「take one’s pick」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S06E02で学ぶ英会話

「take one's pick」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

選択肢をいくつか並べて「どれでも好きなのを選んで」と相手に委ねる、そんな何気ない一言が会話で意外と役に立つ瞬間が、ドラマには時々あります。

今回はその「take one’s pick」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン6第2話の中盤、映画館で手をつなぐのを嫌がるシェルドンが、その理由を皮肉まじりに並べ立てるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「take one’s pick」の意味とニュアンス

take one’s pick
意味:好きなものを選ぶ、どれでも好きに選んでいい

take one’s pick は、複数の選択肢を示して「どれでも好きに選んでいい」と相手に委ねる表現です。one’s の部分は your / his / her などに変化し、Take your pick. の形でよく使われます。

pick は「ぱっと選び取る」というカジュアルな語感を持つ言葉で、take your pick には「さあどうぞ、お好きなものを」という気軽な響きがあります。レストランのメニューや商品棚の前で相手に選択を任せるような、日常的で温かい使い方が基本です。

一方で、否定的な選択肢を並べて「どれを選んでも同じ(ろくなものがない)」と皮肉る使い方もあります。文脈や話し手のトーンによって、親切にも突き放しにも転ぶ、表情豊かな表現です。

【ここがポイント!】

  • take one’s pick の核は「並んだ選択肢から好きなものをどうぞ」という委ね方
  • one’s は your / his / her に変化、Take your pick. が最頻出の形
  • 本気の親切にも、皮肉まじりの突き放しにもなる二面性を持つ一言

『ビッグバン★セオリー』S06E02のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

映画館で、エイミーに手をつなぐことを求められたシェルドンが不満を漏らしています。「ペニーはレナードに手をつながせていないのに」と訴える彼に、エイミーが「それには理由があるのかも」と返すと、シェルドンは手つなぎを嫌がる理由を皮肉な選択肢として並べ立てます。

Sheldon: It’s not fair. Penny isn’t making Leonard hold hands.
(不公平だ。ペニーはレナードに手をつながせてないじゃないか)

Amy: There might be a reason for that.
(それには理由があるのかもね)

Sheldon: Sweaty? Unhygienic? Looks dumb? Take your pick.
(汗っかき? 不衛生? 間抜けに見える? 好きなのを選べ)

The Big Bang Theory Season6 Episode2(The Decoupling Fluctuation)

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シーン解説と心理考察

手つなぎの不快さを、汗・不衛生・見た目の三つに整理して提示するところに、何でも論理的に分類したがるシェルドンらしさが表れています。相手に選ばせる体裁を取りながら、実際はどれも否定的という痛烈な皮肉になっているのが、この take your pick の妙味です。

感情を率直にぶつけるのではなく、選択肢のリストとして突きつけるあたりに、理屈で世界を捉える彼の話し方がにじみます。エイミーの「理由があるのかも」というやわらかな返しに対して、シェルドンが皮肉の三択で応じる温度差が、会話の温度を変えています。

ささいな手つなぎ一つをめぐる攻防が、二人の関係のぎこちなさと愛おしさを同時に映し出している場面と言えます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

屋台や果物棚の前で「さあ、どれでも好きなのを摘んでいいよ」と手を差し出される場面を思い浮かべてみてください。take your pick は、その差し出された中から自分の取り分(pick)を選び取るイメージです。

シェルドンが嫌がる理由を三つ並べて「好きなの選べ」と突き放したように、選択肢を皿に乗せて相手の前に差し出す絵を描くと、本気の提案にも皮肉にも使える幅がつかめます。手のひらを上に向けて「どうぞ」と差し出すジェスチャーごと覚えると、口に出すときの感覚も一緒に身につきます。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「take one’s pick」

take one’s pick は、親切な提案から軽い皮肉まで幅広く使えます。トーンの異なる3つの例文で、その振れ幅を体感してみましょう。

We’ve got tea, coffee, and juice—take your pick.
(お茶もコーヒーもジュースもあるよ、好きなのを選んで)
来客に飲み物をすすめる場面です。最も基本的な「どうぞお選びください」という、温かく気軽な用法になっています。

There are three open positions on the team. Take your pick.
(チームには空きポジションが3つある。好きなのを選んでくれ)
配属や役割を本人に委ねるビジネスの場面です。選択肢を提示して相手に決定を任せる、フォーマル寄りの使い方です。

A: Why is he always late? Traffic, his alarm, his excuses…
B: Take your pick, honestly.
(A:なんで彼はいつも遅刻するの? 渋滞、目覚まし、言い訳…。)
(B:正直、どれでも好きなのを選んでって感じ。)
遅刻の理由を呆れまじりに並べる場面です。劇中のシェルドンに近い、否定的な選択肢を並べて突き放す皮肉の用法になっています。

あわせて覚えたい関連表現

take your pick of ~
(~の中から好きなものを選ぶ)
of を続けると選ぶ対象を明示できます(take your pick of the desserts)。単独の take your pick が文脈で対象が分かる場合に使われるのに対し、of でその範囲をはっきり示せる点が便利です。

suit yourself
(好きにすれば)
こちらは「勝手にどうぞ」と、やや突き放した響きを持ちます。take your pick が選択肢を前向きに委ねるのに対し、suit yourself は相手の選択に冷ややかな距離を置くニュアンスが強くなります。

it’s up to you
(あなた次第だよ、お任せします)
決定権そのものを相手に渡す広い表現です。take your pick が「目の前の具体的な選択肢から選ぶ」のに対し、it’s up to you は選択の枠組みごと相手に委ねる点が違います。

Note|pick が持つ「ぱっと選び取る」手触り

take your pick がやわらかく響くのには、pick という単語そのものの語感が関わっているとされます。

英語には「選ぶ」を表す言葉がいくつもありますが、それぞれ手触りが違います。choose はやや改まった「熟考して選ぶ」響き、select は商品の選別や選抜のような事務的・形式的な響きを持つと言われます。これに対して pick は、果物を摘む、棚から一つ手に取るといった、身体的で軽やかな動作のイメージをまとっています。指先でひょいと選び取るような、瞬間的で気負いのない選び方が pick の感覚です。だからこそ take your pick は、命令形でありながら押し付けがましくならず、「どうぞご自由に」という気軽な温度を保てるのです。同じ「好きなのを選んで」でも、Choose one. だと改まりすぎ、Select one. だと事務的になりがちな場面で、pick はちょうどよい軽さを与えてくれます。

シェルドンが皮肉の三択を突きつけるときにこの言葉を選んだのも、軽くひょいと差し出すような pick の語感があったからこそ、嫌味がどこか軽妙に響くのだと言えます。

選ぶ言葉が一つ変わるだけで、会話の温度はこれだけ変わるのです。

まとめ|「どれでもどうぞ」を一言で

take one’s pick は、並んだ選択肢から「好きなものをどうぞ」と相手に委ねる、便利で温かい表現です。本気の親切にも、皮肉まじりの突き放しにも転ぶ二面性が、この一言に表情を与えています。

これを知っていると、飲み物をすすめるような何気ない場面から、相手に選択を任せるビジネスの局面まで、ひとことで自然にカバーできるようになります。pick が持つ軽やかな語感ごと持ち運べば、押し付けがましくない委ね方が身につきます。

シェルドンが皮肉の三択を差し出したときの、あの軽妙な突き放しも思い出しながら、表現の幅を広げてみてください。

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