海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
新しいことを始める前日や当日に、期待とも緊張ともつかない気持ちをうまく言葉にできなかった経験はありませんか。
そんな自分の感覚をやわらかく伝えられる「feel like」を、『モダンファミリー』シーズン4第10話の序盤、初めての仕事を迎えるヘイリーが、父フィルの問いかけに答えるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「feel like」の意味とニュアンス
feel like
意味:〜のように感じる、〜という気がする
feel like は、feel(感じる)と like(〜のように)を組み合わせた表現で、自分の感覚や印象を述べるときに使います。事実として言い切るのではなく、「自分にはそう感じられる」という立場から話すため、断定を避けたやわらかい言い方になります。
後ろに置く言葉によって、意味の焦点が少しずつ変わります。feel like a child のように名詞が続くと「子どものような気分だ」、feel like I’m dreaming のように主語と動詞を含む節が続くと「夢を見ているような気がする」という意味になります。さらに feel like going out のように -ing が続くと「出かけたい気分だ」と、その行動をしたい気持ちを表します。名詞でも、feel like a coffee のように「〜が欲しい」の意味になる場合があります。
節を続ける形は、as if を使う言い方よりも気軽な響きがあり、日常の会話で自分の実感を伝えたいときに向いています。事実かどうかを問うのではなく、今の自分の内側にある感覚を実況する言い方だと押さえておくと、場面が変わっても意味がぶれません。相手の意見に反論するときも、「私にはこう感じられる」という形にすれば、角を立てずに自分の見方を出せます。
【ここがポイント!】
- 「feel like」の核は、自分の感覚や印象を「〜のように」と述べる言い方
- 後ろが名詞・節・-ing のどれかで、伝わる内容が変わる表現
- 事実の断定ではなく実感の表明なので、やわらかく話したいときに向くのがコツ
『モダンファミリー』S04E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ヘイリーが仕事の初日を迎える場面で、フィルが「初日はワクワクしてる?」と声をかけます。ヘイリーはその問いに、働くことについての自分の実感を語ります。「feel like」の後ろに続く言葉と、ヘイリーが言いよどむ間に注目です。
Phil: Honey, you excited about your first day?
(ハニー、初日はワクワクしてる?)Haley: You know what? I really am. There’s something about going to work that makes you feel like you’re I don’t know, worth something. No offense, mom.
(あのね、本当にワクワクしてる。働きに行くとさ、なんていうか、自分に価値があるって感じがするんだよね。ママ、悪気はないからね。)Phil: Listen I wanna give you some advice.
(いいかい、アドバイスをしたいんだ。)Claire: Do it fast. She’s gonna be late.
(手短にね。この子、遅刻しちゃうから。)Modern Family Season4 Episode10 (Diamond in the Rough)
シーン解説と心理考察
初日の気持ちを聞かれたヘイリーは、I really am. と答えています。続けて、働きに行くという行為には自分に価値があると感じさせてくれる何かがある、と自分の実感を語ります。ここで使われているのが「feel like」で、「価値がある」と断定するのではなく、「そんな気がする」という感覚として述べている点が、この一言の温度を決めています。
「like you’re I don’t know, worth something」の部分では、言葉の途中に I don’t know が挟まっています。うまく言い切れない気持ちを探しながら話している様子が、言いよどみの形でそのまま表れています。実感を伝える表現と、言葉を探す間が一緒に並ぶことで、飾らない本音の響きが出ています。
その直後に No offense, mom. と添える一言も、この場面の見どころです。働くことに価値を感じると話した流れで、母への断りを入れており、ヘイリーが自分の発言の受け取られ方を意識していることがわかります。
フィルはそこへ、アドバイスをしたいと切り出します。クレアは Do it fast. と手短に促し、遅刻しそうな娘を気にかけます。ヘイリーの内面を語る言葉のあとに、送り出す側のせわしない空気が続く流れも、シーンの見どころです。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
feel を、指先で何かにそっと触れて確かめる動作にたとえてみましょう。触れてみたら、ある形に似た手ざわりだった。その「似ている」を表すのが like です。手で触れた感触を、既知の形に当てはめて言葉にするイメージです。
ヘイリーの言葉で言えば、働きに行くたびに、自分に価値があるという手ざわりが指先に残る、という絵になります。確かな証拠をつかんだわけではなく、そういう感触がする、という段階の言い方です。
「it feels like」や「I feel like」の形をひとまとまりで口に出し、続きに今の実感をつなげる練習が、覚えるうえで役に立ちます。ヘイリーのように、途中で少し考える間を挟んでも、感覚を述べる言い方なら会話は途切れません。
例文で覚える「feel like」
feel like は、名詞・節・-ing のどれを続けるかで、幅広い実感を表せます。3つの例文で確認していきましょう。
Wearing a suit makes me feel like a different person.
