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困ったときは誰かに頼ればいいと分かっていても、あえて自分の力で備えておきたいと思う場面があります。
そんなときに使える「rely on」を、『モダンファミリー』シーズン8第10話の前半、グロリアがマニーの大学費用について語る一言から、一緒に見ていきましょう。
「rely on」の意味とニュアンス
rely on
意味:〜に頼る、〜を当てにする
rely on は、人や物を信頼して「頼りにする」「当てにする」ときの表現です。rely on + 頼る相手 の形で、on のあとに頼る相手を置きます。作中の rely on anyone では、anyone が頼る相手にあたります。
on は「〜の上に」という意味を持つ言葉で、rely on からは、何かに体重を預けて寄りかかる姿が連想できます。人に頼る場合も、地図やアプリのような物に頼る場合も、同じ形で使えます。自分の支えを相手に預けている、という点が共通しています。
頼る内容まで言いたいときは、rely on + 人 + to + 動詞 の形になります。We rely on him to finish the report. なら、「彼がレポートを仕上げてくれるものと当てにしている」という意味です。相手が何をしてくれると期待しているのかを、to のあとに置きます。
日本語にするときは、相手が人なら「頼る」、地図や情報のような物なら「当てにする」「頼りにする」と訳し分けると、文が自然につながります。
作中の文は I didn’t want to rely on anyone なので、want to のあとに rely on anyone が続く形です。「誰にも頼りたくなかった」と、頼りたくない気持ちを述べています。
【ここがポイント!】
- 「rely on」の核は、人や物を信頼して頼りにすること
- 頼る相手は、on のあとに置く(rely on + 相手)
- 相手に何かをしてもらうことを当てにするなら、rely on + 人 + to + 動詞
『モダンファミリー』S08E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
財産の相続計画の話が進む中で、グロリアがマニーの大学費用について語る場面です。お金を取っておく必要はないと言い、自分で準備してきたことを打ち明けます。ジェイは感心し、銀行の明細書で気づかなかった理由を尋ねます。
— Okay, just a few simple questions, and your estate planning is done.
(それじゃ、簡単な質問をいくつか答えてもらえば、財産の相続計画は完了です。)Gloria: What is this? We don’t need to put aside money for Manny’s college. I already took care of it. When Manny was born, I didn’t want to rely on anyone, so I started saving money from my paycheck. Eventually, I made enough money for Manny’s college, so if anything happens, he’ll be okay.
(これは何? マニーの大学のために、お金を取っておく必要はないわ。もう私が準備したの。マニーが生まれたとき、私は誰にも頼りたくなくて、給料の中から貯金を始めたの。やがてマニーの大学費用に足りる額になったから、もし何かあっても、あの子は大丈夫よ。)Jay: That’s amazing. How did I not see this in the bank statements?
(すごいな。銀行の明細書で、どうして俺は気づかなかったんだ?)Gloria: Why would I put money that I might need to run away with in the middle of night in the bank? I put it in my disappear bag.
(夜中に逃げるときに必要になるかもしれないお金を、どうして銀行に入れておくのよ? 「逃げる用のバッグ」に入れてあるわ。)Modern Family Season8 Episode10 (Ringmaster Keifth)
シーン解説と心理考察
グロリアの I didn’t want to rely on anyone, so I started saving money from my paycheck. は、貯金を始めた理由と行動を、so でつないだ一文です。didn’t want to rely on anyone が理由、started saving money from my paycheck が行動で、so が「だから」の役目を果たしています。paycheck は「給料」、saving は「貯めること」で、給料の中から貯め始めたことが分かります。
その前の What is this? We don’t need to put aside money for Manny’s college. では、put aside が「取っておく」という意味です。続く I already took care of it. の take care of は、「引き受けて済ませる」という意味で、it はマニーの大学費用の件を受けています。もう準備は済んでいる、と先に伝えてから、理由に入る順番です。
理由のあとは、Eventually, I made enough money for Manny’s college, so if anything happens, he’ll be okay. と続きます。Eventually は「やがて」、enough は「十分な」です。if anything happens は「もし何かあれば」という、万一の場合をやわらかく言う形で、he はマニーを指しています。自分の貯金で息子の大学費用をまかなえるところまで来た、という報告です。
ここまでの流れから、グロリアが人に任せず、自分の手で備えを進めてきたことが伝わってきます。rely on anyone という言い方は、その姿勢を一言で表す言葉になっています。
そこへジェイが That’s amazing. と驚き、How did I not see this in the bank statements? と続けます。How did I not 〜? は、「どうして〜しなかったのだろう」という言い方で、ふつうなら目に入るはずだ、という驚きがにじみます。bank statements は「銀行の取引明細」で、this は、グロリアが貯めていたお金のことです。
グロリアの最後の返しは、Why would I 〜? という形です。would を使って、ジェイの問いをそのまま問い返しています。そして、お金の置き場所を答えて、この場面が締まります。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
手すりに体重を預けて、階段の途中で立ち止まっている姿から入ります。体の重みを手すりに任せているので、手すりがなくなれば、立っていられません。この姿が、rely on の「頼る」という意味の絵になります。
on は「〜の上に」という意味なので、「頼る相手の上に自分を乗せる」と考えると、on のあとに相手を置く形も一緒に覚えられます。これは覚えやすくするための見立てで、言葉の由来の説明ではありません。
グロリアの I didn’t want to rely on anyone を、この絵に当てはめてみます。「誰かの手すりに体重を預けたくなかった」という意味になり、だから自分の足で立つために貯金を始めた、という流れがつながります。頼りたくない気持ちと、自分で備える行動が、一つの絵の中でつながります。
例文で覚える「rely on」
頼る相手が人の場合も、物の場合も使える表現です。頼る内容や場面の違う3つの形を見てみましょう。
We rely on our suppliers to deliver on time.
