海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 エピソード24から、遠回しに自分を推す英語です。アパートでペニーが、誓いの言葉を述べ直す式の相談を始めると、エイミーがある役目にそっと名乗りを上げます。
頼まれる前に、それでいて押しつけには聞こえないように。仮定の形を足がかりにした売り込みと、頼み方・ねぎらい方の定番表現を順番に見ていきましょう。
「if I were to, say, ~」仮定の形で外堀を埋める
ペニーはまず、この式が法的な手続きではないと説明します。そこにエイミーが、気になっていたことを確かめにかかります。
Penny: Okay, so it’s not a legal ceremony, it’s just a chance for us to redo our vows so everyone can be part of it.
(いい? 法的な式じゃなくて、みんなに参加してもらえるように、誓いの言葉をやり直す機会ってだけよ。)Amy: So there’s no maid of honour?
(じゃあ、花嫁の付添人はいないのね?)Penny: No.
(いないわ。)Amy: Huh. But if I were to, say, wear a purple satin dress with a sweetheart neckline and stand near you, you wouldn’t be able to stop me, right?
(ふうん。でも、もし私が、たとえばハート形の襟ぐりの紫のサテンドレスを着てあなたのそばに立ったとしたら、止められないわよね?)Penny: I don’t see how I could.
(どうやったら止められるのか、分からないわね。)Amy: Then I graciously accept.
(それなら、ありがたくお受けするわ。)TBBT Season9 Episode24
redo our vows は、redo(やり直す)と vows(誓いの言葉)の組み合わせです。a chance for us to ~ so everyone can ~(みんなが〜できるように、私たちが〜する機会)という目的の示し方も、説明の型として使えます。
エイミーの核になるのは if I were to + 動詞の原形(もし仮に〜するとしたら)です。現実から一歩引いた仮定の形に、挿入の say(たとえば)と念押しの right? を重ねて、断りにくい問いを組み立てています。
ペニーの I don’t see how I could. は「どうすれば止められるのか分からない」、つまり明言を避けた事実上の承諾です。そこへ graciously accept(ありがたくお受けする)と続けて、頼まれてもいない役目の受諾が成立します。
「I was kind of hoping you would」役目を頼む・ねぎらう英語
役割の話は続きます。今度はバーナデットが、式の進行役について尋ねる番です。
Bernadette: Who’s going to officiate?
(式は誰が執り行うの?)Penny: I was kind of hoping you would.
(あなたにお願いできたらって思ってたんだけど。)Amy: Wait, now I’m just some lousy maid of honour?
(待って、じゃあ私はただの冴えない付添人ってわけ?)TBBT Season9 Episode24
officiate は式を執り行うという動詞です。maid of honor は、一般には花嫁に付き添う役を指すことが多い言葉とされます。
ペニーの I was kind of hoping ~ は、hope を過去進行形にして kind of(なんとなく)を添えた、依頼を二重に和らげる型です。「頼みたい」と言い切らずに、相手が断る余地を残しています。
一方のエイミーは、some + 名詞(ただの〜みたいなもの)と lousy(冴えない)で自分の役目を下げてみせます。進行役と比べて格が落ちたと拗ねる、自嘲まじりの抗議です。
段取りの相談がひと区切りすると、バーナデットが今回の式の意味に触れます。
Bernadette: Well, it’s very sweet of you to go to all this trouble for Leonard’s mother.
(それにしても、レナードのお母さんのためにそこまでするなんて、優しいのね。)Penny: Yeah, I’m also doing it for Leonard. I think this could really help their relationship.
(ええ、レナードのためでもあるの。二人の関係の助けになると思うのよ。)TBBT Season9 Episode24
It’s + 形容詞 + of + 人 + to 〜 は、行動を通して人柄をほめる型です。go to all this trouble(そこまで手間をかける)と組み合わせると、労をねぎらう一言になります。
ペニーの答えからは、この式がレナードと母親の関係を思っての企てでもあることが分かります。役目の取り合いで笑わせながら、動機は温かいという場面です。
まとめ|名乗り出る英語の呼吸
今回は、if I were to, say, ~ の仮定で外堀を埋める言い方から、graciously accept の受諾、I was kind of hoping you would. の柔らかな依頼、It’s very sweet of you to ~ のねぎらいまでを見てきました。どれも、直球を避けながら意図をきちんと届ける言い回しです。
『ビッグバン★セオリー』の会話の駆け引きを、これからも一緒に味わっていきましょう。
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