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『モダンファミリー』シーズン8第11話では、親戚の結婚式に、クレアとミッチェルの母ディーディーが姿を見せます。昔は夫婦だったジェイとディーディーは、同じテーブルで思いがけず打ち解け、子どもたちが聞いたこともない呼び名で呼び合います。
見慣れない家族の姿に、子どもの側は素直に喜べません。急な優しさを疑う言い方から、長年言えなかった謝罪の伝え方まで、食卓の会話をたどります。
「Sarge」と「Pea」と呼び合う二人
同じテーブルで昔の話が出たとき、ジェイが自分の非を口にすると、ディーディーはそれをさえぎります。
Jay: You were angry because I was an inconsiderate blow-hard.
(お前が怒ってたのは、俺が思いやりのないほら吹きだったからだ。)Dede: Oh, don’t do that.
(あら、そんなこと言わないで。)Dede: We had plenty of good times, didn’t we, Sarge?
(楽しいこともたくさんあったじゃない、ねえ、サージ?)Jay: You bet we did, Pea.
(もちろんさ、ピー。)Modern Family Season8 Episode11 (Sarge & Pea)
inconsiderate は「思いやりのない」、blow-hard は「ほら吹き、自慢ばかりする人」を表すくだけた語です。Oh, don’t do that. は、自分を責める相手に「そういうことはやめて」と返す言い方で、ここでは昔のことで自分を悪く言わなくていい、という気持ちが伝わってきます。
plenty of good times, didn’t we? の付加疑問は、相手に同意を求める形です。それに You bet.(もちろん)と応じるジェイの返事で、二人の空気が和らぎます。Sarge は軍曹(sergeant)を縮めたくだけた呼び方として知られ、ここでは二人だけの愛称として使われています。
その後も二人は、互いを褒め合います。
Dede: Well, I don’t know what you’re doing, but you look great.
(何をしてるのか知らないけど、あなた、すてきよ。)Jay: And you look great, too.
(お前もすてきだよ。)Modern Family Season8 Episode11 (Sarge & Pea)
I don’t know what you’re doing, but ~ は「何をしているのか知らないけれど」と前置きして、相手の変化を褒める言い回しです。you look great に too を添えて同じ言葉で返すと、褒め言葉のやり取りとして自然な形になります。
「This kindness, I don’t trust it.」という不信
仲のよい二人を見て、クレアとミッチェルはこう話し始めます。
Claire: Who are those people?
(あの人たち、誰?)Mitchell: You heard them.
(聞いたでしょ。)Mitchell: They’re “Sarge” and “Pea.
(「サージ」と「ピー」だってさ。)Mitchell: Two nicknames I have never heard in my entire life.
(生まれてこのかた一度も聞いたことのないあだ名だよ。)Mitchell: This kindness, I don’t trust it.
(この優しさ、信用できない。)Claire: I know, it’s like a purple sky before a storm.
(分かる。嵐の前の紫色の空みたい。)Mitchell: Exactly.
(まさに。)Claire: Beautiful until you realize the birds are agitated and ants are walking in circles.
(きれいだけど、よく見ると鳥はざわついてるし、アリはぐるぐる回ってるってやつ。)Modern Family Season8 Episode11 (Sarge & Pea)
Who are those people? は、知っているはずの人の変わりように驚いて「あれは誰?」と言う使い方です。ミッチェルの You heard them. は「聞いたとおりだよ」と、相手も同じものを耳にしている前提で返す一言です。I have never heard in my entire life は現在完了の never に in my entire life を重ねて、「一度もない」を強めています。
タイトルの This kindness, I don’t trust it. は、話題の This kindness を先に置き、あとから it で受け直す語順です。会話では、気になっているものを先に出して注目させるときにこうした形が見られます。I don’t trust it は人ではなく状況や態度を「信用できない」と言うときにも使えます。
クレアの比喩は、日本語の「嵐の前の静けさ」に近い感覚です。Beautiful until you realize ~ は「〜だと気づくまでは美しい」で、穏やかに見えるものの裏にある不安を言い表しています。あいだに入るミッチェルの Exactly. は「まさにそれ」と全面的に同意する短い返しで、二人の受け止め方が一致しているのが分かります。
衝突のあとに届いた謝罪
やがてテーブルは騒がしくなり、ディーディーが子どもたちをたしなめます。
Dede: Sit down, sit down.
