海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
相手の視線や態度から「これは脈があるかもしれない」と感じて、つい友人に「あの人、自分に気があるかも」と話してしまった経験はありませんか。
そんな場面にぴったりの「be into someone」を、『フレンズ』シーズン6第8話の前半、ロスがモニカの朝食相手だったヒラリーについて「気があるのはわかった」と言い切る場面から、一緒に見ていきましょう。
「be into someone」の意味とニュアンス
be into someone
意味:(人)に気がある・夢中になっている
be into someoneは、直訳すると「人の中へ入り込んでいる」です。intoには「〜の中へ」という向きの感覚があり、相手の中へ気持ちが入り込んでいる様子から、「その人に気がある」「その人に夢中だ」という意味が生まれます。
くだけた会話でよく耳にする言い方で、「好き」という言葉をはっきり使わずに、相手への関心や好意を伝えられます。誰かの好意に気づいたと話すときにも、自分の気持ちを打ち明けるときにも使える表現です。
場面で使われている形は「she was into me」です。原形のbe into someoneは、ここでbeが過去形のwasになり、someoneの位置に自分を指すmeが入っています。「I could tell (that) she was into me」のように、「〜だとわかった」という文の中に組み込まれた形で、相手の気持ちを見て取ったという話し方になっています。
【ここがポイント!】
- 「be into someone」の核は、相手の中へ気持ちが入り込んでいるイメージ
- 「好き」と断言せず、相手への関心や好意をくだけた言い方で伝えられる
- 「I could tell (that) 〜」と組み合わせると、相手の気持ちを見て取った話し方になる
『フレンズ』S06E08のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
モニカが朝食で会ったヒラリーの話題が続くなか、ロスが「いつもこっちを見てくる子か」と確かめるところから始まる場面です。モニカに訂正されても、ロスは自分の見立てを崩しません。その自信たっぷりの一言に、be intoが登場します。
Ross: The one that always stares at me when I come in?
(俺が入ってくるといつもこっちを見てくる、あの子か?)Monica: No, the one who looked at you once because you got in her way.
(違うわ。あなたが邪魔になったから、一度だけ見た子のことよ。)Ross: Still, I could tell she was into me. Well, why don’t you set us up?
(それでも、彼女が俺に気があるのはわかったんだ。なあ、俺たちを引き合わせてくれよ。)Rachel: Ooh, are you setting Ross up with someone? Does she have a wedding dress?
(あら、ロスに誰かを紹介するの? その人、ウェディングドレスは持ってる?)Friends Season6 Episode8(The One with Ross’s Teeth)
シーン解説と心理考察
ロスの「いつもこっちを見てくる」という言い分に対して、モニカは「一度だけ、邪魔になったから見た」と事実を訂正します。二人の説明は、同じ出来事をまったく違う角度から語っています。
ここでのロスの返しが「Still」です。訂正された内容を受け止めたうえで、「それでも」と自分の見立てに戻ります。根拠として挙げているのは「I could tell」、つまり自分の目で見て取ったという感覚です。「気がある」という判断がロス本人の観察に基づく主張であり、モニカの言葉とは食い違っているところが、この会話の面白さです。
続けて「Well, why don’t you set us up?」と頼む運びにも、ロスの自信が表れています。気があると確信しているから、次は引き合わせてほしいという話に進んでしまうわけです。
その頼みを聞いたレイチェルが、「その人、ウェディングドレスは持ってる?」と軽口を挟みます。ロスの勢いのある展開を、周囲が面白がって受け止めている様子が伝わってきます。
この場面で「気がある」かどうかを決める材料は、ロスの見立てだけです。モニカの説明を聞くかぎり、視線の理由は別にありました。それでも会話は「引き合わせてくれ」という次の話へ進んでいきます。事実と思い込みのすれ違いを、テンポよく笑いに変えている運びです。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
深い水たまりにすっぽり入り込んで、そこから動けなくなってしまう様子を思い浮かべてみましょう。intoの「中へ」という向きが、相手や物事の中へ気持ちごと入り込んでいるイメージにつながります。
ロスの場面では、彼がヒラリーの視線を「自分の中へ入ってきた好意」として受け取っていました。「ヒラリーの気持ちが自分へ向かっている」という思い込みが、そのまま「she was into me」という言い方になっています。
相手の気持ちを見て取る場面では、「I could tell she was into me」の形をまとめて口に出してみると、使いどころが定着します。主語をheやtheyに替え、meをyouやherに替えるだけで、さまざまな場面に応用できます。
例文で覚える「be into someone」
人への好意にも、物事への熱中にも使えるbe intoを、3つの例文で確認していきましょう。
I think he’s really into you.
