海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン3第7話から、ニールとピーターの言い合いを取り上げます。「話が通じ合っている」を表す on the same page という慣用句を、ピーターが本や図書館へと広げて打ち返し、のちに同じ一文が立場を入れ替えて使われます。
慣用句の比喩を引き延ばす返し方と、同じ文を相手に言い返したときに生まれる含みを、場面の順に見ていきます。
「on the same page」を「本」「図書館」へ広げる
ニールとサラは、犯人の口座の金を派手に使って本人をおびき出そうとしていました。バルチャーが現れたらピーターに電話すればいい、とニールが話しているところへ、そのピーターが現れます。
Peter: Oh, so you were gonna call me eventually?
(ほう、俺にはそのうち電話するつもりだったのか?)White Collar Season3 Episode7 (Taking Account)
Oh, so ~? は、相手の言葉尻をとらえて「つまり〜ということか」と確かめる言い方です。eventually は「最終的には、いずれ」で、ここでは「後回しにされていた」という皮肉がこもります。弁解が始まると、ピーターは二人のもくろみを言い当てます。
Peter: You thought you’d spend the money to draw the Vulture out of hiding.
(金を使ってバルチャーを誘い出そうと考えたんだな。)
Neal: I love how we’re always on the same page.
(僕たちっていつも話が早いよね。)
Peter: Same page? We’re not reading the same book. We’re not even in the same library.
(同じページ? 同じ本すら読んでない。同じ図書館にもいないんだ。)White Collar Season3 Episode7 (Taking Account)
be on the same page は「同じページを読んでいる」ことから、「認識が一致している、話が通じている」を表す慣用句です。言い当てられたニールは、I love how ~ を添えて、考えが通じ合っているかのようにおどけて受け流していると読めます。
ピーターはまず Same page? と相手の言葉を問い返し、page を book、library へと大きくしていきます。not even ~ は「〜ですらない」で、一段ずつ単位を広げるほど「まるで噛み合っていない」という否定が強まります。慣用句の比喩をそのまま引き延ばすと、長い説教をしなくても距離の大きさが伝わります。
同じ一文を、立場を入れ替えて言い返す
ピーターはその後、作戦をFBIの正式なおとり捜査として組み直します。その段取りをニールに説明する場面で、先ほどの一文が戻ってきます。
Peter: We leaked security photos from your shopping spree.
(お前の買い物三昧の防犯カメラの写真を流しておいた。)White Collar Season3 Episode7 (Taking Account)
leak は「情報を漏らす、意図的に流す」、shopping spree は「買い物三昧」です。ニールが皮肉まじりに応じると、ピーターはこう返します。
Peter: I love how we’re always on the same page.
(俺たちはいつも話が早いな。)White Collar Season3 Episode7 (Taking Account)
ニールが言ったのと同じ文を、今度はピーターが口にしています。言われた側が同じ言葉を返すと、それだけで「さっきのお返しだ」という含みが生まれるのが面白いところです。
この回では、決まり文句を分けて返す軽口も出てきます。ピーターがエリザベスに、大がかりなおとり捜査を認めるのはFBIであり、そこには歯止めがあると話す場面です。
Peter: There are checks and balances — a notion that goes beyond Neal’s comprehension.
(抑制と均衡ってものがある。ニールの理解を超えた考え方だがな。)
Neal: No, I understand checks. It’s just the balances that I struggle with.
(いや、小切手なら分かるよ。苦手なのは残高のほうでね。)White Collar Season3 Episode7 (Taking Account)
checks and balances は「抑制と均衡、歯止めの仕組み」を表す決まり文句です。ニールは check を「小切手」、balance を「残高」と読み替え、金をめぐる今回の話題に引き寄せた返しです。
まとめ|慣用句を広げる返しと、同じ文の言い返し
on the same page を book や library へ広げる not even ~、同じ一文の言い返し、checks and balances の読み替えを見てきました。決まった言い回しを少し動かすだけで、返しに切れ味が出ることが分かります。
軽口の応酬には、二人の関係の近さも表れています。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事も、あわせて読むと場面の英語が立体的に見えてきます。


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