「stick it to someone」の意味と使い方|『モダンファミリー』S10E17で学ぶ英会話

「stick it to someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

自分を軽く見た相手に、いつか見返してやりたいという気持ちが、ふと顔を出す瞬間は誰にでもあります。

そんな気持ちを表す「stick it to someone」を、『モダンファミリー』シーズン10第17話の中盤、「今日はひとつくらいうまくいったら気分がいい」というクレアの言葉に、アレックスが軽口で乗るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「stick it to someone」の意味とニュアンス

stick it to someone
意味:〜に一泡吹かせる、〜をやり込める(仕返しや反抗の気持ちを込めて)

stick it to someoneは、相手に一泡吹かせる、やり込める、一矢報いるという意味の口語表現です。stickは「突き刺す、突きつける」、itは特定の物を指さない決まった形の一部です。「それを相手に突きつける」という見立てから、強く言い返したり、やり返したりする意味になります。

形の使い方は、stick it to + 相手です。「〜に」にあたる相手をtoの後ろに置き、人でも会社でも制度でも置けます。stickは時制や進行形に合わせて活用し、sticking it to …やstuck it to …のように形が変わります。今回のシーンでは、wouldn’t mind(〜しても構わない)の後ろに続くため、動名詞のstickingの形で出てきます。

使われるのは、不当な扱いや理不尽な扱いを受けたあとの仕返しや、強い相手や決まりに逆らって一矢報いる場面です。くだけた言い方で、気持ちの強さがそのまま出るため、友人同士の会話や独り言に近い場面に合います。

この表現は、不満や悔しさを背景に持つ点が特徴です。純粋に競い合う気持ちを言う表現とは違い、相手との間に「面白くない」という思いがあるときに使います。

日本語に訳すときは、「一泡吹かせる」「やり込める」「一矢報いる」を場面に合わせて選びます。相手を驚かせたり慌てさせたりする点に重みがあるときは「一泡吹かせる」、言い返して負かす点に重みがあるときは「やり込める」がなじみます。

【ここがポイント!】

  • 「stick it to someone」の核は、不満や反抗を相手にまっすぐ突きつけるイメージ
  • itは特定の物を指さない決まった形の一部で、stickは活用して使う
  • くだけた強い言い方なので、相手や場面に合わせて言い換えを選ぶのがコツ

『モダンファミリー』S10E17のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

「ほら、早く!」という声のあと、クレアが「今日はひとつくらいうまくいったら気分がいい」と口にします。そこにアレックスが軽口で乗り、グロリアがその言い方に切り返す、短いやり取りです。フレーズは、アレックスの軽口の中で使われています。

— Come on!
(ほら、早く!)

Claire: It’ll feel good to get something right today.
(今日はひとつくらい、うまくいくと気分がいいわよね。)

Alex: Plus, I wouldn’t mind sticking it to some preppy, white jerks.
(それに、気取った白人のイヤなやつらに一泡吹かせるのも悪くないかな。)

Gloria: Hey! That life comes with its own problems!
(ちょっと! そういう暮らしにはそういう暮らしの悩みがあるのよ!)

Modern Family Season10 Episode17 (The Wild)

シーン解説と心理考察

クレアの「ひとつくらいうまくいったら」という言い方には、今日は思うように運んでいない様子がうかがえます。大きな成功を望むのではなく、ひとつでも何かをうまくやれたら気分がいい、という控えめな願いがにじむ場面です。

アレックスは、その流れに「それに」と一言を足します。wouldn’t mindは「〜しても構わない」という控えめな言い方で、「やり込めたい」と正面から言うのではなく、「悪くない」という形で本音をのぞかせています。冗談めかした軽い口調と、一泡吹かせるという強い中身との落差が、この一言の見どころです。

グロリアは「ちょっと!」と声を上げ、アレックスが挙げた相手の暮らしにも悩みがあると切り返します。短い掛け合いの中で、アレックスの軽口が聞き流されず、周りの反応を引き出している様子が伝わってきます。

クレアは願いを述べ、アレックスは軽口を足し、グロリアはそれに声を上げます。同じ話題に向かいながら、三人の言葉の向きがそれぞれ違うことが、短いやり取りに起伏を生んでいます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

