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大事な話を、あとから知るのではなく、前もってひとこと教えてもらえて助かった、という場面は身近にあります。
そんなときに使える「give someone a heads-up」を、『モダンファミリー』シーズン7第11話の後半、ミッチェルがキャメロンと付き合い始めたころの出来事を語る場面から、一緒に見ていきましょう。
「give someone a heads-up」の意味とニュアンス
give someone a heads-up
意味:前もって知らせておく、事前に注意を促す
give someone a heads-up は、相手が驚いたり困ったりしないように、これから起きることを先に伝えておく表現です。heads-up は「前もっての知らせ」という意味の名詞で、give と組み合わせて、「人に前もっての知らせを与える」という形を作ります。構成する語を見ると、head の複数形 heads と up の組み合わせで、顔を上げて前を見る動作を連想させます。足もとだけを見ていた人に、「前を向いて」と声をかけるイメージです。
作中では、gave me a heads up と、give の過去形 gave と目的語 me を使った形で登場します。綴りは、ハイフンのない heads up の形です。heads-up と heads up は、どちらの綴りでも同じ名詞を表します。
使い方の型は3つあります。1つめは、今回のように give + 人 + a heads-up で、「~に前もって知らせる」。2つめは、a heads-up about + 内容の形で、何について知らせたのかを示します。3つめは、会話の頭に Just a heads-up: ~ と置いて、「念のためお知らせです」と切り出す形です。どの型でも、中心にあるのは「前もって一言伝える」という動作です。
意味の幅は広く、日常の気軽な連絡から、注意を促す忠告までを含みます。今回のシーンでは、「元交際相手がミッチェルに前もって忠告をくれた」という、忠告に近い使われ方をしています。
【ここがポイント!】
- 「give someone a heads-up」の核は、相手が困らないよう、先にひとこと知らせておくイメージ
- 気軽な連絡から注意を促す忠告まで、前もって知らせる幅広い場面で使える
- give + 人 + a heads-up、a heads-up about ~、Just a heads-up の3つの型がある
『モダンファミリー』S07E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ミッチェルが、キャメロンと付き合い始めたころの出来事を語る場面です。キャメロンの元交際相手から前もって忠告をもらったと切り出し、その人が何と言ったか、それに自分がどう返したかを順に紹介していきます。切り出しの一文に、今回のフレーズが登場します。
Mitchell: When I first started dating Cam, his ex-boyfriend gave me a heads up.
(僕がキャムと付き合い始めたころ、彼の元カレが前もって教えてくれたんだ。)Mitchell: He said, “Cam’s a great guy, but I hope you never have to break up with him.
(その人はこう言ったんだ。「キャムはすごくいいやつだけど、彼と別れなきゃならない日が君に来ないことを祈るよ」って。)Mitchell: And I said, “why? Does he get angry, weepy, jealous, despondent?” He said, “yes.
(僕は「どうして? 怒りっぽいとか、泣き虫とか、嫉妬深いとか、落ち込みやすいとか?」って聞いたんだ。そうしたら「そうだよ」って。)Modern Family Season7 Episode11 (Spread Your Wings)
シーン解説と心理考察
ミッチェルの語りは、When I first started dating Cam という時の設定から始まります。「最初に付き合い始めたころ」という限定が、これから語られるのが過去の一場面であることをはっきり示しています。his ex-boyfriend gave me a heads up と続き、忠告をくれた人物が誰なのかを、一言で紹介しています。
続くひとことは、He said と、その人の言葉をそのまま再現する形で進みます。「キャムはすごくいいやつ」と前置きしたうえで、but を境に「彼と別れなきゃならない日が君に来ないことを祈る」と続きます。前置きと本題の落差が、そのまま忠告の中身になっています。
最後のひとことでは、And I said と、ミッチェル自身の返事が入ります。「どうして?」と理由を聞き、怒りっぽいか、泣き虫か、嫉妬深いか、落ち込みやすいかと、4つの特徴を畳みかけるように並べました。その質問に、元交際相手が「そうだよ」と答えて、語りは締めくくられます。
見どころは、忠告の内容が逐語の再現で語られている点です。He said と I said を交互に重ねる構成で、過去のやり取りがその場で聞こえてくるような臨場感が出ています。自分の過去の出来事を、軽い調子で順に再現していく語り口が伝わってきます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
道の先に障害物があるとき、歩いている人に後ろから「前を見て!」と声をかけることがあります。声をかけてもらえれば、足を止めたり、避けたりする時間が残ります。何も言われずにぶつかるのとは、だいぶ違います。
heads-up も、この「前を見て」の声かけと同じ働きです。heads という語から顔を上げる動作を連想し、up で顔が上を向く、前を向く。そこから、「先にこれが来るよ」という知らせのイメージにつなげます。
ミッチェルが語った元交際相手の一言も、この声かけの絵に重ねられます。付き合い始めたばかりの相手に、先に「こんなことがある」と伝えておく。まさに、ぶつかる前の声かけです。give someone a heads-up の形は、「人に」「声かけを」「与える」と3つの言葉に分けて頭に置くと、思い出しやすくなります。
例文で覚える「give someone a heads-up」
give someone a heads-up は、仕事の連絡から日常の気軽な知らせまで使えます。3つの例文で、場面ごとの使い方を確認していきましょう。
Thanks for giving me a heads-up about the schedule change.
