海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
シットコム『ヤングシェルドン』シーズン1第18話では、コミックをめぐる言い合いをきっかけに、母メアリーが9歳のシェルドンを大人として扱うと宣言します。そこから、大人扱いを求める息子と、その言い分を逆手に取る母との応酬が続いていきます。
今回は treat ~ like an adult を入り口に、皮肉で相手の主張を突く言い方と、親が最後に言い切るひと言を順にたどります。
「treat you like an adult」:大人扱いの宣言と切り返し
コミックのことでシェルドンと言い合いになったメアリーは、ある宣言をします。
Mary: You want me to treat you like an adult, you got it. From this moment on, I am done mommy-ing you.
(大人扱いしてほしいなら、そうしてあげる。今この瞬間から、ママをやるのはおしまい。)Sheldon: Wonderful. Does that mean I can have my comic books back?
(素晴らしい。ということは、僕のコミックは返してもらえるの?)Mary: Comic books are for children. You’re an adult.
(コミックは子ども向けよ。もう大人なんでしょ。)Young Sheldon Season1 Episode18(A Mother, a Child, and a Blue Man’s Backside)
treat ~ like an adult は「〜を大人として扱う」という意味で、like の後ろを a child に替えると「子ども扱いする」になります。You want me to ~ は「〜してほしいのね」と相手の求めを確かめる形で、続く you got it は「わかった、そうしよう」と引き受ける返事です。メアリーは、息子の求めをいったんそのまま受け入れる形を取っています。
I am done ~ing は「もう〜するのはやめた」と区切りをつける宣言です。mommy-ing は mommy(ママ)に -ing を付けた即興の言い回しで、母親として世話を焼くこと全体をひとまとめに指しています。
シェルドンの Wonderful. は宣言を歓迎する返事で、話はすぐにコミックへ戻ります。ところがメアリーは、コミックは子ども向けで、相手はもう大人だと返しました。相手の言い分をそのまま使うと、要求がそのまま本人に返ってくるのが面白いところです。
- A: Stop treating me like a child.
(子ども扱いしないで。) - B: Then act like an adult.
(じゃあ、大人らしくふるまって。)
「It’s interesting that ~」と「So you’re saying ~」:皮肉で詰める
別の場面、朝のあいさつのあとで、学校に出す同意書のサインが話題になります。
Mary: Oh. It’s interesting that an adult would need his mother to sign a consent form.
(あら。大人が母親に同意書のサインを頼むなんて、面白いわね。)Missy: And here we go.
(はい、始まった。)Sheldon: I don’t need you to sign it, the school does.
(僕がサインを必要としてるんじゃない、学校が必要としてるんだ。)Mary: So you’re saying even the school doesn’t think that you’re mature enough to make all your own decisions.
(つまり、学校でさえ、自分のことを全部自分で決められるほど大人だとは思ってないってことね。)Young Sheldon Season1 Episode18(A Mother, a Child, and a Blue Man’s Backside)
It’s interesting that ~ は文字どおりには「〜とは興味深い」ですが、ここでは相手の矛盾を指摘する皮肉として働いています。大人として扱われたい息子が、母親のサインを必要としている点を突いた一言です。
シェルドンは、サインが要るのは自分ではなく学校だと理屈で切り返します。I don’t need you to ~, the school does. は、主語を入れ替えて必要としている側をずらす組み立てです。
それを受けたメアリーの So you’re saying ~ は「つまり〜ということね」と、相手の言葉を言い直して確かめる前置きです。言い直した中身に「学校でさえ十分に大人とは見ていない」という結論を入れ、息子の反論を自分の主張の根拠に変えています。mature enough to ~ は「〜できるほど成熟している」という意味です。ミッシーの And here we go. は、また言い合いが始まったという反応と読み取れます。
- A: So you’re saying it’s my fault?
(つまり、私のせいだって言いたいの?) - B: That’s not what I meant.
(そういう意味じゃないよ。)
「I can worry about my own safety, thank you.」:口出しを断る息子と親の言い切り
竜巻注意報が出ている日、大学の出願料を稼ぐために働いているシェルドンに、メアリーが帰るよう求めます。
Sheldon: I think you’re just worried I’m earning the money to send in my college application.
(ママはただ、僕が大学の出願料を稼いでるのが心配なだけだと思うよ。)Mary: I am worried it is not safe out here. Let’s go!
(心配なのは、外が危ないってこと。さあ、帰るわよ!)Sheldon: I can worry about my own safety, thank you.
(自分の安全くらい、自分で心配できるよ。お構いなく。)Mary: I don’t care if you think you’re an adult. I’m your mother, and you will do as I say.
(自分を大人だと思ってようと関係ない。私は母親なんだから、言うとおりにしなさい。)Young Sheldon Season1 Episode18(A Mother, a Child, and a Blue Man’s Backside)
シェルドンの言う worried は、母が気にしているのは出願のことだという彼なりの受け取りです。メアリーは同じ worried を使い、心配しているのは外の安全だと言い直しています。相手の語を引き取って中身を入れ替える返し方です。後半の Let’s go! は「さあ行くよ」と行動を促す短い呼びかけで、ここでは帰宅を急かす合図になっています。
I can worry about my own ~, thank you. は「自分の〜は自分で心配できる」と言ったうえで、末尾の thank you で話を打ち切る響きを添えた言い回しです。感謝ではなく、これ以上の口出しを断るための thank you です。
最後の I don’t care if ~ は「〜でも関係ない」と相手の前提を退ける形です。続く you will do as I say は、will を使って「そうすることになる」と結果を決めてしまう強い言い方で、理由を母親という立場ひとつに絞っています。大人扱いの宣言で始まった応酬が、母の立場の宣言に行き着くという場面です。
- A: I can handle it myself, thank you.
(自分でできるから、お構いなく。) - B: Okay, just let me know if you need help.
(わかった、手が要るときは言ってね。)
まとめ|大人扱いをめぐる言い返しの英語
treat ~ like an adult と you got it で始まった宣言は、It’s interesting that ~ や So you’re saying ~ による切り返しを経て、I don’t care if ~ の言い切りに行き着きます。相手の語を引き取って返す組み立ては、言い合いの英語を聞き取る手がかりになります。
次回も『ヤングシェルドン』の親子の会話を観ながら、英語の言い回しを拾っていきましょう。


コメント