっかり押さえておきたい表現です。
【ここがポイント!】
- 「take off」の核は、飛行機が一気に飛び立つ「離陸」のイメージ
- じわじわではなく、ある時点からぐんと勢いづく加速感を表す一言
- take a day off(休む)など、目的語の有無で意味が変わる点に注意するのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S07E18のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ラージのゲームで描かれる「20年後の未来」設定のパートです。ペニーはロンドンの有名女優、レナードはスタンフォードの教授という設定が読み上げられ、二人の反応がやがて思わぬ方向へ転がっていきます。
Raj: In this game, as your careers both took off, you drifted apart.
(このゲームでは、二人ともキャリアが軌道に乗った結果、すれ違っていったのさ)Leonard: Do you think we’d really drift apart if we both became successful?
(僕たちが二人とも成功したら、本当に疎遠になると思う?)Penny: Of course not.
(まさか)The Big Bang Theory Season7 Episode18(The Mommy Observation)
シーン解説と心理考察
ゲーム上の作り話として語られた “your careers both took off” が、レナードの中で現実の不安に火をつけていく流れが見どころです。ここでの took off は文字どおりの離陸ではなく、ペニーの女優業とレナードの研究者としてのキャリアが、それぞれ大きく成功することを指しています。
興味深いのは、架空の設定にすぎないはずの「成功ゆえのすれ違い」を、レナードが真剣に受け止めてしまうところです。”本当に疎遠になると思う?” という問いには、二人の成功が必ずしも幸福に直結しないという、彼の漠然とした怖れがにじみます。ペニーが即座に否定する一方で、会話はやがて「キャリアと恋愛のどちらを優先するか」という現実的な対立へと深まっていきます。たった一つの句動詞 take off が、コメディの中に潜むカップルのリアルな揺らぎを引き出していると言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
滑走路を加速していった飛行機が、ふわりと地を離れて一気に上昇していく——あの「離陸」の映像を、キャリアの成功曲線にそのまま重ねるのが近道です。地上(平凡な日々)から大空(成功)へ、ぐんと飛び立つイメージです。
ラージのセリフでペニーとレナードのキャリアが took off した瞬間、二人の人生がそれぞれ別の空へ飛び立っていく——その光景を思い浮かべてください。「飛び立つ=勢いよく成功する」というイメージと結びつければ、take off が単なる上昇ではなく「一気に軌道に乗る」加速感を含むことが、感覚として残ります。
例文で覚える「take off」
キャリアやビジネスが「一気に伸びる」場面で力を発揮します。3つの例文で使い方を見ていきましょう。
Her career really took off after that movie.
(あの映画のあと、彼女のキャリアは一気に軌道に乗った)
誰かの飛躍を語るときの定番表現です。career took off は最もよく使われる組み合わせで、「ある出来事をきっかけに急成長した」という流れを自然に描けます。
The startup’s sales took off once they went viral.
(そのスタートアップの売上は、バズった途端に急上昇した)
ビジネスの急成長を説明する一文です。once(〜した途端に)と組み合わせると、「あるタイミングを境に勢いづいた」という加速の瞬間が際立ちます。
A: I haven’t seen your channel in a while. How’s it going?
B: Pretty wild, actually. It really took off after one video went viral.
(A:しばらく君のチャンネル見てなかったな。調子はどう?)
(B:実はすごいことになってて。一本の動画がバズってから一気に伸びたんだ)
SNSやコンテンツの成長を語るカジュアルな会話です。took off after 〜 とすると、「何をきっかけに飛躍したか」を会話の中で自然に共有できます。
あわせて覚えたい関連表現
get off the ground
((計画などが)軌道に乗り始める)
こちらは「ようやく始動する」という初動の段階に焦点があります。take off が「一気に勢いづく」加速のフェーズを指すのに対し、get off the ground は「なんとかスタートを切る」段階を表す点で対照的です。
skyrocket
(急上昇する)
価格や人気などの数値が「急騰する」ことに特化した表現です。take off がキャリアや事業の「成功し始め」全般に使えるのに対し、skyrocket は上昇の急激さそのものを強調します。
soar
(舞い上がる、急上昇する)
鳥や飛行機が高く舞い上がるイメージの動詞で、売上・気温・士気などが大きく上がるときに使われます。take off の「飛び立つ瞬間」に対し、soar は「高く上がっていく過程」に重きがある点で使い分けられます。
Note|「離陸」から「成功」へ―航空用語の比喩化
飛行機の take off(離陸)と、キャリアの take off(飛躍)。同じ言葉が空と人生の両方で使われるのには、言葉がたどってきた歴史が関係しています。
take off が「離陸」という意味で広く定着したのは、飛行機が実用化されていく20世紀初頭以降のことだとされています。地上を走っていた機体が一気に空へ舞い上がるという、当時としては劇的で新しいイメージが、人々の言葉に取り込まれていきました。やがてこの「ぐんと上昇する」感覚が比喩として転用され、キャリア・事業・流行などが「勢いよく成功し始める」ことを表すようになったと言われます。航空・宇宙にまつわる語彙が日常やビジネスの英語に流れ込む例は多く、launch(打ち上げる→事業を立ち上げる)などもその一つです。本エピソードがNASAや宇宙飛行士のハワードを背景に持つことを思うと、take off という表現が画面の世界観とどこか響き合っているようにも感じられます。
この成り立ちを知っておくと、career took off と聞いたときに、ただ「成功した」ではなく「滑走路から一気に飛び立つような勢いで伸びた」という映像つきの理解ができるようになります。
空を飛ぶ夢から生まれた言葉が、今は人の歩みを語っているのが面白いところです。
まとめ|飛び立つ瞬間を捉える一言
take off は、飛行機の「離陸」を原義に、キャリアや事業が「一気に軌道に乗る」ことを表す句動詞です。ある時点からぐんと勢いづくという加速のイメージを背負っているぶん、ただ「成功する」よりも躍動感のある描写ができます。
この表現を使いこなせると、「あの仕事を境に飛躍した」「商品が一気に売れ出した」といった変化の勢いを、生き生きと言葉にできるようになります。get off the ground や skyrocket との違いを意識すれば、成長のどの段階を語っているかも描き分けられます。
ゲームの中の未来設定が、いつしか本物のキャリア論へと飛び立っていくあの場面を思い出しながら、飛躍を語る一言として、表現の引き出しに加えてみてください。


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