「fall through」の意味と使い方|『モダンファミリー』S02E07で学ぶ英会話

「fall through」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

楽しみにしていた予定が急になくなってしまい、平気なふりをして「大したことじゃないよ」と受け流した経験はありませんか。

そんな場面にぴったりの「fall through」を、『モダンファミリー』シーズン2第7話の中盤、午後に家にいる理由を父フィルが息子ルークに説明するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「fall through」の意味とニュアンス

fall through
意味:(予定・計画が)だめになる、流れる

fall throughは、計画や合意が土台から抜け落ちるように崩れ、成立しなくなる様子を表す口語表現です。契約・取引・約束・予定など、成立が見込まれていた物事が、最終的に実現しないまま終わってしまう場合に使われます。

床が抜け落ちるイメージに近い言い回しで、自分の意志とは関係なく、外的な事情によって物事が崩れてしまうというニュアンスを含んでいる点が特徴です。誰かが意図的に中止したわけではなく、結果として自然に立ち消えになった、という受け身の響きがあります。順調に進んでいたはずの話が、最後の最後で思わぬ事情によって崩れる、そんな肩透かしの感覚も一緒に含んだ表現だと考えておくとイメージがつかみやすくなります。

不動産の内見や契約がキャンセルになる場面や、旅行の予定が流れる場面、ビジネスの話がなくなる場面など、日常会話からビジネスの現場まで幅広く登場する表現です。主語には人ではなく、予定や取引そのものが立つのが基本の形で、話し手自身の意志とは切り離した淡々とした報告の口調になりやすい点も押さえておきたいポイントです。

【ここがポイント!】

  • 「fall through」の核は、成立しかけていた物事が土台から崩れ落ちてしまうイメージ
  • 意図的な中止ではなく、結果として自然に流れてしまうというニュアンス
  • 不動産・旅行・ビジネスなど、幅広い場面の「予定がだめになる」を表せる

『モダンファミリー』S02E07のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

午後に家にいるフィルを見て、息子のルークが不思議そうに理由を尋ねる場面です。不動産仲介業を営むフィルらしい返答が続きます。

Luke: What are you doing home in the afternoon?
(なんで午後なのに家にいるの?)

Phil: Oh, no big deal. I just had a couple of showings fall through.
(ああ、大したことじゃないよ。ちょっと内見が2件だめになっただけさ。)

Luke: Again?
(また?)

Phil: You know what I always say.
(俺がいつも言ってることだろ。)

Modern Family Season2 Episode7 (Chirp)

シーン解説と心理考察

午後に家にいるフィルを見て、ルークが「なんで午後なのに家にいるの?」と素朴に尋ねます。フィルは「大したことじゃないよ。ちょっと内見が2件だめになっただけさ」と、努めて明るい調子で軽く受け流す様子がうかがえます。

しかしルークの「また?」という短い聞き返しには、こうしたことが今回だけではないという含みが感じ取れます。フィルは「俺がいつも言ってることだろ」とだけ返し、それ以上深刻な話には踏み込みません。仕事がうまくいっていない様子を家族の前では明るく振る舞い、深刻さを見せまいとする父親らしい態度が、この短いやり取りの中に表れています。息子の前で弱気な顔を見せまいとする様子と、それを短い言葉でさらりと察してしまう息子の反応の対比が、この親子らしいやり取りをより印象づけています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

床がミシミシと音を立てて抜け落ち、支えを失って下へ落ちていく様子を思い浮かべてみましょう。それまでしっかり立っていたはずの計画が、突然土台を失って崩れてしまう。fall throughという言葉の芯には、まさにこの「支えを失う」感覚があります。

フィルの「内見が2件だめになった」という一言も、契約が成立する寸前まで進んでいたはずの話が、途中で崩れ落ちてしまったことを表しています。積み上げてきたものが一瞬で崩れる、そのイメージを持っておくと、fall throughという言葉がすっと頭に入ってきます。何段も積み上げた足場が、最後の一段を残して崩れてしまう、そんな惜しさの感覚もあわせて思い浮かべておくと、この表現の持つ淡々とした無念さがより実感を伴って伝わってきます。

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例文で覚える「fall through」

予定や計画がだめになる場面で使えるfall throughを、3つの例文で確認していきましょう。

Our vacation plans fell through because of the storm.
(嵐のせいで休暇の計画がだめになった。)
天候で予定が崩れたことを話す日常の場面です。becauseで理由を添えることで、なぜ計画がだめになったのかが明確に伝わります。

The deal almost fell through at the last minute.
(その取引はぎりぎりのところで流れかけた。)
商談の経過を報告するビジネスシーンです。almostを添えることで、ぎりぎりのところで持ちこたえた、というニュアンスが加わります。

A: Did you sign the lease?
B: No, it fell through.
(A:賃貸契約にサインした?)
(B:いや、だめになったんだ。)
引っ越しの進捗を尋ねる会話です。短い一言で状況を端的に伝えられる、口語らしい使い方です。

あわせて覚えたい関連表現

call something off
((自ら)中止する)
fall throughが「結果として自然に流れる」ことを指すのに対し、call offは当事者が意図的に中止を決める場合に使う表現です。誰の意志で終わったのかという主語の違いがポイントになります。

go south
((事態が)悪化する、うまくいかなくなる)
fall throughより意味が広く、計画に限らず状況全般が悪い方向に進むことを指す口語表現です。予定そのものがなくなるというより、物事が総じてうまくいかなくなる様子を表します。

not work out
(うまくいかない)
fall throughよりも一般的な表現で、計画だけでなく人間関係や試みなど、幅広い対象に使える言い方です。

Note|fall throughとcall offの使い分け

同じ「予定がなくなる」という結果でも、英語ではその原因が誰にあるかによって使う表現が変わります。fall throughとcall offは、その代表的な例です。

fall throughは、計画や取引が結果として自然に崩れてしまったことを表す表現で、主語には人ではなく計画や取引そのものが立つのが基本です。The deal fell through.(その取引はだめになった)のように、まるで計画自体が意志を持って崩れていったかのように描かれます。誰かが意図的に決めたわけではなく、外的な事情が重なって成立しなくなった、という受け身のニュアンスが特徴です。

一方でcall offは、当事者が自分の意志で中止を決める場面で使われます。They called off the meeting.(彼らは会議を中止した)のように、主語には中止を決めた人が立ち、意図的な決定であることがはっきり示されます。同じ「なくなった」でも、fall throughは結果、call offは決定に焦点があるという違いです。

今回のシーンでフィルが使っていたのはfall throughでした。内見の予定が自分の意志とは関係なく崩れてしまった、という受け身のニュアンスがそのまま伝わってくる場面です。自分から決めてやめたのか、それとも結果としてだめになったのか。この視点を意識しておくと、状況に合わせて正しい表現を選べるようになります。

まとめ|土台から崩れ落ちる一言

fall throughは、計画や取引が土台から崩れ落ちるように成立しなくなる様子を表す口語表現です。

不動産の内見から旅行の予定、ビジネスの商談まで、成立が見込まれていた物事が結果として流れてしまう場面で幅広く使える言い方です。

内見が続けてだめになったことを軽い調子で受け流すフィルと、その裏にある含みを短い一言で言い当てるルークとのやり取りには、深刻さを見せまいとする父親と、それを見抜く息子との呼吸が表れていました。fall throughという表現を、そんな親子のさりげないやり取りと一緒に覚えておくと、実用的な一言として身につけやすくなります。

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