「flight risk」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S06E02で学ぶ英会話

「flight risk」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

結婚や約束の話になると、相手がいつ逃げ出してもおかしくないと感じてしまう、そんな相手のことを誰かに話したくなる場面はありませんか。

そんなときにぴったりの「flight risk」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン6第2話の冒頭、女性陣が結婚祝いを開けながら将来を語り合うなかで、エイミーが恋人シェルドンを評するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「flight risk」の意味とニュアンス

flight risk
意味:逃げ出すおそれのある人、コミットを避けて逃げかねない相手

flight risk は、flight(逃亡・飛び去ること)と risk(危険)が組み合わさった表現です。直訳すると「逃亡の危険」となり、責任や関係、約束から逃げ出してしまいそうな人を指します。

もともとは法律の場で「保釈すると逃亡しかねない人物」を表す言葉でしたが、そこから日常会話に広がり、結婚に踏み切れない恋人や、すぐに辞めてしまいそうな人材などを、半分冗談まじりに評するときに使われるようになったとされます。

人にも組織にも使え、「あの人は flight risk だ」と言えば、まだ信用しきれない、いつ離れてもおかしくない相手という含みが生まれます。やや皮肉や警戒のニュアンスをまとった、観察的な表現です。

【ここがポイント!】

  • flight risk の核は「いつ飛び立って(逃げて)もおかしくない」という不安定さ
  • 恋愛でも人事でも使える、対象を選ばない便利な一言
  • 相手を突き放して冷静に観察するような、やや皮肉まじりの響きが特徴

『ビッグバン★セオリー』S06E02のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

バーナデットの部屋で、女性陣が結婚祝いを開けながら将来の結婚について語り合っています。エイミーが自分とシェルドンの結婚を具体的に思い描く一方で、当のシェルドンはまだ確約できる段階ではありません。その微妙な距離感が、一語に凝縮されます。

Bernadette: So, you actually see you and Sheldon getting married someday?
(それで、本当にいつかシェルドンと結婚すると思ってるの?)

Amy: Not just someday. In exactly four years. But don’t tell Sheldon. He’s still a flight risk.
(いつか、なんてものじゃないわ。きっかり4年後よ。でもシェルドンには言わないで。まだ逃げ出しかねないから)

The Big Bang Theory Season6 Episode2(The Decoupling Fluctuation)

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シーン解説と心理考察

エイミーが結婚の時期を「4年後」と具体的に断言しながら、すぐに「でも本人には言わないで」と付け足すアンバランスさに、彼女の冷静な分析が表れています。結婚を確信していながら、相手がいつ逃げ出してもおかしくないと見ている、その二つの認識が同居しているのです。

flight risk という法律由来の硬い言葉を、恋人の評価にさらりと当てはめるところに、知的で理屈っぽいエイミーらしさがにじむ場面です。感情的に「不安なの」と言うのではなく、相手を一種の観察対象として突き放して語る距離感が、このフレーズの選択に重なっています。

女性陣の何気ない結婚トークが、シェルドンというキャラクターの「コミットを避ける性質」をそのまま言い表す笑いへと着地しているのも見どころと言えます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

空港のゲートで搭乗案内を待つ人を思い浮かべてみてください。いつでも飛行機に乗ってどこかへ消えてしまえる――そんな、片足をすでに通路に踏み出したような人の姿が flight risk のイメージです。

エイミーが「まだ逃げ出しかねない」とシェルドンを評したように、心がまだこちらに腰を据えていない、いつ飛び立ってもおかしくない状態を絵にすると記憶に残ります。flight(飛ぶ)という単語が「逃げる」方向へ飛び立つ動きを連想させてくれるので、その飛び立つ瞬間の絵とセットで覚えると定着しやすくなります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「flight risk」

flight risk は恋愛から仕事まで幅広く使えます。対象や場面を変えた3つの例文で、その守備範囲の広さをつかんでみましょう。

He’s changed jobs five times in two years, so HR sees him as a flight risk.
(彼は2年で5回も転職しているので、人事は彼を辞めそうな人物と見ている)
採用や人事の場面で使われる典型例です。「すぐ辞めそうな人材」という現代的な用法で、ビジネス英語でよく登場します。

The bank considered the startup a flight risk and tightened the loan terms.
(銀行はそのスタートアップを資金引き揚げのリスクありと見なし、融資条件を厳しくした)
人だけでなく、お金や資本が「逃げる」文脈にも使えます。投資先や取引相手の不安定さを表すときにも応用できる、対象の広い表現です。

A: We’ve been dating for years, but he still won’t talk about marriage.
B: Sounds like a total flight risk to me.
(A:もう何年も付き合ってるのに、彼はいまだに結婚の話を避けるの。)
(B:それ、完全に逃げ腰なんじゃない。)
友人同士で恋人の煮え切らなさを愚痴る場面です。劇中のエイミーの使い方に最も近く、関係に踏み込まない相手を評するカジュアルな用法になっています。

あわせて覚えたい関連表現

get cold feet
(土壇場で怖気づく、直前で尻込みする)
結婚式の直前などに急にためらう、一時的な心変わりを表します。flight risk が人の性質や傾向を指すのに対し、こちらは特定の場面での一過性のためらいに焦点があります。

commitment-phobe
(束縛を恐れて関係に踏み込めない人)
コミットメントそのものを避ける心理に注目した表現です。flight risk が「逃げる危険性」という外からの評価なら、commitment-phobe は本人の内面の傾向を指す点が違います。

bail on someone
(約束や関係をすっぽかして逃げる)
実際に逃げる「行動」を表す口語です。flight risk が逃げそうな「状態・評価」なのに対し、bail on は逃げたという結果を指します。

Note|flight risk はもともと法廷の言葉

エイミーが恋人を評するのに使った flight risk ですが、この言葉には少し意外な出自があります。

flight risk は本来、刑事司法の場で使われる専門用語だったとされます。裁判官が被告人を保釈するかどうかを判断する際、「保釈すれば逃亡(flee)するおそれがあるか」を評価する基準の一つが、まさにこの flight risk です。逃亡のリスクが高いと判断されれば保釈は認められにくくなる、という文脈で使われてきたと言われています。flight には「飛行」のほかに「逃走・逃亡」という古い意味があり、ここではその後者が生きています。やがてこの硬い法律用語が一般の会話に転用され、責任や関係から逃げ出しそうな人全般を指すようになったと考えられています。

エイミーがこの言葉をシェルドンに当てはめたとき、彼女は恋人を半ば「逃亡のおそれがある被告」のように観察していることになります。法廷の評価基準を恋愛に持ち込むその飛躍に、理屈で人を捉えようとする彼女らしさが表れているのです。

言葉の出自を知ると、たった二語の奥行きが少し変わって見えてきます。

まとめ|エイミーの「逃げ腰」評から学ぶ一言

flight risk は、まだ心がこちらに腰を据えていない、いつ離れてもおかしくない相手を一語で言い表す表現です。恋愛でも仕事でも、相手の不安定さを冷静に見立てるときに活躍します。

この一言を知っていると、「なんとなく信用しきれない」「いつ逃げ出すか分からない」という曖昧な感覚を、ぴたりと言葉にできるようになります。直接的に非難するのではなく、観察するように評するニュアンスも一緒に持ち運べます。

エイミーが恋人をそう評したときの、確信と警戒が同居した距離感ごと、あなたの英語の引き出しに加えてみてください。

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