海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン1第11話では、かつての相棒アレックスとの再会をきっかけに、探り合いの駆け引きが幕を開けます。アレックスは相手の出方を試すように用心深い言葉を選び、ピーターは捜査の現場で有無を言わせぬ指示で場をまとめます。ニールはアレックスの前では自分の流儀を試されながら、ピーターのチームでは素直に指示に従う側に回り、相手によって言葉の距離感を変えています。探り合う言葉と、指揮する言葉の対比が、この回の会話には表れています。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン1第11話は、かつての相棒アレックスとニールの再会から幕を開ける。行方を追い続けているオルゴールの手がかりを求めて接触するニールに、アレックスは色よい返事を返さない。一方ピーターたちは、資産家の株トレーダーが自宅で撃たれた事件を追う中、暗号化された奇妙なリストの存在に気づく。ピーターの自宅が停電で使えなくなり、ニールの部屋に居候する二人の共同生活も始まり、リストに名を連ねる風変わりな富豪ダンとの関わりを通じて、事件の裏に高価な美術品が絡んでいることが見えてくる。『ホワイトカラー』S01E11のあらすじを追うときは、それぞれの人物が相手との距離をどんな言葉で測っているかにも注目したい。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. can’t bring oneself to
~する気になれない、~することができないという意味です。
Alex: I couldn’t bring myself to part with it.
(それを手放す気には、どうしてもなれなかった。)
オルゴールの欠片をまだ手放せずにいたことを、ニールに指摘されて渋々認める場面です。過去形と否定形を重ねる言い方に、認めたくない本音がにじんでいます。
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2. make a killing
大儲けするという意味です。
Neal: Made a killing in derivatives right before the crash.
(暴落の直前に、デリバティブで大儲けしていた。)
殺害された株トレーダーが金融危機直前にデリバティブで大儲けしていたと、ニールがピーターに説明する場面です。主語を省いた短い言い方に、資料を読み上げるような淡々とした調子が表れています。
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3. know your mark
相手(カモ)をよく見極める、標的を知り尽くすという意味です。
Alex: Know your mark, right?
(相手をよく見極めろ、でしょう?)
今度は自分がニールの身辺を調べてきたと明かし、詐欺師の鉄則である「相手をよく知る」を彼自身に投げ返す場面です。疑問形の語尾に、探り合いの主導権を握り直そうとする余裕がのぞきます。
4. set ~ up
~をはめる、罠にかけるという意味です。
Alex: Are you trying to set me up?
(私をはめようとしているの?)
ニールがFBIの監視下にあると知り、自分をはめようとしているのではとアレックスが警戒する場面です。疑問形でありながら、相手の出方を確かめるための一種の罠にもなっています。
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5. just like old times
昔と変わらない、あの頃のままだという意味です。
Alex: Just like old times.
(あの頃のままね。)
ピーターの目をごまかすためニールが持ちかけた芝居に乗りながら、アレックスが昔のニールとの関係を懐かしむように振る舞う場面です。短い一言に、懐旧と駆け引きの両方が同居しています。
6. lay eyes on
~を目にする、~を見るという意味です。
Jones: Swore they had never laid eyes on her.
(彼女を見たことは一度もないと言い張った。)
容疑者ピアースの写真を見せた途端、リストの男たちが口をつぐみ、彼女を見たことがないと言い張ったとジョーンズが報告する場面です。sworeという強い動詞に、男たちの態度の硬さが表れています。
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7. move things along
話や物事を先に進める、てきぱき進めるという意味です。
Peter: We got to move this along.
(そろそろ話を先に進めないと。)
おしゃべりなダンとの雑談が長引く中、ピーターが話を先に進めようと割って入る場面です。理由を説明する前置きを省いた言い方に、状況を動かすことだけを目的にした調子が表れています。
8. work with what one’s got
今あるものでやりくりする、持ち駒でなんとかするという意味です。
Pierce: I, uh, have to work with what I’ve got.
(私は、今持っているものでやりくりするしかないの。)
自分には男のような有利さがない分、持っているものでやりくりするしかないのだと語る場面です。ためらいの間投詞のあとに、割り切った現実的な言葉が続きます。
9. run interference with
(誰かのために)割って入る、間に入って食い止めるという意味です。
Peter: Jones, you run interference with alex.
