「in one fell swoop」の意味と使い方|『CHUCK』S04E22で学ぶ英会話

「in one fell swoop」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

やるべきことをまとめて一気に片づけてしまいたい、そんなふうに思う瞬間が、誰にでもありますよね。

そんなときに使える「in one fell swoop」を、『CHUCK』シーズン4第22話の序盤、チャックが独身最後のパーティに着ていく服をめぐって、サラとじゃれ合うシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「in one fell swoop」の意味とニュアンス

in one fell swoop
意味:一挙に/一気に/ひとまとめに

swoop は、タカやワシなどの猛禽が獲物めがけて空から急降下する動きを指します。fell は古い英語で「残忍な・恐ろしい」という意味の語です。この二つが合わさって、「(猛禽の)ひと振りの一撃で」という像から、「一挙に・一気に」を表す慣用句になりました。

複数のことを一度の行動でまとめて片づける、あるいはまとめて失う・変えるときに使われます。少し大げさで格式ばった響きを持つのが特徴で、日常のくだけた「いっぺんに」よりも、劇的なニュアンスがにじみます。良い意味でも悪い意味でも使え、「一括で問題を解決した」場面にも、「一瞬ですべてを失った」場面にも登場します。

【ここがポイント!】

  • 猛禽が獲物をひとさらいする「ひと振りの一撃」が、意味の土台になっている表現
  • 「一気に」の中でも、少し文語的で劇的な響きを持つ言い回し
  • 良い場面にも悪い場面にも使える、まとめて片づく・まとめて失うの両面を持つのがコツ

『CHUCK』S04E22のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

独身最後のパーティを翌日に控えたチャックが、ラスベガスに何を着ていくかでサラとじゃれ合います。「上はビジネス、下はパーティ」という珍妙な服装を、チャックが大真面目に提案する場面です。

Chuck: You’re not digging the whole business up-top, party below-the-waist thing? I figured it covered all the Vegas activities in one fell swoop.
(上半身はビジネス、下半身はパーティって感じ、いいと思わない? これ一着でVegasのアクティビティ全部を一気にカバーできると思ったんだけど)

Sarah: Oh, I’m just reminding you of what you’ll be missing out on in Vegas.
(ふふ、Vegasであなたが逃すことになるものを、思い出させてあげてるだけよ)

Chuck Season4 Episode22(Chuck Versus Agent X)

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シーン解説と心理考察

結婚を目前にした二人の、親密で遊び心のあるやり取りが、この場面の温度を決めています。チャックは自分のセンスのなさをユーモアに変えながら、くだらない服装の話をしています。

ここで in one fell swoop という、少し大げさで格式ばった慣用句を、あえて珍妙な服の話に持ち込んでいるところに、このシーンのおかしみがあります。本来は劇的な場面で使われる表現を、ばかばかしい提案に重ねるギャップが、笑いを生む仕掛けとして響きます。フォーマルな語をわざと軽い話題に落とす、チャックらしいユーモアの取り方が表れています。

『CHUCK』流・覚え方のコツ

空高くから、タカが獲物めがけて一直線に舞い降り、鋭い爪でひとつかみにさらっていく――その急降下の映像を思い浮かべてみてください。ひと振り(one)の残忍な(fell)一撃で、複数の獲物をまとめてさらう。その猛禽の動きが、in one fell swoop の「一挙に」というイメージそのものです。

劇中では、チャックが「この一着で Vegas の活動を全部 in one fell swoop」と大真面目に言い放ちます。あのおかしな場面と結びつけておくと、「ひとまとめに片づける」という用法が記憶に残りやすくなります。

例文で覚える「in one fell swoop」

一括で片づける場面から、一瞬で失う場面まで、in one fell swoop は劇的な「一気に」を伝えます。使い方を3つの例文で見ていきましょう。

By merging the two departments, they cut costs in one fell swoop.
(二つの部署を統合することで、彼らは一挙にコストを削減した)
経営判断を説明する、ややフォーマルな場面です。複数の効果を一度の決断でまとめて実現した様子を伝えます。

The storm destroyed the whole harvest in one fell swoop.
(その嵐は収穫のすべてを一気に破壊した)
自然災害を描写する場面です。「一撃ですべてを奪う」という、この表現の劇的な破壊のイメージがよく出ています。

A: How did the meeting go?
B: Great — she answered all our questions in one fell swoop.
(A:会議はどうだった?)
(B:よかったよ。彼女が僕らの疑問全部に一気に答えてくれたんだ)
仕事の報告をする会話の場面です。ばらばらだった疑問が、一度でまとめて解決したことを表しています。

あわせて覚えたい関連表現

all at once
(一度に・いっぺんに)
中立でくだけた日常語です。in one fell swoop が持つ「一撃で劇的に」という文語的な響きはなく、より気軽に使える点が違います。

in a single stroke
(ひと筆・一撃で)
意味はほぼ同じですが、in a single stroke のほうがやや落ち着いた文章語です。in one fell swoop は慣用句としての色が濃く出ます。

at one go
(一気に・ひと息で)
主にイギリス英語の口語で、「休まず一回で」に焦点があります。in one fell swoop のような劇的さや格式は薄めです。

Note|シェイクスピア由来とされる「in one fell swoop」

in one fell swoop の fell は、現代英語ではあまり見かけない語です。動詞「倒す」でも、fall の過去形でもなく、「残忍な・恐ろしい」という意味の古い形容詞。この耳慣れない語が残っているのには、この表現の来歴が関わっているとされています。

この言い回しは、シェイクスピアの戯曲『マクベス』のセリフに由来するとされています。劇中、家族を殺された登場人物が、その悲劇を「一羽のトビ(kite)が、ひと襲いでわが雛たちをさらっていった」というイメージで嘆く場面があり、そこで fell swoop という表現が使われたと言われます。swoop は猛禽が急降下して獲物をさらう動きを指す語で、fell の「残忍な」という古い意味と合わさって、「一撃で無慈悲にすべてを奪う」像を作り出しました。ここから時代を経て、残酷さのニュアンスは薄れ、単に「一挙に・一度にまとめて」を表す慣用句として定着していったとされています。なお、こうした由来は広く知られている一方で、細部には諸説あるため、出典として引く際には注意が必要です。

劇中でチャックが in one fell swoop を口にするとき、その背後には、こうした猛禽のひとさらいの像が――本人はまったく意識せずとも――受け継がれています。だからこそ「いっぺんに」よりも、どこか劇的な響きが残るのです。

古い戯曲の一節が、日常のジョークにまで生き延びていることに驚かされます。

まとめ|猛禽の一撃から生まれた「一挙に」

in one fell swoop は、猛禽が獲物をひとさらいする「ひと振りの一撃」の像から生まれ、「一挙に・一気に」を表す慣用句です。fell という古い語が残っているぶん、日常の「いっぺんに」よりも、どこか劇的で格式のある響きを帯びています。

まとめて片づいた達成の場面にも、一瞬で失われた喪失の場面にも使えるこの一言は、会話や文章に少しドラマチックな色を添えてくれます。格式ばった表現をあえて軽い話題に使ったチャックの遊び心とあわせて、表現の幅を広げてみてください。

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