海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン6第5話では、ピンク・パンサーズのリーダーであるウッドフォードが、組織内に潜む「モグラ」を警戒しながら、計画を胸の内に秘め続けます。潜入中のニールも本音を控えめに語りますが、その一方で、ピーターは妻エリザベスの産婦人科医選びにまで捜査官としての手順を持ち込み、仕事の癖を家庭でのぞかせます。何かを胸に秘めておこうとする言葉と、隠すつもりのない癖や本音がつい滲み出てしまう言葉。この回の会話には、そんな二つの方向が同居しています。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン6第5話では、ピンク・パンサーズへの潜入を続けるニールが、リーダーのウッドフォードから信頼の証として、組織内の「モグラ」探しを頼まれる。FBIとインターポール、それぞれの思惑の板挟みになりながらも、ニールは慎重に立ち回っていく。モジーは自作のランダマイザーでアルゴリズムを操作し、銃を使わない新たな強奪計画をニールとともに練り上げていく。一方ピーターとエリザベスは、初めてのソノグラム検査を控えて慌ただしい日々を送るが、仕事にかかりきりになったピーターは、その約束をふいにしてしまう。『ホワイトカラー』S06E05のあらすじを追うときは、誰が本音を胸の内にとどめ、誰がその本音をつい漏らしてしまうかに注目すると、会話の温度差が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. keep something close to one’s vest
(計画や考えを)胸の内に秘めておく、人に明かさないという意味です。
Woodford: It’s the reason I’ve kept the plan close to my vest.
(それが、僕が計画を胸の内に秘めてきた理由だ。)
組織内に潜むモグラを警戒するウッドフォードが、計画を誰にも明かさずにきた理由をニールに打ち明ける場面です。隠れ家に盗聴器を見つけたという具体的な理由を語ってから結論に至る組み立てに、慎重に言葉を選ぶ用心深さが表れています。
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2. put something to bed
(計画などを)白紙に戻す、けりをつけるという意味です。
Woodford: I’ll put the plan to bed, go underground for a while.
(計画は白紙に戻して、しばらく身を隠すとしよう。)
自力でモグラを見つけられなければ計画自体を白紙に戻して身を隠すと、ウッドフォードがニールに言い切る場面です。胸の内に秘めてきた計画そのものを手放す覚悟を、あっさりとした一文で告げています。
3. lie low
身を潜める、大人しくしているという意味です。
Peter: That’s why the Panthers were laying low.
(それでパンサーズは大人しくしてたのか。)
パンサーズが目立った動きを控えていた理由を、ニールの報告を受けてピーターが得心する場面です。That’s why と一言で腑に落ちる様子を示すところに、余計な詮索を挟まない率直さが表れています。
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4. watch someone’s back
~の後ろを守る、~を見守るという意味です。
Mozzie: So I can watch your back.
(君の後ろを守るためだよ。)
危険を冒してまで同行したい理由を尋ねられたモジーが、ニールを守りたいのだと本音を明かす場面です。理屈をこねる普段の口調とは違い、短い一言でまっすぐに気持ちを伝えています。
5. pick someone’s brain
~の知恵を借りる、~に相談してアイデアをもらうという意味です。
Neal: I picked the brain of an associate.
(知り合いの知恵を借りたんだ。)
郵便輸送管を使う新しいアイデアの出所を尋ねられたニールが、知り合いの知恵を借りたのだと明かす場面です。誰なのかを名指しせず「知り合い」とぼかす言い方に、情報を出し惜しみする慎重さがのぞきます。
6. be on the clock
時間に追われている、制限時間内で行動しているという意味です。
Neal: Swami, we’re on the clock.
(スワミ、僕らは時間に追われてるんだ。)
偽の緊急点検を装ってヨガスタジオに乗り込んだニールが、ヨガ講師に扮したモジーを急かす場面です。Swamiという偽の呼び方を保ったまま急かすところに、潜入中でも演技を崩さない余裕がうかがえます。
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7. be a hard act to follow
後に続くのが難しいほど立派な手本であるという意味です。
Jones: You and El are a hard act to follow.
(ピーターとエリザベスは、後に続くのが大変なくらい立派な手本ですから。)
母親の話から自分の子育て観を語り合う中で、ジョーンズがピーター夫妻を立派な手本だと評する場面です。普段は捜査の報告に徹するジョーンズが、私的な感情をふと漏らすところに、上司への信頼の厚さがにじんでいます。
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8. do a background check on someone
(人物の)身元調査をする、身辺調査をするという意味です。
Peter: I did a background check on her?