指先を相手の胸元にまっすぐ向けて、「見ていろ」と告げる身ぶりを想像してみてください。突きつけているのは目に見える物ではなく、仕返しや見返しの気持ちです。stick(突きつける)という動詞が、その押しつけがましいほどの近さを運んできます。

アレックスの「悪くないかな」は、指をそっと向けるくらいの軽さでした。同じstick it toでも、wouldn’t mindを前に置くと、突きつける強さがやわらぎます。強さの加減を、前に置く言葉で調整していると覚えると、使い分けの感覚がつかめます。

例文で覚える「stick it to someone」

一矢報いる気持ちを表すstick it to someoneを、場面の違う3つの例文で見ていきましょう。

I’d love to stick it to my old boss by starting my own company.
(自分の会社を立ち上げて、前の上司に一泡吹かせてやりたいな。)
見返したい気持ちを友人に話す場面です。by starting …と手段を添えると、どう見返すのかが具体的に伝わります。

A: Why did you save all that money for a big party?
B: To stick it to everyone who said I couldn’t afford one.
(A:どうして大きなパーティーのためにそんなにお金を貯めたの?)
(B:できっこないと言った人たち全員に、一泡吹かせるためだよ。)
動機を打ち明ける往復会話です。To stick it to …と目的の形で答えると、理由がひと言で伝わります。

He kept winning just to stick it to the team that had cut him.
(彼は、自分を戦力外にしたチームに一矢報いるために勝ち続けた。)
悔しさをばねにした人を語る場面です。just toを添えると、それだけが理由だという強調になります。

あわせて覚えたい関連表現

get back at someone
(〜に仕返しする)
やられた分をやり返すことに重点があります。stick it to someoneは、仕返しに加えて、強い相手や理不尽な扱いに対する反抗の気持ちが前に出ます。

show someone up
(〜に恥をかかせる)
人前で相手の劣る点を目立たせることに重点があります。stick it to someoneは、相手に気持ちを突きつける点が中心で、恥をかかせる場面に限りません。

get even with someone
(〜に仕返しして貸し借りをなくす)
受けた被害と同じ分を返す、つまり帳消しにする意味です。stick it to someoneは、帳消しよりも「一矢報いる」気持ちが強く出ます。

Note|stick it to someone の強さと、場面に合わせた言い換え

stick it to someoneは、気持ちの強さがそのまま出るくだけた言い方です。使う相手や場面によっては、少しやわらげたり、別の言葉に置き換えたりしたほうが収まりのよいときがあります。

シーンのアレックスは、I wouldn’t mind sticking it to …と言っています。wouldn’t mindは「〜しても構わない」「〜するのも悪くない」という控えめな言い方で、後ろには動名詞が続きます。I want to stick it to …と言い切れば気持ちがむき出しになりますが、wouldn’t mindを挟めば、冗談まじりの軽口の温度になります。もっと穏やかに言いたい場面では、get back at someone(仕返しする)や、prove someone wrong(相手が間違っていたと証明する、つまり見返す)に置き換える手もあります。たとえば職場で上司や同僚との関係を話すときは、I want to prove them wrong.のほうが、角が立ちません。

アレックスも、直球ではなくwouldn’t mindで包んでいるため、強い中身が軽口として響いています。

つまり、強い気持ちを出すならstick it to、冗談の温度に下げるならwouldn’t mindを添える、穏やかに言うならget back atやprove wrongへ、という選び方になります。

まとめ|軽口に乗るアレックスと、切り返すグロリア

stick it to someoneは、不満や反抗を相手にまっすぐ突きつけて、一泡吹かせることを表す口語表現です。toの後ろに相手を置き、stickは文に合わせて活用させます。

強い言葉なので、wouldn’t mindで包んだり、get back atやprove wrongに言い換えたりすると、場面に合った温度で使えます。気持ちの強さと口調の軽さを調整できる点が、この表現の扱いやすさです。

ささやかな願いに軽口が乗り、すぐに切り返しが返ってくるやり取りの中で、強い言葉が冗談として行き交っています。

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