(私たちは、納品が期限どおりに行われることを仕入れ先に頼っています。)
取引先との関係を説明するビジネスの場面です。rely on + 人 + to + 動詞 の形で、仕入れ先に期待していることを to のあとに置いています。
He doesn’t like to rely on other people for rides.
(彼は、車での送り迎えを他の人に頼るのが好きではない。)
自立心の強い人を説明する場面です。doesn’t like to のあとに rely on other people が続き、for rides で、何について頼るのかを示しています。
A: Can I count on you?
B: Of course. You can rely on me.
(A:当てにしていい?)
(B:もちろん。頼ってくれていいよ。)
頼みごとを引き受ける往復の会話です。A の count on に対して、B が rely on で答えています。You can rely on me. は、相手に安心してもらいたいときに使える返しです。
あわせて覚えたい関連表現
depend on
(〜に頼る、〜次第である)
rely on が、信頼して頼る気持ちを表すのに対し、depend on は、「頼る」のほかに「〜によって決まる」という意味でも使えます。It depends on the weather. なら、「天気次第だ」という意味です。
count on
(〜を当てにする)
count on は、「きっと〜してくれる」と見込んで当てにするときの言い方です。count on you to help のように、人が何かをしてくれることを期待する形で使います。
lean on
(〜に寄りかかる、〜に支えてもらう)
rely on が、頼るという事実を表すのに対し、lean on は、体や気持ちを預けて支えてもらう様子を、具体的に思わせます。壁に寄りかかる動作そのものにも使えます。
Note|否定文の anyone は「誰にも〜ない」と訳す
I didn’t want to rely on anyone. を訳すとき、一番迷うのは anyone の訳し方です。
anyone は、辞書では「誰か」「誰でも」と載っている言葉です。ところが、didn’t のような否定の言葉と一緒に使うと、「誰か(1人)」ではなく、「誰も」という意味に変わります。I didn’t want to rely on anyone. は、「誰かに頼りたくなかった」ではなく、「誰にも頼りたくなかった」と訳します。
比べるために、肯定文を見てみます。I wanted to rely on someone. なら、「誰かに頼りたかった」という意味です。someone は、肯定文で「誰か(ある人)」を表す語です。同じ「頼る」でも、someone は「誰か1人」、否定文の anyone は「誰も〜ない」となり、日本語にすると意味が大きく変わります。
anyone の位置も大切です。rely on のあとに anyone が置かれているので、頼る相手が「誰にも」あてはまらない、という全否定になります。頼りたくなかった、という気持ちは didn’t want to が表しています。
グロリアの一文は、否定文の anyone を「誰にも」と読めば、そのまま意味が通ります。
まとめ|誰かに預けず、自分の足で立つための rely on
rely on は、人や物を信頼して、頼りにすることを表す表現です。on のあとに頼る相手を置き、何をしてもらうかまで言いたいときは、to のあとに動詞を続けます。
仕入れ先への期待、人に頼らない暮らし、頼ってほしいと伝える返事など、頼る・頼られるが出てくる場面で幅広く使えます。count on や depend on と並べておくと、頼り方の違いも整理しやすくなります。
頼らずに備えてきたグロリアの話に、ジェイが感心して明細書を持ち出す。人に頼らないという姿勢が、二人のやり取りの中心にあります。頼るのか、自分で備えるのか。その選び方を言葉にするとき、rely on が使えます。


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