海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン4 第4話から、rainy-day account という一つの言い回しを最後まで追いかけます。冒頭ではニールがピーターに向けた軽い冗談だった言葉が、終盤では電話越しに届く伝言として働きます。
言い回しそのものの意味、電話で相手の言葉を確かめる聞き方、そして同じ言葉が意味を変える瞬間を、三つの場面に分けて見ていきます。
冒頭の冗談「Put it in my rainy-day account.」
本話の冒頭、ニールは銀行へ行く途中で買ってきたサンドイッチを、証拠品倉庫で勤務するピーターに差し入れます。話題は、ニールが戻ってから初めて受け取ったFBIの小切手に移ります。
Neal: First FBI check since I got back. Put it in my rainy-day account.
(戻ってから初めてのFBIの小切手だ。僕の「雨の日の口座」に入れておくよ。)
Peter: Rainy-day account?
(雨の日の口座?)
Neal: Well, with what I get paid, all I can afford is an umbrella.
(まあ、この給料じゃ、買えるのは傘くらいだからね。)White Collar Season4 Episode4 (Parting Shots)
rainy day は英語で「まさかのとき、困ったとき」を指すことがあり、save for a rainy day(万一に備えて蓄える)のような形でよく使われます。rainy-day account は、その発想で「非常時に備える口座」を言い表したものです。
ニールはこの言葉を字義どおりの「雨」に引き戻し、all I can afford is an umbrella(払えるのは傘くらい)と落としています。with what I get paid は「もらっている額では」、afford は「〜を買う余裕がある」という意味です。ピーターは Cute. とだけ返し、冗談はここで流されます。
電話で言葉を確かめる「He said that — rainy-day account?」
終盤、証拠品倉庫にいるピーターのもとに、ソフィーから電話が入ります。車内でニールに言われたことを伝える彼女に、ピーターは中身を正確に聞き出そうとします。
Peter: What exactly did Neal say to you?
(ニールは君に、正確には何と言ったんだ?)
Sophie: He said he put my husband’s life-insurance money into his rainy-day account.
(夫の生命保険金を、自分の「雨の日の口座」に入れたって言ったわ。)
Peter: He said that — rainy-day account?
(そう言ったのか……雨の日の口座と?)
Sophie: He said that by the time I called you, he’d be long gone.
(私があなたに電話するころには、とっくに姿を消しているって。)
Peter: He mentioned me by name?
(俺の名前を出したのか?)White Collar Season4 Episode4 (Parting Shots)
exactly を入れた What exactly did ~ say? は、要約ではなく言葉そのものを求める聞き方です。ピーターの He said that — は途中で切れ、気になった語だけを rainy-day account? と上がり調子で繰り返しています。He mentioned me by name? も平叙文の語順のまま疑問にした形で、by name は「名指しで」という意味です。どちらも電話口で要点を確かめる聞き方です。
伝言として受け取る「He passed me a message through Sophie.」
その後、ニールを救い出す手立てをヒューズに問われたピーターは、その言葉をどう受け取ったかを示します。
Hughes: How do we get Caffrey out of there?
(どうやってキャフリーをそこから出す?)
Peter: He passed me a message through Sophie.
(ソフィーを通して、俺に伝言をよこしたんです。)White Collar Season4 Episode4 (Parting Shots)
pass (人) a message through ~ は「〜を通じて(人に)伝言を渡す」という言い方で、through の後ろに仲立ちになった人を置きます。ピーターは続けて保険金をニールの口座に入れる案を出し、伝言の読み違いではないかと確かめる声が上がると、短く答えます。
Peter: Yeah. I know Neal.
(ああ。ニールのことは分かってる。)White Collar Season4 Episode4 (Parting Shots)
冒頭では流された冗談が、ここではピーターが意味を読み取る手がかりになっています。前半で何気なく出た言葉が後半で回収される構成は、英語で callback(コールバック)と呼ばれることがあります。
まとめ|冗談の言い回しが伝言に変わるまで
rainy-day account の意味と傘の落ち、What exactly did ~ say? で言葉を聞き出す問い、He passed me a message through ~ という受け止め方を見てきました。同じ言葉が場面によって役割を変えるのが分かります。
『ホワイトカラー』を観返すと、冒頭の何気ない一言にも別の顔が見えてきます。
この回のほかのコラムやフレーズ記事も、同じ場面の英語を別の角度から扱っています。


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