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小さく始めたつもりが、気づけば思っていた以上に話が大きくなっていた。そんなとき、「こうするつもりではなかった」という気持ちを込めて謝る一言があると便利です。
その一言になる「get away from us」を、『モダンファミリー』シーズン10第20話の後半、クレアがヘイリーに語りかける場面から、一緒に見ていきましょう。
「get away from us」の意味とニュアンス
get away from us
意味:(物事が)手に負えなくなる、制御から離れる
get away は、単独では「逃げる」「離れる」を表す動詞です。人や動物が主語なら、文字どおりに逃げ出す意味で、物事が主語で from のあとに人が来ると、その物事がその人の制御から離れていく、という意味になります。
get は「〜の状態になる」、away は「離れて」を表すので、get away で「離れた状態になる」、from us で離れる元が自分たちだと示します。
get away from us なら、「私たちの手から離れる」、つまり「私たちには収められなくなる」という内容です。計画や準備、会話などが、当事者の思っていた範囲を超えて大きくなってしまったときに使います。人が計画を管理しきれなかったという含みがあるので、謝罪の文脈で使われると「こうなるつもりではなかった」という気持ちが伝わります。
今回のシーンでは、過去形の got away from us として出てきます。見出しの get away from us は原形で、時制や代名詞が替わっても、物事が主語、from のあとに人、という骨組みは同じです。
【ここがポイント!】
- get away from us は、物事が自分たちの制御から離れて手に負えなくなる、という意味
- 物事が主語、from のあとに人が来る形で、謝罪や言い訳の場面に合う
- 過去形の got away from us なら、すでに手に負えなくなった結果を表す
『モダンファミリー』S10E20のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ヘイリーが「聞きたくない、ママ」と突っぱねると、クレアは「逃げなさい」と返します。驚くヘイリーに、クレアは「全部が手に負えなくなってしまった」と謝り、ヘイリーの望む結婚式を挙げるべきだと続けます。フィルとクレアも、自分たちが駆け落ちしたときのことを語ります。
Haley: I don’t want to hear it, Mom.
(聞きたくない、ママ。)Claire: Run.
(逃げなさい。)Haley: What?!
(えっ?!)Claire: Yeah. We’re really sorry that this all got away from us. But all we care about is that you’re happy. And you should have the wedding you want.
(ええ。こんなふうに全部が手に負えなくなってしまって、本当にごめんなさい。でも私たちが大事なのは、あなたが幸せなことだけ。あなたの望む結婚式を挙げるべきよ。)Phil: Your mom’s right. We eloped, and I still think of it as one of the best days of my life.
(ママの言うとおりだよ。俺たちも駆け落ちしたけど、今でも人生で最高の日のひとつだと思ってる。)Claire: It still seems like the last day we were alone.
(あれは今でも、私たちが二人きりでいられた最後の日みたいに思えるのよね。)Modern Family Season10 Episode20 (Can’t Elope)
シーン解説と心理考察
クレアの発言は、謝罪、優先順位、後押しの三つに分かれています。まず謝るのが We’re really sorry that this all got away from us で、続く But all we care about is that you’re happy で、本当に大事なことを一つに絞ります。最後の And you should have the wedding you want で、ヘイリーの意思を後押しする形です。
really が付いているので、軽く流す謝り方ではなく、気持ちを込めた謝罪です。「逃げなさい」の一語も、続く説明まで読むと、ヘイリーを責める言葉ではなく後押しだとわかります。
this all が指すのは、ここまでの成り行き全体です。何がどう大きくなったのかを細かく数えなくても、「全部」とひとまとめにして謝れるのが、got away from us の使い勝手です。主語の we は、クレアとフィルの二人です。
but の使い方にも注目です。「手に負えなくなってごめんなさい」と謝ったあとに but を置くことで、謝罪の話から、本当に大事なことの話へ向きを変えています。ヘイリーの幸せが何より大事だという言葉に、この but が重みを与えています。
フィルは Your mom’s right で妻に賛同し、自分たちも駆け落ちして結婚したと言います。I still think of it as one of the best days of my life と、今でも人生で最高の日のひとつだと語ります。クレアは It still seems like the last day we were alone と続け、同じ日を「二人きりでいられた最後の日」と言い表します。フィルの「最高の日」に、クレアが苦笑まじりのひと言を添える形で、二人の駆け落ちの話が締めくくられます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
get away の主語が人から物事に入れ替わっただけ、と見ておくと、形が頭に入ります。逃げ出すのは人ではなく、計画や準備のほうです。そして、逃げ出した先が、自分たちの手の届かないところになります。
手綱を握っていたはずの計画が、いつの間にか手の中から走り去ってしまう、という絵を土台にします。from us は「私たちのもとから」という方向を示す部分で、逃げられた側が自分たちだとわかります。
クレアが言った We’re really sorry that this all got away from us も、この絵で読み解けます。手綱を放すつもりはなかったのに、気づいたら全部が走り出していた、というお詫びです。主語が物事だから、自分たちの意思で大きくしたのではない、という気持ちが自然と言葉に乗ります。
例文で覚える「get away from us」
予定の拡大、予算の話、時間の経過を題材に、3つの例文を挙げます。
We only planned a small party, but it got away from us and 50 people came.
