海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
久しぶりに顔を合わせた相手に、つい昔の得意技を持ち出して自虐まじりの一言をこぼしてしまう瞬間が、ドラマには時々あります。
そんな場面で使われる「take pride in」を、『ホワイトカラー』シーズン4第1話の終盤、久々に再会したニールとピーターのやり取りから、一緒に見ていきましょう。
「take pride in」の意味とニュアンス
take pride in
意味:~を誇りに思う
take pride in のあとには名詞や動名詞(~ing)が続き、自分の技術・成果・行い・所属先などに対する誇りや自負を表します。in は「~の中に」という意味で、自分の行為や技術そのものの中に誇りを収めているという感覚です。誰かに褒められて生まれる誇りというより、自分自身の内側から静かに湧き上がる自負に近いニュアンスを持っています。
be proud of とほぼ同じ意味で使われますが、take pride in は「その行為・状態を継続的に大切にしている」という、より能動的な響きを持っています。仕事の姿勢や生活習慣のように、日々積み重ねてきたことに対して使われることが多い表現です。
冗談や皮肉を込めて、本来なら誇れないはずのことに使うこともあります。誇りの対象を大まじめに語るのではなく、あえて軽い調子で持ち出すことで、自虐と自負が同居したユーモアが生まれる表現でもあります。
【ここがポイント!】
- 「take pride in」の核は、自分の行いや技術そのものに収めた誇り
- be proud of よりも継続性・能動性のある響きを持つ表現
- 冗談や皮肉を込めて、あえて誇るように言う使い方もできる
『ホワイトカラー』S04E01のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
久しぶりに顔を合わせたニールとピーター。ついさきほど、子どものスリがピーターの財布を狙っていたばかりの場面を受けて、ニールが自分の昔の腕前を持ち出しながら再会の挨拶を切り出します。軽い冗談から本題への挨拶へと移っていく、そのテンポの変化にも注目してみましょう。
Neal: You know, I used to take pride in being able to steal your wallet. But if a kid can do it… How are you, Peter?
(昔は、君の財布を盗めることを誇りに思っていたんだ。でも子どもにできるくらいなら……。元気だったか、ピーター?)Peter: All right.
(まあな。)Neal: Damn good to see you.
(会えて本当によかったよ。)Peter: You too. Look, Neal, I —
(俺もだ。あのな、ニール、実は――)White Collar Season4 Episode1 (Wanted)
シーン解説と心理考察
「昔は、君の財布を盗めることを誇りに思っていたんだ」というニールの一言は、久しぶりの再会を茶化す軽い自己紹介のようなものです。直前に子どものスリがピーターの財布を狙っていたことを踏まえ、「でも子どもにできるくらいなら……」と自分の腕前をわざと落として笑いを誘っています。
冗談を交えたやりとりのあと、「元気だったか、ピーター?」と本題の挨拶に切り替わる流れには、軽さの奥にある本当の親しみが表れています。短い「まあな」という返しと、「会えて本当によかったよ」という率直な言葉との対比には、控えた反応と素直な喜びという、二人の距離感の違いが浮かび上がります。軽口から本音へと自然に橋を架けていく、その会話運びの巧みさもこの場面の見どころです。
『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ
take pride in を覚えるコツは、自分の誇り(pride)を、大切な箱の中に取り込んで(take)しまうイメージを持つことです。両手で誇りをそっと抱え込むような仕草を添えると、この表現の感覚がより自然に身につきます。in は「~の中に」という意味で、自分の行為や技術そのものの中に誇りをしっかりと収めている感覚です。
このシーンでニールが誇りを見出したのは、「財布を盗む技術」という、普通なら誇れないはずのものでした。誇るはずのない対象にまで、あえて誇りの箱を差し出してみせる、その皮肉交じりの余裕を思い浮かべておくと、冗談めかして使いたい場面でこの表現が自然に浮かんでくるはずです。箱の中身が立派なものでなくてもかまわない、というくらいの軽い気持ちで扱うと、皮肉のニュアンスがより自然に伝わります。
例文で覚える「take pride in」
仕事の姿勢から個人的な達成まで、take pride in を、3つの例文で確認していきましょう。
She takes pride in doing every task carefully, no matter how small.
