海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』の新シーズンが幕を開けるこの回では、「ジェイムズ・メイン」という名で南国の島に身を潜めるニール・キャフリーに、追っ手のコリンズ捜査官の手が着実に迫っていきます。正体を隠すために選ばれた慎重な言葉と、追う側や身近な相手からふとこぼれる飾らない本音、その落差に注目です。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン4開幕回では、FBIから逃走したニール・キャフリーの行方が分からなくなって6週間、ピーターたちは手がかりを追い続けている。国際問題局のコリンズ捜査官が新たに捜査に加わり、ニールの身柄確保に本気で乗り出す一方、南国の島で偽の身分を使い続けるニールは、相棒モジーと共に静かな暮らしを送っていた。島のカフェを営むマヤとの関係を深めつつも、ニールは自分の過去を明かせないまま日々を過ごしている。追跡の手が着実に狭まっていくなか、ピーターは残された手がかりからニールの居場所を突き止めようとする。シーズン4の幕開けとなる『ホワイトカラー』S04E01は、追う者と隠れる者、それぞれの言葉の使い分けが観察できる一話だ。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. work of fiction
作り話、絵空事という意味です。
Maya: Your open book is a work of fiction.
(隠し事はないという顔も、結局は作り話ね。)
素性を隠したまま生活するニールに対し、カフェを営むマヤが「隠し事のない顔」を装う態度こそ作り話だと見抜いて切り返す場面です。皮肉めいた一言に、島の穏やかな暮らしの奥に潜む嘘を見抜く鋭さがのぞきます。
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2. on the other hand
一方では、他方ではという意味です。
Neal: Neal Caffrey, on the other hand, is —
(一方でニール・キャフリーはというと。)
モジーに「気楽な島の住人ジェイムズ・メイン」と評された直後、ニール自身が本当の身元を「一方で」と切り返す場面です。自分の正体をまるで他人の話のように語る言い方に、二重生活で身についた距離の取り方がにじみます。
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3. have a leg up
(~より)一歩有利な立場にある、優位に立っているという意味です。
Peter: He’s got a leg up.
(奴が一歩有利な立場にある。)
コリンズがWITSECへのアクセス権を持っていると知ったピーターが、相手の優位を妻エリザベスに率直に伝える場面です。捜査の劣勢を隠さず認める言い方に、身内には飾らないピーターらしさが表れています。
4. come by
(苦労して)手に入れる、入手するという意味です。
Dobbs: Not easy to come by in these parts.
(この辺りじゃそう簡単には手に入らないな。)
モジーたちが持参した年代物のウイスキーを見て、島の実力者ダブスが入手経路を尋ねる場面です。品定めするような一言に、島を仕切る男の抜け目なさがのぞきます。
5. drive someone crazy
(人)をイライラさせる、うんざりさせるという意味です。
Peter: Oh, drove me crazy.
(ああ、うんざりさせられたよ。)
張り込み中、妻エリザベスに「寂しいんでしょう」と指摘されたピーターが、うんざりさせられただけだと強がって否認する場面です。短い一言の裏に、認めたくない本音がにじみます。
6. have a good run
良い時間を過ごした、うまくいった期間があったという意味です。
Neal: We had a good run.
(僕たちは良い時間を過ごしたよ。)
危険を知らせる電話をかけてきたピーターに対し、ニールがこれまでの相棒関係をあえて過去形で振り返る場面です。「終わったこと」として語る言い方に、覚悟の裏返しがのぞきます。
7. keep an eye out for
~に気を配る、~を警戒して見張るという意味です。
Mozzie: I’ll have Hector keep an eye out for Collins, just to be safe.
(念のため、ヘクターにコリンズを見張らせておくよ。)
マヤとの距離が縮まったのを見たモジーが、用心深く、コリンズの動きに備えて見張りを頼むと申し出る場面です。浮かれた空気の中でも警戒を怠らない、モジーらしい一言です。
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8. out of one’s hands
(人の)手に負えない、コントロールが及ばないという意味です。
Hughes: Caffrey’s fate is out of your hands, Peter.
(キャフリーの運命はもう君の手に負えない、ピーター。)
コリンズの単独行動を止められないピーターに対し、上司のヒューズがもう部下の手に負えないと言い渡す場面です。名前を呼びかけて念を押す言い方に、有無を言わさない上下関係がのぞきます。
9. look like
~のように見える、~に似ているという意味です。
Mozzie: This sure looks like his file photo.
(これは間違いなく奴のファイル写真に似ているな。)
ヘクターが持ってきたコリンズらしき男の写真を見て、モジーがファイルの顔写真との一致を確かめる場面です。淡々とした確認の一言に、島の警戒網を仕切るモジーの慎重さが表れています。
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10. take pride in
~に誇りを持つという意味です。
Neal: You know, I used to take pride in being able to steal your wallet.
