「I’m just saying」と「just try it and see」はどう違う?気が進まない友達に最後の手段を勧める英語|『フレンズ』S06E08で学ぶ英会話

『FRIENDS』コラム: 「I'm just saying」と「just try it and see」はどう違う?気が進まない友達に最後の手段を勧める英語|『フレンズ』S06E08で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『フレンズ』シーズン6第8話では、モニカの職場のアシスタントシェフ、ヒラリーとのデートを控えたロスが、白くした歯の仕上がりを気にしています。デートまで時間がないなか、モニカはある手を勧め、ロスはそれを断ります。

相手が乗り気でない提案を英語でどう出すかは、言い方ひとつで印象が変わります。提案をやわらげる言い方と、試すよう一押しする言い方の違いを見ていきます。

目次

「Are they really that bad?」不安を確かめる問いと返し

カフェのセントラルパークで、ソファに座るモニカとチャンドラーのところへロスがやって来ます。やって来たロスに、モニカは今夜のデートのことを確かめます。

Monica: Ross, you know that tonight is your date with Hillary?
(ロス、今夜はヒラリーとのデートだってわかってる?)
Ross: I know. That’s why I did it. Come on, are they really that bad?
(わかってるよ。だからやったんだ。なあ、そんなにひどいか?)
Chandler: No. No, no, no, you’ll-you’ll be fine.
(いや。いやいや、だ、大丈夫だよ。)
Friends Season6 Episode8(The One with Ross’s Teeth)

Are they really that bad? の that は「そんなに」と程度を表す副詞です。相手の反応を見て「そこまでひどいのか」と確かめる問いで、Come on を前に置くと「ねえ、正直に言って」という調子が加わります。

その前の That’s why I did it. は「だからやったんだ」と、行動の理由を前の話につなげる言い方です。that がモニカの言った今夜のデートを指し、デートがあるからそうした、という因果を短く示しています。

チャンドラーの You’ll be fine. は「大丈夫だよ」となだめる返しです。未来の will を使い、この先うまくいくと見通しを伝える形です。No, no, no と否定を重ねてから言うことで、相手の不安を打ち消す言い方になっています。

「I’m just saying」提案をやわらげて切り出す

場面がロスの部屋に移ります。ロスは焦りを口にします。

Ross: I don’t know what I’m going to do. The date starts in, like, an hour.
(どうしたらいいかわからないよ。デートまであと1時間くらいなんだ。)
Friends Season6 Episode8(The One with Ross’s Teeth)

starts in an hour の in は「今から〜後に」という時間の経過を表し、like は「〜くらい」とぼかす口語の言い回しです。I don’t know what I’m going to do. は「どうしたらいいかわからない」と、手詰まりの気持ちをそのまま言う形で、相手に助けを求める前触れにもなります。このあと、モニカは次の案を出します。

Monica: I’m just saying if we put just a little bit of makeup on you…
(私はただ、ほんの少しお化粧をしたらって言ってるだけよ……)
Ross: Whoa, whoa, whoa. We’re not 13 anymore.
(おいおいおい。もう13歳じゃないんだぞ。)
Monica: Ross, this is the only thing left that has a shot at working.
(ロス、うまくいく見込みがあるのはもうこれしか残ってないのよ。)
Ross: But won’t she notice I have makeup on?
(でも、化粧してたら彼女に気づかれないか?)
Friends Season6 Episode8(The One with Ross’s Teeth)

I’m just saying ~ は「〜って言ってるだけ」と、押しつけるつもりはないと前置きして提案を出す言い方です。ここでは文を最後まで言い切らず、相手の反応をうかがう形になっています。

ロスの We’re not 13 anymore. は「もう子どもじゃない」と、提案をはねつける断り方です。not ~ anymore で「もう〜ではない」と、以前とは違うことを強調しています。

モニカはそれでも has a shot at working(うまくいく見込みがある)と、残された手段であることを強調します。have a shot at ~ は「〜の見込みがある、〜のチャンスがある」という意味です。the only thing left は「残っている唯一のもの」で、ほかの手はもう試したという前提を含んでいます。

ロスの won’t she notice ~? は否定疑問で、「気づかれるんじゃないか」という心配を打ち明けています。notice は「気づく」で、目に見える変化に相手が気づくかどうかを気にする場面で使えます。断りながらも、心配の中身を口にすることで、話はまだ続いていきます。

「Will you just try it and see?」試すよう一押しする

モニカが言い返し、ロスが聞き返したあと、モニカはこう続けます。

Monica: I mean… will you just try it and see?
(つまり……とにかく試してみてくれない?)
Ross: No, I am not putting on make-up.
(いや、化粧はしないからな。)
Friends Season6 Episode8(The One with Ross’s Teeth)

try it and see は「試してみて、どうなるか見る」という意味で、結果はやってみてから判断しようと促すフレーズです。Will you just ~? の just は「とにかく」と、細かい議論は置いて行動してほしい気持ちを表しています。文頭の I mean… は「つまり」と、直前のやり取りを切り上げて言いたいことに戻るつなぎです。

ロスの I am not putting on ~ は、現在進行形で「〜するつもりはない」と、きっぱり拒む形です。短縮形を使わずに I am not と言うことで、拒否の強さが出ています。後の場面には、ロスが化粧をしている姿があります。

二つの言い方の違いを整理すると、次のようになります。

表現 働き 作中で出てくるタイミング
I’m just saying ~ 押しつけではないと前置きして、提案を言い出す 最初に化粧の案を出すとき
Will you just try it and see? 結果は後で判断しようと、行動を促す 断られたあとの一押し

I’m just saying は提案の入り口でやわらげる言い方、just try it and see は相手が渋ったあとに背中を押す言い方と言えます。

まとめ|勧める英語と断る英語

I’m just saying ~ で提案をやわらげ、has a shot at working で残された手段だと伝え、Will you just try it and see? で一押しする流れを見てきました。断る側の We’re not 13 anymore. も、勧める英語と対になる言い回しです。

モニカとロスのきょうだいのやり取りを追いながら観ると、日常の説得の英語が見えてきます。

この回のほかのコラムやフレーズ記事では、別の場面の英語も取り上げています。

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