(ジョーンズ、お前はアレックスの足止めを頼む。)
容疑者を取り逃がさないよう、ピーターがジョーンズにアレックスの足止めを指示し、各自の持ち場を割り振る場面です。名前を呼んでから短く用件を告げる言い方に、迷いのない指揮ぶりが表れています。
10. cut it close
ぎりぎりで間に合う、危ないところだったという意味です。
Neal: Cutting it a little close there, huh?
(ちょっとぎりぎりだったな。)
殺されかけたところをFBIに助けられたニールが、救出のタイミングが際どかったとピーターに軽口を叩く場面です。huh?という軽い語尾に、九死に一生を得たはずの緊張感を和らげる余裕がのぞきます。
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このエピソードの英語学習ポイント
アレックスの言葉を追うと、相手の出方を試しながら自分の手の内は明かさない話し方が見えてきます。ニールの過去を洗ってきたと告げる場面で、アレックスはKnow your mark, right?と、詐欺師の鉄則をそのままニール自身に投げ返します。素直に警戒心を口にするのではなく、相手の決まり文句を借りて切り返すことで、探り合いの主導権をさりげなく握り直しています。同じ用心深さはAre you trying to set me up?という一言にも表れており、疑問形でありながら、相手の反応を確かめるための罠にもなっています。
一方ピーターの言葉は、捜査の現場ではどこまでも簡潔です。おしゃべりなダンとの雑談が長引く場面では、We got to move this along.と理由を説明せずに割って入ります。容疑者を追う場面でも、Jones, you run interference with alex.と、名指しで役割を割り振るだけで迷いのない指揮を執ります。探り合いに時間をかけるアレックスの言葉とは対照的に、ピーターの言葉は状況を先に進めることだけを目的にしています。
ニールの話し方は、相手によって緊張の度合いが変わります。遺体のある殺人現場から離れたい場面では、ピーター相手にThis doesn’t really fall into my area of expertise, peter.と軽口めいた線引きで済ませられますが、アレックス相手には自分自身の口癖のKnow your mark.をそのまま投げ返され、切り返す余裕をなくします。気心の知れたピーターには軽く受け流せる言葉が、駆け引き相手のアレックスには通用しない。この回を見るときは、ニールが相手によってどれだけ言葉の身構え方を変えているかに注目してみてください。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|相手の急所を見抜く遠回しな話術
遺体のある殺人現場から離れたい場面で、ニールはThis doesn’t really fall into my area of expertise, peter.と、気が進まないとは直接言わず、自分の専門外だという線引きでやんわり本音をかわします。台本では、アレックスの持ち物を見咎める場面のニールの発話としてKnow your mark. Remember?も確認できます。相手が何を大切にしているかを見極めてから核心に触れるのが、ニールの決まり文句であり、話し方そのものにも表れています。
ところがこの回では、その決まり文句がそのままアレックスから投げ返されます。台本では、アレックスの発話としてKnow your mark, right?が確認できます。相手を見極める側のはずのニールが、逆に見極められる立場に回ってしまうところに、この回ならではのニールの分の悪さが表れています。
ピーター|てきぱきした指示出しで場を仕切る
雑談が長引けばWe got to move this along.と割って入り、追跡の場面ではJones, you run interference with alex.と即座に役割分担を指示します。台本では、この二つの発話がいずれもピーターのものとして確認できます。理由を説明する前置きを挟まず、状況を前に進めることだけを目的にした言い方が一貫しています。
容疑者を追い詰める緊迫した場面でも、雑談を切り上げる何気ない場面でも言葉の型を変えないところに、状況の重さより効率を優先するピーターの捜査官としての姿勢が表れています。
アレックス|駆け引き慣れした用心深い言い回し
Know your mark, right?やAre you trying to set me up?のように、常に相手の意図を疑い、駆け引きの言葉で切り返します。台本では、旧交を温める芝居に乗ってみせる場面のアレックスの発話としてJust like old times.も確認できます。
疑うときも懐かしむときも、アレックスは相手に主導権を渡すような言い方を選びません。Just like old times.という一言さえ、素直な懐旧というより、この場を自分のペースに持ち込むための一手にも聞こえるところに、駆け引きに慣れた人物らしい用心深さがにじんでいます。
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