(予定変更のことを前もって教えてくれて、ありがとう。)
同僚の事前連絡にお礼を言う、ビジネスの場面です。a heads-up about + 内容の形で、何について知らせてもらったのかを示しています。
A: Why didn’t you tell me about the test?
B: Sorry, I should have given you a heads-up.
(A:テストのこと、どうして教えてくれなかったの?)
(B:ごめん、前もって知らせておくべきだったね。)
連絡不足を謝る友人同士の会話です。should have given の形で、「本来は知らせておくべきだった」という後悔を表しています。
Just a heads-up: the elevator is out of order today.
(念のためお知らせです。今日はエレベーターが故障しています。)
建物内で、利用者に注意を呼びかける場面です。会話や連絡の頭に Just a heads-up を置くと、「前もって伝えておくね」という軽い切り出しになります。
あわせて覚えたい関連表現
let someone know
(人に知らせる)
let someone know は、単に知らせる意味の表現です。give someone a heads-up は、「前もって」「注意を促すために」という意味合いが加わります。
tip someone off
(人にこっそり知らせる)
tip someone off は、内々の情報を教える意味合いが強い表現です。give someone a heads-up は、ふつうの事前連絡にも使える点が異なります。
warn someone
(人に警告する)
warn someone は、危険や悪いことへの警告です。give someone a heads-up は、悪いこととは限らず、前もって伝える親切な連絡も含みます。
Note|give someone a heads-up・let someone know・warn someone の温度の違い
「知らせる」を表す英語は多く、give someone a heads-up のほかにも、let someone know や warn someone があります。ここでは、3つを温度の違いで並べて整理します。
let someone know は、もっとも中立的な言い方です。Let me know when you arrive.(着いたら教えて)のように、事前でも事後でも、単に情報を伝えるときに使えます。時間の前後を問わない点が特徴です。
give someone a heads-up は、「前もって」という時間の要素が加わります。Thanks for giving me a heads-up about the schedule change. のように、これから起きることを先に伝える場面に合います。悪いことに限らず、予定変更のような中立的な連絡にも使える幅があります。
warn someone は、危険や悪い結果が見込まれるときの警告です。warn him about the storm(彼に嵐について警告する)のように、悪い事態を避けるための知らせが中心になります。
ミッチェルの語りに出てきた元交際相手の一言は、「彼と別れなきゃならない日が来ないことを祈る」という内容でした。悪い事態を見越して先に伝える点では warn に近い内容ですが、gave me a heads up と表現されています。忠告から気軽な連絡までを同じ型で表せる、守備範囲の広い言い方です。
知らせる内容が中立なら let someone know、前もって伝える点を示すなら give someone a heads-up、悪い事態を避けたいなら warn someone。この順に温度が上がると考えると、使い分けに迷いにくくなります。
まとめ|ぶつかる前に、先にひとこと
give someone a heads-up は、相手が驚いたり困ったりしないように、これから起きることを前もって知らせる表現です。give + 人 + a heads-up、a heads-up about ~、Just a heads-up の3つの型で使えます。
let someone know が中立の連絡、warn someone が警告であるのに対し、前もって伝える点に焦点を置くのが、この表現の位置づけです。
ミッチェルの語りの中では、元交際相手の忠告を紹介する切り出しの一文に使われていました。先に何かを知ったときは、Just a heads-up のひとことから切り出すこともできます。


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