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昔は当たり前だったことが、いつの間にか通用しなくなっている。そんな変化を前に、肩をすくめて「そういうものだよ」と返したくなることがあります。
そんなときに使える「times change」を、『モダンファミリー』シーズン8第9話の中盤、値段への不満を言われたマニーが返す一言から、一緒に見ていきましょう。
「times change」の意味とニュアンス
times change
意味:時代は変わる、世の中は移り変わる
Times change. は、昔の当たり前が今は通用しない、という事実を短く言い切る決まり文句です。変化を受け入れるしかないという割り切りや、昔との違いを持ち出して話をまとめる調子で使います。
形は、times(時代)と change(変わる)の2語だけです。time が単数だと「時間」という意味になり、「時代」や「世の中」を表すときは times と複数形にします。change は現在形で、時代はいつの世も移り変わるものだという、一般的な見方を言い切っています。
文のあとに my friend のような呼びかけを付けると、相手に言い聞かせる口調になります。作中でも、Times change, my friend. と、相手に呼びかける形で使われています。
使う場面は、昔は普通だった習慣や値段が変わったとき、年長者が若い世代との違いに触れるとき、変化に文句を言う相手に「仕方がない」と返すときなどです。「時代は変わる」と訳すと大きく響く場面では、「昔とは違うんだよ」「仕方ないね」くらいの軽さで訳すと、場面に合います。
【ここがポイント!】
- 「times change」の核は、昔の当たり前が今は通用しないという変化を、短く言い切ること
- 「時代」を表すときは time ではなく、複数形の times を使う
- 文末に my friend などの呼びかけを添えると、相手に言い聞かせる口調になる
『モダンファミリー』S08E09のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
女の子が「1つください」と頼むと、マニーが8ドルと告げます。1時間前は無料だったと指摘する女の子に、マニーは昔と今で当たり前が変わった例を挙げて返します。
Girl: One, please.
(1つください。)Manny: That’ll be $8, plus whatever tip you feel is appropriate.
(8ドルです。それに、お気持ち次第でチップもお願いします。)Girl: It was free an hour ago.
(1時間前は無料だったのに。)Manny: You used to be able to throw a baby in the back seat without strapping it in. Times change, my friend.
(昔は、赤ちゃんをベルトで固定しないまま後部座席に放り込んでもよかったんだ。時代は変わるんだよ、君。)Modern Family Season8 Episode9 (Snow Ball)
シーン解説と心理考察
女の子の One, please. は、頼んでいる物の名前が出てこない、数だけを伝える短い注文です。この一言の中では、何を1つ欲しがっているのかは明かされません。
マニーの That’ll be $8 は、「(合計は)8ドルになります」という値段の提示です。plus whatever tip you feel is appropriate は、「それに、適切だと思う額のチップを」という意味で、whatever が付くことで、額は相手の判断に任せる形になっています。
女の子の It was free an hour ago. は、1時間前は無料だったという指摘で、値段が付いたことへの不満がにじみます。It が何を指すのかは、この一言の中では出てきません。was と an hour ago が、「以前はそうだった」という過去の状態をはっきり示しています。
マニーの返しは、二つの文でできています。You used to be able to … は、「昔は〜できた」という言い方です。used to が過去の状態を表し、be able to が「できる」を表します。この You は、目の前の女の子個人ではなく、「人は」という一般的な意味の言い方です。without strapping it in の it は赤ちゃんを指し、「固定しないまま」という意味になります。昔は許されていたことが、今は許されない。その例を挙げたうえで、Times change, my friend. で締めています。
値段が付いたという身近な話に対して、マニーは昔と今の違いという大きな話を持ち出します。短い一言で話を区切るあたりに、マニーらしい切り返しの早さが出ています。
無料だったのに、という不満に、時代という大きな言葉で返す。その落差が、マニーの一言の印象を作っています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
カレンダーを一枚めくる動きを重ねて覚えます。times は、一枚一枚のカレンダーが積み重なったものを表すと見立てると、「時代」という大きなまとまりの意味がつかみやすくなります。これは覚えるための見立てです。
change は「変わる」です。めくられるたびに、景色が少しずつ入れ替わっていきます。Times change. は、この2語を一息で言い切る形なので、そのまま口に出して覚えると定着しやすくなります。
もう一つ、覚えておくと便利なのが、前置きとの2文セットです。マニーは、「昔は〜できた」と言ってから、Times change. で締めています。「昔は〜だった。Times change.」の2文を組にして覚えておくと、返答の型としてそのまま使えます。
例文で覚える「times change」
昔と今を比べる場面で使いやすい表現です。どんな前置きと組み合わさるのかを、例文で確かめてみましょう。
My grandfather used to walk to school alone, but times change.
