海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
初めて会った相手と話していて、思わぬ共通点が見つかって一気に打ち解けた、そんな経験はありませんか。
そんなときに使える「have a lot in common」を、『フレンズ』シーズン5第12話の中盤、周囲に反対されながらもジャニスとの交際を正当化しようとするロスのシーンから、一緒に見ていきましょう。
「have a lot in common」の意味とニュアンス
have a lot in common
意味:共通点が多い
in common は「共通して・共有して」という意味の句です。have … in common で「〜という共通点を持つ」となり、あいだに a lot を挟むと「共通点が多い」という表現になります。
趣味や価値観、境遇などが重なっていて「話が合う」「気が合う」というニュアンスがこの表現の核です。共通点の量は a lot(多い)のほかに、much(多い)、little(少ない)、nothing(まったくない)などで自由に調整できます。We have nothing in common(まったく共通点がない)のように、否定的に使うこともできます。出会った相手や友人・恋人と、なぜ気が合うのかを説明するときの定番表現で、人だけでなく組織や物事の共通性を語るときにも使えます。
【ここがポイント!】
- in common は「共通して」、have … in common で「共通点を持つ」
- a lot / much / nothing で共通点の量を自由に調整できる
- 趣味・価値観・境遇の重なりで「話が合う」を表すのがコツ
『フレンズ』S05E12のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
評判の悪い元恋人ジャニスと関係を持ったことが発覚し、ロスは仲間から総ツッコミを受けます。ジョーイが必死にフォローしようとするなか、当のロスは開き直って、二人の相性を大真面目に主張し始めます。
Joey: This is Ross, okay. He’s our friend. He obviously went crazy. He obviously lost his mind.
(こいつはロスだよ。俺たちの友達だ。どうかしちまったんだ。完全に正気を失ったんだよ)Ross: Look, I didn’t lose my mind, okay? Janice and I have a lot in common. We’ve both been divorced. We-we both have kids.
(いいか、正気は失ってない。ジャニスと僕には共通点が多いんだ。二人とも離婚を経験してるし、子どももいる)Phoebe: So are you actually gonna see her again?
(それで、本当にまた彼女と会うつもりなの?)Rachel: Phoebe, don’t put ideas in his head!
(フィービー、変な気を起こさせないでよ!)Friends Season5 Episode12(The One with Chandler’s Work Laugh)
シーン解説と心理考察
ジョーイが「正気を失ったんだ」と病気扱いでかばおうとするのに対し、ロスは「正気は失ってない」と反論し、「共通点が多い」と関係を理屈で正当化しようとします。ここで持ち出される共通点が「二人とも離婚経験がある」「子どもがいる」という、必ずしも前向きとは言えない項目なのがこの場面のおかしみです。
本来なら絆の理由になりにくい境遇を、あえて have a lot in common の根拠として並べるところに、周囲に理解されない選択を筋の通ったものに見せようとするロスの必死さがにじみます。すかさずフィービーが「また会うの?」と焚きつけ、レイチェルが「変な気を起こさせないで」と止める掛け合いも、場の温度を上げています。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
二つの円が重なり合う「ベン図」を思い浮かべてみてください。重なった真ん中の部分が in common(共通の領域)です。その重なりが大きいほど、つまり a lot in common であるほど、二人は話が合う、というイメージでとらえられます。
このシーンのロスは、ジャニスとの「離婚経験」「子どもがいる」という重なりを必死に指し示して、二人の相性を主張しています。ベン図の重なった部分を指でなぞるように、common(共通)と a lot(たくさん)をセットで手を動かしながら唱えると、記憶に定着しやすくなります。
例文で覚える「have a lot in common」
気が合う理由を説明するこの表現を、3つの場面で見てみましょう。
It turned out we had a lot in common—same hometown, same college.
(私たちには共通点が多いと分かった。地元も同じ、大学も同じだったんだ)
出会いのなれそめを語る場面です。ダッシュのあとに具体的な共通点を続けると、説得力が増します。
The two departments have a lot in common and should collaborate more.
(その二つの部署には共通点が多く、もっと協力し合うべきだ)
組織について語るビジネスの場面です。人だけでなく、部署や企業などの共通性にも応用できます。
A: You two get along so well. Were you friends before?
B: Not really—we just have a lot in common, so it clicked right away.
(A:君たち、すごく気が合うね。前から友達だったの?)
(B:そういうわけじゃないんだ。ただ共通点が多くて、すぐに意気投合しただけだよ)
仲の良さの理由を尋ねられた会話です。have a lot in common が「なぜ気が合うのか」の答えとして自然に機能しています。
あわせて覚えたい関連表現
see eye to eye
(意見が一致する、見解が合う)
have a lot in common が「属性や境遇の重なり」を表すのに対し、こちらは「特定の事柄について意見が一致する」ことを指します。
be on the same wavelength
(波長が合う、感覚が通じ合う)
感覚やものの見方が自然に通じ合うニュアンスです。共通点を事実として列挙するより、「感性が合う」という印象を伝えます。
click (with someone)
(すぐに意気投合する)
出会ってすぐ相性がよいと感じる口語表現です。have a lot in common は、その「気が合う理由」を説明する側の表現と言えます。
Note|出会いの会話で重宝される「共通点さがし」の作法
ロスが必死に「共通点が多い」と訴えたように、英語圏では相手との共通点を見つけることが、人間関係を築くうえで大切な役割を果たします。
初対面の相手と交わすスモールトークでは、出身地や趣味、好きなスポーツチームなどを話題にしながら、お互いの共通点を探り合うのが一般的です。共通点が一つ見つかると、そこから会話が一気に広がり、心理的な距離が縮まります。Oh, we have a lot in common!(わあ、共通点が多いね!)という一言は、相手との親近感を確認し、関係を前に進める合図のように使われます。心理学でも、人は自分と似た相手に好感を抱きやすいことが知られており、共通点さがしはごく自然な親密化の手段だと言えます。ロスの場合は、周囲に反対される交際を正当化するために、この「共通点」を持ち出したわけですが、裏を返せば、共通点が二人を結びつける理由として誰の目にも分かりやすいものだからこそ、説得の材料に選ばれたのです。
こう見てくると、have a lot in common は単なる事実の説明ではなく、相手との距離を縮めたり、関係を正当化したりする、対人関係の潤滑油のような表現だと分かってきます。
共通点は、人と人をつなぐ最初の一歩になる言葉です。
まとめ|ロスの弁明に見る「共通点」の力
have a lot in common は、趣味や価値観、境遇の重なりから「気が合う・話が合う」を表す、出会いの場面で活躍する表現です。a lot / much / nothing で共通点の量を自在に調整できるのも、この言葉の便利なところと言えます。
初対面の相手と打ち解けたいとき、あるいは誰かとの相性を説明したいとき、この一言があれば会話が自然に前へ進みます。see eye to eye や click との違いも意識すると、人との関係をより細やかに描き分けられるようになります。
離婚経験という意外な共通点まで持ち出して交際を正当化したロスの弁明は、共通点が人を結びつける力を、逆説的に見せてくれる場面でした。


コメント