海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン3第9話は、ニールの過去を知る危険な相棒の影がちらつき始める回です。古い護符を巡る捜査で見せる故買人の不敵な軽口、盗品の秘密が漏れることに気を揉むモジーの慌てぶり、そして家族に淡々と状況を語るピーターの落ち着き。たいした危機でもない出来事を大げさな言葉で騒ぎ立てる話し方と、物騒な内容さえ表情を変えず事務的に告げる話し方が、同じ回の中で行き交うところに、この回ならではの面白さがあります。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン3第9話では、ニールとサラの関係の真相を巡るやり取りに続き、FBIにはニールのかつての相棒だった詐欺師マシュー・ケラーの動向が舞い込む。エジプトから盗まれた3500年前の護符の行方を追う中で、ニールとピーターは古美術品の故買人ラクエル・ラロックに接触し、内偵捜査を進めていく。一方でモジーは、盗み出した美術品にまつわる秘密が外部に漏れ始めていることに焦りを募らせ、サラの周辺にも不穏な影が忍び寄る。『ホワイトカラー』S03E09のあらすじを追うときは、誰が些細なことに大げさに反応し、誰が物騒な状況でも表情を変えないかに注目すると、この回特有の緊張感が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. hit the panic button
慌てて大騒ぎする、パニックになるという意味です。
Neal: Look, there’s no need to hit the panic button.
(いいか、慌てて大騒ぎする必要はないよ。)
秘密が外部に漏れ始めていることに気づいて慌てるモジーを、まだ騒ぐ段階ではないとニールがなだめる場面です。there’s no need to ~と否定形で切り出す言い方に、相手の焦りを受け止めつつも冷静さを崩さない態度が表れています。
2. line someone up
(何かの目的のために)人を事前に手配する、確保しておくという意味です。
Neal: Except Hale, who I’ve already lined up to fence the Degas.
(ヘイルは別だけどね、ドガの絵を売りさばく相手としてもう手配済みだから。)
美術品の売却先として、故買人のヘイルにすでに話をつけてあるとニールが説明する場面です。I’ve already lined up ~と完了形で済ませてしまった手続きとして語る言い方に、抜かりのなさが表れています。
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3. pick up the phone
電話に出るという意味です。
Peter: This explains why Neal isn’t picking up his phone.
(それでニールが電話に出ない理由が分かったよ。)
サラの部屋にいたことが分かり、ニールが電話に出なかった理由をピーターが察する場面です。This explains why ~と一言で状況を結びつける言い方に、多くを問い詰めずに察してしまう捜査官らしい観察力が表れています。
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4. bells and whistles
(製品などに付いた)いろいろな付加機能、飾りという意味です。
Hale: Yeah, I’m still learning all the bells and whistles.
(ああ、いろんな付加機能をまだ覚えている最中でね。)
モジーが改造した移動オフィスの多機能ぶりに、まだ使いこなせていないとヘイルが苦笑する場面です。still learning allと進行形で言うところに、機能の多さに振り回されている様子がにじみます。
5. have one’s heart set on
(あるもの)を強く望んでいる、それに心を奪われているという意味です。
Hale: Well, my buyer has his heart set on that Degas —
(それがな、うちの買い手はあのドガに心を奪われていてね──)
約束していた美術品の売却が遅れていることに、買い手がまだ執着していると伝える場面です。has his heart set onと現在完了形に近い言い方で語ることで、一時的な興味ではなく根強いこだわりであることを示しています。
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6. half a mind to
(半ば本気で)〜しようかと思っているという意味です。
Raquel: I still have half a mind to kill you.
(今でも半分本気であんたを殺そうかと思ってるのよ。)
初対面のニールに対し、半分本気とも取れる調子で軽く脅しをかけながら警戒心をにじませる場面です。still have half a mindと現在形で淡々と告げる言い方に、物騒な内容を大げさに騒ぎ立てない、ラクエルらしい落ち着きが表れています。
7. shed some light on
(分かりにくいことを)明らかにする、解明する手助けをするという意味です。
Sloan: The fire and the sub, that’s public knowledge, but Neal Caffrey’s extravagant lifestyle while serving time is something we think you can help shed some light on.
(火災と潜水艦の件は公になっている情報だが、服役中のニール・キャフリーの派手な暮らしぶりについては、君なら解明する手助けができると思っている。)
インターポールを名乗る人物が、ニールの派手な暮らしぶりについて情報を求めてサラに詰め寄る場面です。that’s public knowledge, butと前置きしてから本題に入る言い方に、高圧的に見せずに核心へ迫る駆け引きが表れています。
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8. have a life of its own
(機械などが)勝手に動く、まるで意思があるかのように振る舞うという意味です。
Raquel: It has a life of its own.
(あれは勝手に動いてるようなものなの。)
作業場で妙な音を立てるエアコンを、まるで意思を持っているかのようだとラクエルが軽く説明する場面です。It has a life of its ownと、機械の不調を大げさに騒がず日常の一コマとして淡々と語る言い方に、動じない気質が表れています。
9. stick around
その場にとどまる、居残るという意味です。
Raquel: I don’t know what’s going on between you two, but I’m not sticking around to find out.