(祖父は昔ひとりで歩いて通学していたけれど、時代は変わるからね。)
昔と今の違いを話す場面です。used to で昔の習慣を述べ、but でつないで、割り切りの一言を置いています。作中の「昔は〜できた」という流れと同じ組み立てです。
Times change, so we have to learn new tools to keep up.
(時代は変わるので、ついていくには新しいツールを覚えなければならない。)
職場で新しいツールの導入を促す場面です。so の後ろに、変化への対応を続けています。変化を受け入れる前提で、次の行動を示す形です。
A: Why did the price go up?
B: Times change, I’m afraid.
(A:どうして値段が上がったの?)
(B:時代は変わるからね、残念ながら。)
値上げの理由を聞かれて、割り切って答える往復の会話です。I’m afraid を添えると、残念だという気持ちが加わり、口調がやわらぎます。
あわせて覚えたい関連表現
Things change.
(状況は変わる、物事は移り変わる)
Things change. は、身の回りの状況の変化を言いやすい表現です。Times change. は、世の中や時代の流れという、大きな変化に向いています。
move with the times
(時代に合わせて変わる)
Times change. は、変化の事実を述べる文です。move with the times は、変化に合わせて自分も変わるという、行動を表す動詞表現です。
That’s life.
(人生ってそういうものだ)
That’s life. は、思いどおりにならないことを受け入れる一言で、時代の変化に限らず、幅広い出来事に使えます。Times change. は、昔との違いを理由に挙げる点が違います。
Note|「時代は変わる」と「時代は変わった」。現在形と現在完了形で変わる焦点
Times change. は現在形で、時代はいつも移り変わるものだという、一般的な見方を言い切る文です。昔と今に限らず、変化とはそういうものだ、という割り切りが中心になります。
これを現在完了形にした Times have changed. は、「以前と比べて、すでに変わってしまった」という意味になります。焦点が、一般論から、今の状態へ移ります。昔のやり方が今は通じない、という結果を強調したいときに向いています。
たとえば値上げの話で、Times change. と言えば、「世の中はそういうものだよ」と一般論でまとめる言い方になります。Times have changed. と言えば、「以前とは違ってしまった」と、前後の違いを示す言い方になります。どちらも主語は複数形の times で、文の短さも同じです。
マニーの一言は現在形なので、「時代は変わるものだよ」と一般論でまとめる訳が合います。
まとめ|昔との違いを、短い一言で割り切る
times change は、昔の当たり前が今は通用しないという変化を、短く言い切る表現です。「時代」は複数形の times で表し、文末に my friend のような呼びかけを添えると、言い聞かせる口調になります。
値段や習慣が変わったとき、世代による違いに触れるとき、変化に文句を言う相手に返すときなどに使えます。現在完了形の Times have changed. と並べておくと、一般論でまとめるのか、今の状態を強調するのかを選び分けられます。
昔と今の違いを持ち出して、無料だったという指摘をさらりと受け流す。そんなマニーの一言は、この表現の使いどころを思い出すきっかけになります。


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