「come through for someone」の意味と使い方|『モダンファミリー』S03E12で学ぶ英会話

「come through for someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

大事な場面で頼りにしていた人に、期待通りに動いてもらえなかったともどかしさを覚えた経験はありませんか。

そんな気持ちを表す「come through for someone」を、『モダンファミリー』シーズン3第12話の終盤、大切な一日を巡ってフィルが本音をぶつけるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「come through for someone」の意味とニュアンス

come through for someone
意味:(期待に応えて)いざという時に力になる

come through for someoneは、誰かが自分を頼りにしている大事な場面で、その期待に応えて力になる、実現させるという意味の句動詞です。come throughには「困難を乗り越えて出てくる」「うまくいく」という意味があり、そこにfor someoneが加わることで、誰のために結果を出すのかという対象がはっきりします。困っている相手を助けるというより、あらかじめ頼りにされていた役割をきちんと果たす、という文脈で使われることが多い表現です。

肯定形では頼みを果たしてもらえたことへの感謝や安心を、否定文やtoo 〜 to …の形で使われると、今回のセリフのように、期待に応えてもらえなかったという失望を表します。大事な頼み事や約束が果たされたかどうかを語る場面で、幅広く登場する表現です。単に「手伝ってくれた」ではなく、その人を頼りにしていたという前提があってこそ成り立つ言い回しである点も押さえておきたいポイントです。

【ここがポイント!】

  • 「come through for someone」の核は、期待されていた場面で結果を出すという意味
  • 否定の文脈で使われると「期待に応えてもらえなかった」という失望を表す
  • forの後に置かれる対象が、誰のために力になるのかを示す

『モダンファミリー』S03E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

セミナーが思うようにいかなかった後、紹介役を頼まれていたグロリアとヘイリーが間に合わず、片付けをするフィルにグロリアが謝りに来る場面です。グロリアの謝罪をきっかけに、普段は温厚なフィルが珍しく本音をぶつける瞬間に注目です。二人のやり取りが穏やかな会話から一気に熱を帯びていく展開です。

Gloria: No, it’s not fine! I’m trying to have a real conversation, and all you do is put me on a pedestal!
(いいえ、大丈夫なんかじゃない! 私は本気で話し合おうとしているのに、あなたは私を祭り上げるだけじゃない!)

Phil: Wait a minute. You’re mad at me?
(ちょっと待って。君は俺に怒ってるのか?)

Gloria: Yes, because that’s not how family’s supposed to treat each other!
(そうよ、だって家族はそんな風にお互いを扱うものじゃないでしょう!)

Phil: You know how family’s supposed to treat each other? They’re supposed to actually think about each other! I asked you to do one thing and you were too selfish and irresponsible to come through for me on a day that, believe it or not, was really important to me! Oh, my God.
(家族がお互いをどう扱うべきか分かるか? ちゃんとお互いのことを考えるべきなんだよ! 俺は一つだけ頼んだのに、君は自分勝手で無責任すぎて、信じてもらえないかもしれないけど俺にとって本当に大切な日に、俺のために力になってくれなかったじゃないか! ああ、なんてことだ。)

Modern Family Season3 Episode12 (Egg Drop)

シーン解説と心理考察

「俺は一つだけ頼んだのに、君は自分勝手で無責任すぎて、俺のために力になってくれなかった」というフィルの言葉には、普段は表に出さない苛立ちが一気にあふれ出ています。声を張り上げながらも「believe it or not(信じてもらえないかもしれないけど)」と付け加えるあたりに、自分の気持ちをうまく伝えられないもどかしさも見え隠れします。

直前のグロリアの「私は本気で話し合おうとしているのに、あなたは私を祭り上げるだけじゃない」という訴えからは、フィルが日頃からグロリアに対して本音でぶつかることを避けがちであることがうかがえます。温厚でおどけたキャラクターのフィルが声を荒らげる珍しい場面だからこそ、今日という日が彼にとってどれほど大切だったかが伝わってきます。フィルがグロリアに声を荒らげる場面は珍しいものでした。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

come through(困難を乗り越えて通り抜けてくる)というイメージに、for someone(誰かのために)が加わる様子を思い浮かべてみましょう。

トンネルの向こうから、期待に応えて誰かが現れてくる場面をイメージすると分かりやすくなります。フィルが求めていたのも、大事な一日にグロリアがそうやって力になって現れてくれることでした。困難を乗り越えて誰かのために結果を出す、という一連の流れとセットで覚えておくと、使うべき場面がすぐに思い浮かぶようになります。逆に何も出てこなければ、期待は宙に浮いたままになってしまう、その対比まで含めて捉えておくと記憶に残りやすくなります。