(スーツを着ると、別人になったような気分になる。)
服装が気持ちに与える影響を語る日常の場面です。feel like のあとに名詞が続く形で、「〜のような気分」という感覚を表しています。
When the team thanked me, it felt like all the late nights were worth it.
(チームにお礼を言われて、遅くまで働いた夜がすべて報われた気がした。)
プロジェクトの終わりに、仕事を振り返るビジネスの場面です。節を続けて、努力が報われたという実感を述べています。
A: How’s your first week at the new job?
B: Honestly, it feels like I’ve been here for a month.
(A:新しい仕事の最初の1週間はどう?)
(B:正直、もう1カ月くらいここにいる気がするよ。)
新しい職場に慣れてきた友人との会話です。実際の日数ではなく、自分の体感を伝えるときに feel like が使われています。
あわせて覚えたい関連表現
feel as if
(まるで〜のような気がする)
feel like のあとに節を続ける形と意味はほぼ同じです。as if のほうがやや改まった響きで、書き言葉でも使われ、会話では feel like のほうが気軽です。
seem like
(〜のように思える、〜のようだ)
feel like は自分の内側の感覚に重心があり、seem like は状況や様子から受ける印象に重心があります。感覚を語るか、外から見た様子を語るかで使い分けます。
have a feeling (that)
(〜という予感がする)
have a feeling は「そうなりそうだ」という予感や見通しを述べるのに対し、feel like は今の感覚や実感を述べます。
Note|feel like に続く3つの形と意味の変わり方
feel like は、あとに続く言葉の形で伝わる意味が変わります。ヘイリーの一言を出発点に、その違いを整理してみましょう。
まず、feel like のあとに名詞が来る形があります。I feel like a child. なら「子どものような気分だ」で、自分を何かにたとえて感覚を述べています。次に、主語と動詞を含む節が来る形です。I feel like I’m dreaming. のように、「〜という気がする」と状況の印象を述べます。最後に、-ing が来る形です。I feel like going out. は「出かけたい気分だ」で、これは印象ではなく、その行動をしたいという気持ちを表しています。名詞は「〜のような気分」のほか、I feel like a coffee. のように「〜が欲しい気分」も表し、節は「〜という気がする」、-ing は「〜したい気分」を表します。後ろの形と文脈で、伝わる中身が変わる点が整理のポイントです。
ヘイリーの発言は節を続ける形で、makes you feel like you’re worth something は「自分に価値があるという気がする」という意味です。「したい気持ち」ではなく、働くことで得られる感じ方を述べていると読み取れます。後ろの形を確かめると、文意を取り違えにくくなります。
feel like を見かけたら、まず後ろの形に目を向けてみましょう。
まとめ|断定しないから伝わる実感
feel like は、自分の感覚や印象を「〜のように感じる」と述べる表現です。後ろに名詞が続けば感覚のたとえや欲しいもの、節が続けば状況の印象、-ing が続けば「したい気分」と、形によって伝わる内容が変わります。
事実として言い切らず、自分の内側にある実感として話せるため、意見をやわらかく伝えたい場面にも合います。職場の打ち合わせでも、友人との雑談でも、感覚を共有する一言として置きやすい表現です。ヘイリーの言葉にあるように、うまく言い切れない気持ちを、言いよどみを挟みながら伝えるときにも使える形です。
初めての仕事への期待を、飾らない実感の言葉で語ったヘイリーの一言は、断定しないからこそ本音らしく響いていました。会話のレパートリーに加えてみてください。


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