(ささやかなパーティーのつもりが手に負えなくなって、50人も来てしまった。)
予定が大きくなった経緯を話す場面です。but のあとに、思っていた規模を超えた結果を続けています。50 people のように数字を添えると、膨らみ方が具体的に伝わります。
A: Why is the budget so high?
B: Honestly, the project got away from us.
(A:なんで予算がこんなに高いの?)
(B:正直、プロジェクトが手に負えなくなってしまって。)
状況を説明して謝る会話です。予算が高くなった理由を、プロジェクトという物事を主語にして答えています。Honestly を頭に付けると、率直に認める言い方になります。
Time got away from us, and we missed the last train.
(気づかないうちに時間が過ぎて、終電を逃してしまった。)
時間が経つのが早かった話をする場面です。主語に time を置くと、時間が自分たちの意識から離れていった、という言い方になります。
あわせて覚えたい関連表現
get out of hand
(手に負えなくなる)
get out of hand は、状況が制御不能になった結果を言います。get away from us は、「こうなるつもりではなかった」という当事者の気持ちが前に出ます。
spiral out of control
(歯止めがきかず悪化していく)
spiral out of control は、悪化が加速していく様子を強調します。get away from us は、制御を離れたという事実そのものを言います。
take on a life of its own
(ひとり歩きする)
take on a life of its own は、物事が自分の意思で動き出すように見える言い方です。get away from us が当事者の手を離れたことを言うのに対し、こちらは物事の側がひとりでに動き出す様子に焦点があります。
Note|物事が主語、人が目的語になる get away from の型
this all got away from us の骨組みは、主語が物事(this all)、動詞が got away from、from のあとが人(us)です。get away の主語を人にすると、He got away from the police. のように、人が逃げる意味になり、物事を主語にしたときと意味の向きが変わります。
主語が人のときは、from のあとに置かれるのは逃げる相手や場所で、逃げるのは主語です。物事が主語のときは、from のあとに置かれた人が「制御を失う側」になり、離れていくのは物事のほうです。同じ get away from でも、誰が動くのかが逆になります。
人称を替えると、当事者を言い分けられます。the meeting got away from me なら「会議が自分の手を離れた」、the joke got away from him なら「冗談が彼の意図を超えて行きすぎた」というように、from のあとの人が、制御できなかった当事者です。主語を this all から it に替えれば、it got away from us という短い形になり、例文のパーティーの文にも同じ形が出てきます。時制については、過去形の got なら、すでに制御を離れてしまった結果を伝える言い方になります。
主語が物事で、from のあとが当事者という形に慣れると、謝罪の一言として、人称と時制を替えながら使い回せます。
まとめ|手綱が手を離れたときの一言
get away from us は、計画や準備などの物事が、自分たちの制御を離れて手に負えなくなったことを表す表現です。物事が主語、from のあとに人が来る形で、「こうなるつもりではなかった」という気持ちを込められます。
劇中のクレアは、過去形の got away from us で、ここまでの成り行きを謝りました。そのあとに but を置いて、本当に大事なのはヘイリーの幸せだと続けています。
予定が膨らんだとき、段取りが想定を超えたときの謝罪では、この言い方が一言目として働きます。


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