(昔は、君の財布をすれることに誇りを持っていたんだけどな。)
子供にすられた財布を取り返した直後、久々に再会したピーターに、かつてはスリの名手だったと軽口交じりに語る場面です。誇らしげな言い方の中に、詐欺師としての矜持がのぞきます。
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このエピソードの英語学習ポイント
正体を隠して暮らすニールの言葉を追うと、取り繕った顔と本音のずれが随所に見えてきます。マヤに「Your open book is a work of fiction.」と見抜かれた直後、ニール自身も「Neal Caffrey, on the other hand, is –」と、まるで他人の話をするように自分の正体を語ります。自分たちを普通の人間と言えるかどうかを巡ってニールが「Language is fluid.」と屁理屈をこねますが、すぐさま「So is your linen shirt.」とモジーに混ぜっ返され、あっさり形勢を崩されます。屁理屈をこねる側と、それをからかい返す側の掛け合いに、この島での二人の距離感が表れています。島の実力者ダブスが年代物のウイスキーを前に「Not easy to come by in these parts.」と入手経路を探る一言も、よそ者である二人の素性を遠回しに探ろうとする視線のひとつと読める。
一方、ニューヨーク側の言葉には隠しごとの余地がほとんどありません。妻エリザベスに「You miss him.」と指摘されたピーターは「Oh, drove me crazy.」と強がって見せますが、エリザベスが冗談めかしてコリンズの立ち聞きを買って出ると、「It might make me feel a little better.」とすぐさま乗ってしまうあたり、否定したはずの本音がすぐに漏れ出しています。上司のヒューズも「Caffrey’s fate is out of your hands, Peter.」と、名前を呼びかけながら有無を言わさず言い渡します。島で正体を隠す側の回りくどさと、追う側や身内が思わずこぼす飾らない一言、その落差を聞き比べてみると、この回の会話の温度差がよく見えてきます。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|偽の身元を語りながら、素の顔をふと覗かせる話し方
正体を隠して「ジェイムズ・メイン」を演じるニールは、この回もマヤに「Your open book is a work of fiction.」と見透かされてしまいます。台本では、ニールの発話として「Neal Caffrey, on the other hand, is –」と、自分自身を三人称めいた距離感で語る場面が確認できます。偽名の裏に隠した本名を、まるで他人事のように口にするところに、二重生活に慣れきったニールらしい距離の取り方が表れています。
しかし島を離れ、久々にピーターと顔を合わせた終盤では「You know, I used to take pride in being able to steal your wallet.」と、素のニールらしい軽口が戻ってきます。取り繕った丁寧さの島の顔と、気を許した相手の前でだけ見せる詐欺師としての誇り、その両方が同じ人物の中に同居しているところに、この回のニールの面白さがあります。
ピーター|隠したい気持ちほど言葉からにじみ出る話し方
張り込み中、エリザベスに「You miss him.」と図星を突かれたピーターは「Oh, drove me crazy.」と強がって見せます。台本では、この直後にエリザベスがコリンズの立ち聞きを冗談めかして申し出ると、ピーターが「It might make me feel a little better.」とすぐさま乗ってしまう場面も確認でき、寂しさを認めたくない気持ちがそのまま行動ににじみ出ています。ニールの「We had a good run.」という別れの言葉に「It’s not over.」と短く言い返す場面でも、多くを語らないぶん飾らない一言に万感の思いが凝縮されています。
一方で、上司のヒューズから「Caffrey’s fate is out of your hands, Peter.」と告げられると、「I don’t accept that.」と即座に食い下がる直情径行さも見せます。感情を隠そうとしても言葉や行動に出てしまう不器用さと、上下関係の前でも簡単には引かない粘り強さ、その両方がこの回のピーターの英語に表れています。
モジー|警戒心を理屈で正当化する話し方
ニールが普通の人間かどうかを巡って「Language is fluid.」と屁理屈をこねると、モジーはすぐさま「So is your linen shirt.」と混ぜっ返し、あっさり相手の勢いをそぎます。台本では、モジーの発話として「I’ll have Hector keep an eye out for Collins, just to be safe.」も確認でき、浮かれた空気の中でも警戒を怠らない用心深さが表れています。
写真を手に「This sure looks like his file photo.」と確認する場面でも、常に最悪の事態を想定して動くモジーらしい慎重さがのぞきます。からかい混じりの軽口と、実務では抜かりのない用心深さ、この振り幅がモジーの英語の持ち味です。
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