海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン1 第9話の冒頭から、ピーターとニールが週末の話をしてから依頼人に会いに行くまでの短いやり取りを取り上げます。子どもの相手が苦手だと言い当てられたピーターは、それを「言葉」にたとえて切り返します。
同じ言葉を相手に返す一言や、相手の作戦を見抜く一言も、この場面に続けて出てきます。苦手なことを軽く認めて相手に任せる英語の感覚を、会話の流れに沿って順に追っていきます。
「Back at you.」と「play the sympathy card」に見る短い切り返し
前話の振り返りが明けた本編は、二人が週末の過ごし方を報告し合うところから始まります。ピーターが美術館の感想を尋ねると、ニールは見てきた展示の中身を語ります。
Peter: How was the Guggenheim?
(グッゲンハイムはどうだった?)
Neal: Excellent. I saw a rumination on the physicality of space and the nature of sculpture.
(最高だったよ。空間の物理性と彫刻の本質についての考察を見てきたんだ。)
Peter: Glad I missed it.
(行かなくてよかった。)
Neal: Back at you.
(そっくりそのまま返すよ。)White Collar Season1 Episode9 (Bad Judgement)
Glad I missed it. は I’m glad I missed it. の I’m が省かれた形で、「見逃してよかった」という意味です。行かずに済んだことを喜ぶ、軽い皮肉です。
これを受けたニールの Back at you. は、相手の言葉をそのまま相手に返すくだけた一言です。褒め言葉にも皮肉にも使え、Right back at you. とも言います。ここでは「こっちもそっちの週末は見逃してよかった」という意味で、お互いの趣味をけなし合う冗談が二言で片づいています。
そこへ、依頼人のサリバンが会議室で待っているという知らせが入ります。依頼人が幼い娘を連れてきていると分かると、ピーターはこう反応します。
Peter: Ah, geez. He’s playing the sympathy card.
(やれやれ。同情を誘う作戦か。)
Neal: Is it working?
(効いてる?)
Peter: Yep.
(ああ。)White Collar Season1 Episode9 (Bad Judgement)
play the ~ card は「〜という切り札を使う」で、sympathy card なら同情を引く手を打つことを指します。Is it working? の work は「効果がある」という意味の動詞です。作戦を見抜きつつ、効いていると認める短い Yep. が往復の締めです。
「I don’t speak that language.」で苦手を言語にたとえる
ピーターは依頼人に会いに行こうとニールを誘います。
Peter: Come on. Let’s go talk to him.
(ほら、話を聞きに行くぞ。)
Neal: What, you need me for this? You’re uncomfortable around the 6-year-old.
(え、僕が必要なの?6歳の子が苦手なんだね。)
Peter: I don’t speak that language.
(俺はその言葉は話せないんだ。)
Neal: I do?
(僕なら話せるって?)
Peter: Yeah, you do, Peter Pan. Come on.
(そうだ、お前ならな、ピーター・パン。行くぞ。)White Collar Season1 Episode9 (Bad Judgement)
What, you need me for this? は、平叙文の語順のまま語尾を上げて尋ねる疑問で、冒頭の What が「え?」という驚きを添えています。続く uncomfortable around ~ は「〜のそばにいると落ち着かない」で、ニールは自分が呼ばれた理由を先に言い当てています。
これに対する I don’t speak that language. は、子どもとの会話を一つの言語にたとえ、「自分はそれを話せない」と表す言い回しです。苦手を認めても深刻にならないのが、このたとえの便利な点です。
ニールの I do? の do は、直前の speak that language を一語で受け直す代動詞です。ピーターも Yeah, you do と同じ形で受け、子どもの相手をそのままニールに回しています。最後の Peter Pan は、いつまでも大人にならない少年の名前をあだ名にしたもので、子どもと通じ合える側としてニールを持ち上げつつからかっている、と読み取れます。
日常会話でも、機械や流行の話題が苦手なときに I don’t speak tech. のように応用できます。
まとめ|苦手を言葉にたとえて相棒に回す
同じ言葉を返す Back at you、作戦を見抜く play the sympathy card、苦手を言語にたとえる I don’t speak that language、代動詞 do で受け直す I do? を見てきました。短い一言で役割を押し付け合う二人の呼吸が伝わってきます。
次回も『ホワイトカラー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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