「my bad」の意味と使い方|『メンタリスト』S02E08で学ぶ英会話

「my bad」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

手を滑らせて物を落としたり、うっかり人の場所に座りかけたり。そんな小さな失敗を、深刻にならない短い一言でさらりと流していく瞬間が、ドラマには時々あります。日本語の「あ、ごめん」にちょうど重なる言い方です。

そこで使われるのが「my bad」です。『メンタリスト』シーズン2第8話の中盤、遺体安置所で証拠の確認に訪れたジェーンが、手元の物を落としてしまうシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「my bad」の意味とニュアンス

my bad
意味:ごめん、こっちのミス

自分の小さな過失をその場で認める、くだけた言い方です。日本語の「ごめん」「わたしのミス」に近く、二語で言い切れる短さが最大の特徴になります。

sorry との違いは、謝罪の重さです。my bad が引き受けるのは、人にぶつかった、送り先を間違えた、順番を取り違えた、といった軽い失敗までで、相手に実害が出た場面や、改まった詫びが必要な場面には向きません。取引先へのメールや目上の相手には I apologize. を選ぶのが無難です。

文の形も独特で、bad は本来 the bad part のような支えを必要とする形容詞ですが、それを省いて二語のまま立たせています。この崩れた形が、そのまま話し言葉らしさになっています。

That was my bad. のように名詞のように扱う形もあり、こちらは「あれは私のミスだった」と少し落ち着いた響きになります。

【ここがポイント!】

  • 二語で言い切る、軽い失敗をその場で引き受けるための一言
  • sorry より軽く、深刻な謝罪や改まった場面には向かないのが特徴
  • 使える相手は気心の知れた範囲まで、と線を引いておくのがコツ

『メンタリスト』S02E08のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

事件の鍵を握る遺体が保管されているはずの、郊外の遺体安置所です。チョウとジェーンが確認に訪れ、係員から保存状態の説明を受けています。話を聞きながら勝手に手を出すのは、ジェーンのいつもの調子です。落とした物の音と、それを打ち消すような短い一言に注目してみてください。

Cho: We need someone sitting on this place 24/7 until we can move the body up to Sacramento.
(サクラメントに移送するまで、ここには24時間態勢で人をつける必要がある)

Jane: Whoops. Uh, my bad. That’s weird.
(おっと。ごめん。これは妙だな)

Cho: Yeah, it is. Where’s the body, Doc?
(ああ、妙だ。遺体はどこです、先生?)

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シーン解説と心理考察

謝罪といっても、深刻さはほとんどありません。my bad は、場の流れを止めない程度に非を認めるための一言です。ここでも、チョウの話を遮ってしまったことへの詫びが、二語で片づけられています。

ジェーンは現場で勝手に物に触れ、周囲を軽く困らせながら手がかりを探すのが常です。この短い謝り方には、悪びれない態度と場をなごませる軽さが同時に重なっています。

手を出しては注意される、というやり取りが、この二人のあいだでは日常になっています。そして、詫びた直後に口調が変わります。落としたことよりも、目の前の状況のほうがおかしい。軽い一言から、事態の異変への気づきへ切り替わる数秒が、この場面の見どころです。二語の軽さと、そのあとに待っている重さの落差が、静かな緊張を生んでいます。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

my bad は、言いかけて途中でやめたような形をしています。「私の(悪いところ)」と続けるはずの言葉を、二語で切り上げてしまった。この省略のしかたが、そのまま軽さになっています。

覚えるときは、手のひらを軽く上げて肩をすくめる動きを重ねてみてください。頭を下げるのではなく、手を上げて済ませる謝り方です。この身振りの高さが、そのまま謝罪の重さの目盛りになります。

落とした物が転がる音より短く、その場で流していく二語。遺体安置所でジェーンが見せた一瞬の身振りとセットで覚えておくと、使いどころを間違えにくくなります。

例文で覚える「my bad」

短いぶん、使う相手と場面を選びます。3つの例文で、ちょうどよい距離感を確かめていきましょう。

Oh, my bad. I thought this seat was free.
(あ、ごめん。空いてる席かと思って)
カフェで人の席に座りかけたときの一言です。二語だけで終えず、理由をひとこと足すと、そっけない印象になりません。相手が誰であっても角が立ちにくい形です。

That was my bad, not yours.
(あれは私のミスで、君のせいじゃない)
同僚が責任を負いそうな場面で、かばうために使う一文です。名詞のように扱う形にすると、軽さを残したまま責任の所在だけをはっきり示せます。深刻な口調にならないぶん、相手も受け取りやすくなります。

A: You forgot the milk again.
B: Ah, my bad. I’ll grab some on the way home.
(A:また牛乳忘れてる)
(B:あ、ごめん。帰りに買ってくるよ)
家族との買い物のやり取りです。相づちのように返せる短さがあるので、軽い失敗をとがめられた場面にちょうど収まります。とがめる側も深刻に受け取らないので、会話がそこで止まりません。

あわせて覚えたい関連表現

Sorry about that.
(すみません)
使える場面が今回のフレーズよりずっと広く、店員や初対面の相手にも問題なく使えます。迷ったときはこちらを選ぶと安全です。ぶつかった相手や店員など、距離のある相手にも使えます。

That’s on me.
(それは私の責任です)
責任の所在を引き受ける言い方で、金銭や結果を伴う場面にも使えます。my bad より重く、仕事の場でも通用する点が違います。会計を持つという意味で使われることもあります。

I apologize.
(お詫びします)
改まった謝罪の形です。今回のフレーズが使えない相手や場面、たとえば社外への連絡や目上の相手には、こちらに置き換えます。書き言葉でも収まりがよく、謝罪文の型としても使えます。

Note|コートから広まった二語

たった二語の言い方が、どこから来てどう広まったのか。my bad には、はっきりした出発点があると語られることの多い表現です。

よく知られているのは、バスケットボールのコートで生まれたとする説です。試合中にパスを失敗した選手が、プレーを止めずに自分の非を認める掛け声として使い、そこから広まったとされています。1980年代から90年代にかけてアメリカの若者言葉として定着し、その後スポーツの文脈を離れて日常語になっていきました。ただし、この由来については諸説あり、辞書によって説明の仕方も異なります。

興味深いのは、由来として語られる場面と、いまの使われ方がぴたりと重なっている点です。試合を止めずに非を認める、という役割は、会話を止めずに謝るという現在の用法とそのまま同じです。長い謝罪はプレーを止めてしまう。だからこそ、二語で足りる形が選ばれたという説明には、無理のない筋が通っています。

劇中でも、係員の説明を止めないまま、ジェーンは二語だけ発しています。場を止めない謝り方という性格が、そのまま出ている使い方です。

短い言葉には、短くなければならなかった理由があるようです。

まとめ|二語で流していく謝り方

「my bad」は、自分の小さな失敗をその場で引き受ける、最も短い部類の謝り方です。bad を名詞のように使う崩れた形が、そのまま話し言葉らしさになっています。

物を落とした、送り先を間違えた、順番を取り違えた。そんな場面で長い謝罪を並べると、かえって場が重くなります。二語で流せるようになると、会話のテンポを保ったまま非を認めるという選択肢が増えます。改まった詫びが必要なときは I apologize. に切り替える、という線引きもセットにしておくと安心です。

使う相手と場面を選ぶ表現ではあるものの、口語の軽さをそのまま体現している一言と言えます。

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