(彼女の身辺調査までしていたのか。)
エリザベスが十年来かかっている産婦人科医が、自分が調べ上げた候補のひとりだったと知ったピーターが、思わず漏らす場面です。断定を避けた疑問形のまま言い切るところに、捜査官の手順が私生活にまで染みついている可笑しさがにじんでいます。
9. leave money on the table
得られるはずの利益や機会を取りこぼす、みすみす逃すという意味です。
Woodford: I don’t leave money on the table.
(私は儲けを取りこぼしたりしない。)
人手が一人足りなくなった計画の穴を、ウッドフォードが利益を逃さない主義で埋めようとする場面です。don’tと言い切る短い一文に、損を出すことを何より嫌う徹底ぶりが表れています。
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10. more times than someone cares to remember
思い出したくないほど何度もという意味です。
Neal: More times than I care to remember.
(思い出したくないほど何度もね。)
新たに合流した協力者を紹介する場面で、長い付き合いをおどけた調子でほのめかすひとことです。cares to rememberという遠回しな言い方に、あえて詳しく語らずに済ませる余裕がのぞきます。
このエピソードの英語学習ポイント
ウッドフォードの言葉を追うと、計画を胸の内にとどめておこうとする姿勢が一貫していることが分かります。It’s the reason I’ve kept the plan close to my vest.と、盗聴器を見つけた過去の経験を根拠に胸の内を明かしたかと思えば、事態が悪化した際にはI’ll put the plan to bed, go underground for a while.と、その計画自体をあっさり手放す覚悟も見せます。秘めておくことと、手放すこと。両方を同じ淡々とした調子で語るところに、感情に流されず計画を管理しようとするリーダーらしい話し方が表れています。
一方でピーターの言葉には、仕事の癖がつい家庭にまで漏れ出てしまう瞬間があります。That’s why the Panthers were laying low.とニールの報告に即座に納得する同じ人物が、妻の産婦人科医選びでもI did a background check on her?と、無意識のうちに捜査官の手順を踏んでいたことに気づきます。仕事では躊躇なく結論に至るピーターが、家庭の場面でも同じ思考回路をつい使ってしまうところに、立場を越えてにじみ出る職業病が見えてきます。
聞き取りの際は、意味を確認したあとで、ウッドフォードの言い切る口調と、ピーターが思わず職業病をのぞかせる口調を聴き比べてみてください。同じ「胸の内が出てしまう」場面でも、意図して抑える話し方と、無意識に滲み出てしまう話し方の違いが、声の調子からも伝わってくるはずです。
キャラクター別|英語の特徴
ウッドフォード|計画を管理し、必要とあれば手放す統率者
組織内のモグラを警戒するウッドフォードは、It’s the reason I’ve kept the plan close to my vest.と、計画を秘密にしてきた理由をニールにだけ明かします。台本では、ウッドフォードの発話としてI’ll put the plan to bed, go underground for a while.も確認できます。計画を守り抜くことと、状況次第でその計画を切り捨てることを、同じ淡々とした口調で語るところに、感情より計算を優先する統率者らしい話し方が表れています。
利益への執着も同様で、I don’t leave money on the table.と短く言い切る一言には、損失を許さない徹底した姿勢がにじんでいます。何かを守るときも手放すときも、迷いを見せない言葉選びが、この人物の一貫した特徴です。
ニール|控えめな言葉で情報を守る潜入捜査官
モグラ探しに巻き込まれながらも、ニールはI picked the brain of an associate.と、協力者の存在をぼかした言い方で情報を出し惜しみします。台本では、ニールの発話としてSwami, we’re on the clock.も確認できます。偽名で呼びかけたまま相手を急かすところに、危険な潜入中でも冷静に演技を保つ余裕が表れています。
新たな協力者を紹介する場面でも、More times than I care to remember.と詳しい経緯をぼかしたまま済ませており、必要な情報だけを小出しにする慎重さが、この回のニールに共通する話し方です。
ピーター|職務では簡潔、家庭でも捜査官の癖が抜けない
ニールの報告を受けたピーターは、That’s why the Panthers were laying low.と一言で腑に落ち、余計な詮索をしません。台本では、ピーターの発話としてI did a background check on her?も確認できます。職務上の判断には迷いのない簡潔さを見せる一方、妻の産婦人科医を選ぶという私的な場面でも、身元調査という捜査官の手順をごく自然に踏んでしまうところに、意識せず滲み出る職業病が表れています。
同じピーターの口から出る言葉でも、現場での判断は簡潔に、家庭での振る舞いには仕事の癖がそのまま持ち込まれるところに、職務と家庭という二つの立場を行き来してもなお変わらない人物らしさが見えてきます。
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