例文で覚える「come through for someone」

頼み事や約束を巡る場面で使いやすいcome through for someoneを、日常・スポーツ・ビジネスの3つの場面で確認していきましょう。

Thanks for coming through for me when I needed help moving last weekend.
(先週末、引っ越しの手伝いが必要だった時に力になってくれてありがとう)
友人からの助けに感謝を伝える、日常会話の一言です。困っている時に頼りにしていた相手だったことが伝わります。

The team really came through for us in the final quarter of the game.
(チームは試合の最終クォーターで本当に私たちの期待に応えてくれた)
試合や勝負事での活躍を振り返る場面です。苦しい状況からの巻き返しに使うと、より臨場感が伝わります。

A: Did the supplier deliver on time?
B: Yes, they came through for us right when we needed it.
(A:業者は期限通りに納品した?)
(B:うん、まさに必要な時に応えてくれたよ。)
取引先の対応を評価する、ビジネスの会話です。

あわせて覚えたい関連表現

deliver for someone
((人)のために結果を出す)
come through for someoneが期待されていた場面で応えたという劇的なニュアンスを持つのに対して、こちらは約束通りの成果を淡々と出したことを表す、ビジネス寄りの表現です。

be there for someone
((人)のそばにいる、支えになる)
come through for someoneが具体的な頼み事や課題に応えて結果を出すことに重点があるのに対して、こちらは結果よりも精神的に寄り添うことに重点があります。成果を出せたかどうかより、そばにいたかどうかが問われる表現です。

let someone down
((人)を失望させる)
not come through for someoneと意味は近いものの、こちらはより一般的な「期待を裏切る」表現で、come through for someoneのような「大事な場面で」という限定性は薄めです。日常のちょっとした約束から人生の節目まで、幅広い場面で使える分、深刻さの度合いは文脈次第で変わります。どちらの表現を選ぶかで、伝わる失望の重さも変わってきます。

Note|come throughとcome through for + 人、対象が加わることで生まれる違い

come throughという句動詞は、for + 人を伴わずに単独で使われることもよくあります。

計画がうまくいったことを伝えたい時、単にcome throughとだけ言えば「うまくいく」「実現する」という意味にとどまり、誰のためにそれが実現したのかは示されません。そこにfor someoneが加わることで、初めて「誰かのために」という対象がはっきりと文の中に現れます。フィルのセリフ「come through for me」も、単に「うまくいく」ことを求めていたのではなく、あくまで自分のために結果を出してほしかったという、対象を明確にした頼みでした。forという前置詞がひとつ加わるだけで、出来事全体の方向性が「誰のために」という一点に絞られます。

同じcome throughという動詞でも、forの有無で焦点がどこに置かれるかが変わってくることを押さえておくと、文の意味をより正確に読み取れるようになります。come through with something(何かを実際に用意して見せる)のように、forの代わりにwithを続ける形もあり、こちらは「対象」ではなく「何を差し出したか」に焦点が移る点も合わせて覚えておくと理解が深まります。

小さな前置詞ひとつが、頼みの相手をはっきりさせているのです。

まとめ|期待に応えてほしかった、その一言の重み

come through for someoneは、誰かが自分を頼りにしている大事な場面で、その期待に応えて力になることを表す表現です。頼られていた場面だからこその重みを持つ一言です。

肯定形では感謝や安心を、否定形では期待に応えてもらえなかった失望を伝える一言として、幅広い場面で活躍します。相手を頼りにしていたからこそ生まれる感情を、シンプルな句動詞ひとつで言い表せる表現です。

大切な一日に力になってもらえなかったもどかしさを、思わず声にしたフィルの一言には、普段は隠している本音がにじんでいました。頼りにしていた気持ちを伝えたい場面で、会話のレパートリーに加えてみてください。

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