(座って、座って。)Dede: You’re causing a scene.
(騒ぎになってるわよ。)Dede: It’s very embarrassing.
(すごく恥ずかしいわ。)Modern Family Season8 Episode11 (Sarge & Pea)
Dede: We did not raise you to act like this.
(そんな振る舞いをするように育てた覚えはないわ。)Claire: Oh, excuse me.
(ちょっと待って。)Mitchell: No, I-I got it.
(いや、僕が言う。)Mitchell: No, in fact, you raised us to act exactly like this, okay? You two are the ones that are acting crazy.
(いや、実際は、まさにこういう振る舞いをするように育てたんだよ。おかしなことをしてるのは二人のほうだ。)Jay: What are you talking about?
(何の話だ?)Mitchell: Who the hell are Sarge and Pea, and where were they when we were growing up?
(サージとピーって一体誰なんだ? 僕たちが子どもの頃、どこにいたんだよ?)Modern Family Season8 Episode11 (Sarge & Pea)
cause a scene は「人前で騒ぎを起こす」です。We did not raise you to act like this. は親が子をたしなめるときによく聞かれる形で、ミッチェルは同じ型を you raised us to act exactly like this とひっくり返して言い返します。
Oh, excuse me. はここでは謝罪ではなく、異議を唱える前置きとして使われています。それを I got it(僕が引き受ける)で引き取ったミッチェルは、Who the hell are ~? と強い語気で、子どもの頃に見たことのない両親の姿を問いただします。
そのあと、両親は謝罪の言葉を口にします。
Dede: We didn’t behave well when we were married, and I feel bad about that.
(夫婦だったころ、私たちはちゃんと振る舞えなかった。それを申し訳なく思ってるの。)Jay: Me, too.
(俺もだ。)Modern Family Season8 Episode11 (Sarge & Pea)
ジェイは、さらに言葉を続けます。
Jay: We should have said this a long time ago, but we didn’t give you the kind of home you deserved, and for that, we’re sorry.
(もっと早く言うべきだったが、お前たちにふさわしい家庭を作ってやれなかった。そのことは、すまないと思ってる。)Claire: Well, you I mean, there was there was happy times, too.
(まあ、その、楽しいときもあったし。)Mitchell: Yeah, no, it wasn’t all crazytown.
(うん、全部がめちゃくちゃだったわけじゃない。)Modern Family Season8 Episode11 (Sarge & Pea)
I feel bad about ~ は「〜を申し訳なく思う」、We should have said this a long time ago, but ~ は遅れた謝罪の前置きで、for that, we’re sorry で何について謝るのかをはっきりさせます。受け止める側の it wasn’t all crazytown は not all の部分否定で、「全部が〜だったわけではない」と良い面も認める返しになっています。謝罪をそのまま受け取るだけでなく、相手の言葉を少し和らげて返すところに、家族らしいやり取りが表れています。
まとめ|疑いから謝罪へ、家族の英語
This kindness, I don’t trust it. で変化への不信を、you raised us to act exactly like this で反論を、We should have said this a long time ago で遅れた謝罪を表しました。気持ちの移り変わりを型で言い分けられるようになります。
これからも『モダンファミリー』の家族の会話を味わっていきましょう。
相手が本人かどうか確かめる英語や、励ましすぎを見直す英語は、同じ回のほかのコラムやフレーズ記事とあわせて読むと理解が深まります。


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