(彼女はどんなに小さな仕事でも、丁寧にやることに誇りを持っている。)
仕事への姿勢を語る場面です。日々の積み重ねに対する継続的な誇りを表す、基本的な使い方です。
Our team takes great pride in delivering projects on time.
(私たちのチームは、プロジェクトを期限内に仕上げることに大きな誇りを持っています。)
自社・自チームの強みをアピールするビジネスの場面です。great を加えることで、誇りの強さを強調できます。
A: You always keep your desk so organized.
B: Yeah, I take pride in keeping things neat.
(A:いつも机がすごく整理されてるね。)
(B:うん、きちんと整えることに誇りを持ってるんだ。)
習慣や生活態度について話す会話です。ちょっとした日常の習慣にも、この表現は気軽に使えます。
あわせて覚えたい関連表現
be proud of
(~を誇りに思う)
take pride in とほぼ同義ですが、be proud of の方がより一般的・口語的で、瞬間的な誇らしさにも使いやすい表現です。
pride oneself on
(~を自慢に思う、~を得意とする)
take pride in よりも「自分の能力・特性への自信」を強調する、やや硬い表現です。文章や改まった場面で、自分の強みをはっきりと打ち出すときに使われます。
be known for
(~で知られている)
take pride in が本人の内面的な誇りを表すのに対し、be known for は他者からの評価や認知に焦点を当てる表現です。自分がどう思うかではなく、周囲からどう見られているかを語るときに使われます。
Note|take pride in と be proud of、誇りの持ち方の違い
take pride in と be proud of は、どちらも「誇りに思う」と訳される近い意味の表現ですが、使われる場面にはそれぞれ少し違った傾向があります。be proud of は日常会話で最も広く使われる、いわば標準形の表現です。子どもの成績や誰かの成功を祝う場面など、瞬間的な誇らしさを表すのにも自然に使えます。I’m so proud of you. のように、感情がその場でぱっと湧き上がる場面によく似合う言い方です。
一方の take pride in は、in のあとに動名詞や名詞が続く構造から、誇りの対象が「一度きりの出来事」ではなく「継続してきた行い・技術・姿勢」であることを示しやすい表現です。仕事のやり方や生活習慣のように、日々積み重ねてきたことに対する誇りを語るときに、より自然に響きます。このシーンでニールが take pride in を使ったのも、財布を盗む技術という、彼が長く磨き続けてきた腕前を指していたからこそでした。単発の出来事ではなく、積み重ねてきた技そのものへの誇りだったという点に、この表現ならではのニュアンスが表れています。
どちらを選ぶかによって、誇りが「その場の感情」か「積み重ねてきたもの」かという焦点の違いが伝わります。とっさに口をついて出る誇らしさなのか、長い時間をかけて育ててきた自負なのか、その違いを意識するだけで、言葉の選び方は自然と定まってきます。
まとめ|積み重ねてきた技への、皮肉交じりの誇り
take pride in は、自分の行為や技術そのものの中に誇りを収めて語る表現です。in が持つ「~の中に」という感覚を覚えておけば、日々積み重ねてきたことへの誇りを、自然に言葉にできます。
仕事の姿勢を語るときも、ちょっとした生活習慣を話すときも、この一言があれば誇りの気持ちを軽やかに伝えられます。
財布を盗む腕前をあえて持ち出したニールの一言には、久しぶりの再会を軽やかに切り出す茶目っ気とともに、積み重ねてきた技への皮肉交じりの誇りがにじんでいると言えます。控えた返しと素直な喜びが交差する、この再会のやり取りも印象的な場面です。軽口の奥にある本音の親しみが、静かに伝わってくる再会でもあります。


コメント