(彼、君のことすごく気に入ってると思うよ。)
友人の恋愛の相談に答える場面です。相手の様子から好意を見て取ったと伝えるときに、そのまま使える一文です。
My brother is really into cooking these days.
(弟は最近、料理に本気でハマっている。)
家族の趣味を話す場面です。目的語が人ではなく物事になると、「気がある」ではなく「夢中になっている」という訳に変わります。
A: Do you think she likes me?
B: Honestly, I don’t think she’s into you.
(A:彼女、僕のこと好きだと思う?)
(B:正直、彼女は君に気がないと思うな。)
相手の気持ちを確かめる往復会話です。否定形にすると、「気がない」「乗り気ではない」という意味になります。
あわせて覚えたい関連表現
have a crush on someone
((人)に片思いしている)
have a crush onは、相手に伝えていない一方的な恋心を表す言い方です。be into someoneは、相手への好意や関心を幅広く指す点が異なります。
be attracted to someone
((人)に惹かれている)
be attracted toは、「惹かれている」というやや改まった響きの言い方です。be into someoneは、友人同士の会話で気軽に使えるくだけた表現です。
be into something
((物事)に夢中だ)
be into somethingは、目的語が物事になった形で、趣味や関心への熱中を表します。今回のbe into someoneは、同じ形の目的語が人になったときの使い方です。
Note|同じbe intoが「気がある」にも「ハマっている」にもなる理由
be intoは、日本語にすると「気がある」にも「ハマっている」にもなります。英語では同じ形なのに、日本語では別の言葉になるため、訳し分けが必要な表現です。
分かれ目は、目的語が人か物事かにあります。人が目的語なら、その人への好意や関心が中心になり、「気がある」「好意を持っている」と訳せます。物事が目的語なら、趣味や活動への熱中が中心になり、「ハマっている」「夢中だ」と訳せます。前者は相手との関係に目を向ける言葉で、後者は自分の興味の向く先に目を向ける言葉という違いです。
ロスの場面では、目的語がmeで人を指しているため、「気がある」と訳せます。ここで「ハマっている」と訳すと、ヒラリーがロスに熱中している、という別の意味になってしまいます。ただし、どちらの訳でも、「相手や物事の中へ気持ちが入り込んでいる」という土台の感覚は同じです。
否定形のnot that intoは「そこまで乗り気ではない」という意味になり、好意にも趣味にも使えます。
同じbe intoでも、目的語を見れば、どの日本語が合うかがわかります。
まとめ|自信たっぷりの「気がある」を、英語で
be into someoneは、相手の中へ気持ちが入り込んでいるイメージを持つ表現です。人が目的語なら「気がある」、物事が目的語なら「ハマっている」と訳し分けます。
相手の好意に気づいたときも、自分の気持ちをやんわり伝えたいときも、「好き」と言い切らずに使えるくだけた一言です。「I could tell」と組み合わせると、相手の様子から見て取ったという話し方になります。
ロスは、モニカに事実を訂正されても、「気があるのはわかった」という見立てを崩しませんでした。思い込みの強さまで含めて、この表現を使う場面を思い浮かべながら、会話のレパートリーに加えてみてください。


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