(あんたたち二人の間に何があるのか知らないけど、それを見届けるためにここに居座るつもりはないから。)
男二人の一触即発の空気を察知し、この場に居続けるつもりはないとラクエルがその場を離れようとする場面です。I don’t know ~, but I’m not ~と、詳しい事情を追わずに判断を下す言い方に、危うい空気を瞬時に見極める故買人らしい現実的な判断力が表れています。
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10. in full force
全力で、総動員でという意味です。
Peter: FBI has got him on the most-wanted list, the U.S. marshals are out in full force, and there’s a bounty on his head.
(FBIはあの男を最重要指名手配リストに載せていて、連邦保安官も総動員で動いていて、懸賞金までかけられている。)
ケラーの手配状況を、動揺するエリザベスに安心させるように説明する場面です。has got、are out、there’sと事実を短く連ねていく言い方に、感情に訴えず情報で相手を落ち着かせようとする姿勢が表れています。
このエピソードの英語学習ポイント
モジーの言葉には、大したことのない出来事さえ大げさに騒ぎ立てる響きがあります。三流タブロイド紙の記事に「They know about the treasure. They’re on to us.」と色めき立ち、ニールになだめられてもなお「Neal, this is where our treasure has reached what Malcolm Gladwell would call a “tipping point.”」と、ビジネス書の著者の名前まで持ち出して深刻ぶってみせます。ちょっとした噂話を、まるで経営理論の転換点であるかのように語るこの大げさな言い回しが、モジーらしい過剰反応をいっそう際立たせています。
そんなモジーに対し、ニールは終始落ち着いています。「Look, there’s no need to hit the panic button.」と、パニックボタンという物騒な比喩をあえて否定形で使うことで、まだ動じる段階ではないと伝えます。美術品の売却先についても「Except Hale, who I’ve already lined up to fence the Degas.」と、すでに手配済みだと簡潔に告げるだけで、騒ぎ立てる必要のなさを行動で示しています。
一方ラクエルは、剣呑な話も顔色ひとつ変えずに片づけます。初対面のニールに「I still have half a mind to kill you.」と半分本気の脅しを口にしたかと思えば、作業場の妙な音についても「It has a life of its own.」と、まるで日用品の説明でもするように淡々と流します。ピーターも、誘拐事件の首謀者ケラーについて動揺する妻に「FBI has got him on the most-wanted list, the U.S. marshals are out in full force, and there’s a bounty on his head.」と、深刻な状況を順序立てて事実だけで伝えます。ドラマを見るときは、たいしたことのない話に大げさに反応する声と、物騒な話題でも変わらない声のトーンを聞き比べてみると、この回ならではの温度差が耳に残ります。
キャラクター別|英語の特徴
モジー|大したことのない出来事を大げさな言葉で騒ぎ立てる英語
タブロイド紙の与太記事一つで、モジーの警戒レベルは一気に跳ね上がります。台本ではモジーの発話として「They know about the treasure. They’re on to us.」に続けて「Neal, this is where our treasure has reached what Malcolm Gladwell would call a “tipping point.”」が確認できます。ビジネス書の著者名や「tipping point」という理論用語を持ち出すことで、実際には根拠の薄い噂話を、まるで重大局面であるかのように語る大げさな言い回しになっています。
事の発端が「ヒトラーのクローンを乗せた幽霊船」というあり得ない見出しの記事だったことを踏まえると、この深刻ぶった語り口とのギャップはなおさら際立ちます。中身の軽さと言葉の重さがかみ合わないところに、モジーらしい過剰反応が表れています。
ラクエル|物騒な内容さえ表情を変えず事務的に告げる英語
初対面の相手への脅し文句も、機械の不調についての説明も、ラクエルの口調は変わりません。台本ではラクエルの発話として「I still have half a mind to kill you.」に続けて「It has a life of its own.」が確認できます。物騒な内容であっても、日用品の説明であっても、感嘆符も強調も付けずに同じ調子で言い切るこの平板さが、かえって本気か冗談か分からない緊張感を生み出しています。
男二人の一触即発の空気を察したときも、ラクエルは騒ぎ立てず「I don’t know what’s going on between you two, but I’m not sticking around to find out.」とだけ告げてその場を離れます。詳しい事情を尋ねようとせず、自分の身の振り方だけを淡々と決めるところに、危険な取引の世界で生きてきた者らしい現実的な判断力が表れています。
ピーター|家族には事実を順序立てて淡々と説明する英語
深刻な状況ほど、ピーターの説明は整理されています。台本ではピーターの発話として「FBI has got him on the most-wanted list, the U.S. marshals are out in full force, and there’s a bounty on his head.」が確認できます。指名手配・保安官の総動員・懸賞金という三つの事実を短く連ねるこの言い方には、動揺する妻を励ましの言葉ではなく具体的な情報で安心させようとする姿勢が表れています。
ニールの電話が繋がらない理由を察した場面でも、ピーターは「Sara. This explains why Neal isn’t picking up his phone.」と一言で状況を結びつけます。感情的に問い詰めるのではなく、分かった事実を淡々と口にするだけで済ませる話し方が、この回を通じてピーターに一貫しています。
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