海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第7話に登場する、味方につける・寝返るときの英語です。壁を取り払うかどうかで対立するハワードとバーナデットの間で、応援を頼まれたラージの立場が二転三転します。
back me upにtake your side、そしてswitch sides。誰の側につくかをめぐる表現が1つの場面に立て続けに出てくるので、使い分けをまとめて観察できるのが今回の面白いところです。
「back me up」で加勢を頼む
バーナデットの父が家に来ていることを確かめたラージに、ハワードが頼み事をする場面から始まります。
Raj: So, your father-in-law is in there right now?
(それで、君のお義父さんが今まさに中にいるの?)Howard: Yes. So back me up. The house is good the way it is.
(そうだ。だから俺を援護してくれ。この家は今のままでいいんだ。)Raj: Oh, okay. Got it.
(ああ、わかった。了解。)TBBT Season9 Episode07
back someone up は「〜を援護する・〜の話を後押しする」という句動詞です。ここでは、これから始まる話し合いで自分の側に立ってほしいという頼みとして使われています。
ラージの Got it. は、依頼を受けたことを示す短い返事です。ただし、この請け合いがどこまで持つかは、直後のやり取りで試されることになります。
バーナデットと父が壁を取り払う話をしていると知らされ、ラージは約束どおり壁を擁護する側に回ります。
Bernadette: Hey, Raj. Dad and I were just talking about taking down this wall.
(あら、ラージ。父さんと、この壁を取り払う話をしてたところなの。)Raj: You sure? It’s a pretty great wall.
(本気? これ、かなりいい壁だよ。)Mr Rostenkowski: What’s so great about it?
(何がそんなにいいんだ?)Raj: I’m sorry. I did what I could.
(ごめん。僕はやれるだけのことはやったよ。)TBBT Season9 Episode07
I did what I could. は「やれるだけのことはやった」と、期待に応えられなかったときに使う定番の言い訳です。バーナデットの父、ロステンコウスキ氏にひと言問い返されただけで撤退する早さに、この援護の頼りなさが表れています。
「take your side」「on your side」「switch sides」:sideで言い分ける陣営の英語
援護があっさり崩れたところで、バーナデットは夫の狙いを見抜きます。ここからは、side(側)を使った表現の連続です。
Bernadette: Seriously? You brought Raj over to take your side?
(本気なの? 自分の味方をさせるためにラージを連れてきたわけ?)Howard: Your dad’s on your side.
(君のお父さんは君の味方だろ。)Bernadette: He’s not on my side. He’s doing all the work for free.
(父さんは私の味方じゃないわ。タダで作業を全部やってくれてるだけよ。)TBBT Season9 Episode07
take someone’s side は「〜の側につく」という行動を、be on someone’s side は「〜の味方である」という状態を表します。味方をさせるために連れてきた、いや君にはもともと味方がいる、と動きと状態を言い分けているのが、このやり取りの聞きどころです。
無償で作業をしてくれているという話を聞いたラージは、ためらいなく陣営を移ります。
Raj: That is so generous of you. I’d like to switch sides.
(それはなんて気前がいいんだ。僕、そっち側に乗り換えたいな。)Howard: Look, uh, I don’t even think you can take this wall down ‘cause it’s load-bearing.
(いいか、そもそもこの壁は取り壊せないと思うぞ。耐力壁なんだから。)TBBT Season9 Episode07
switch sides は「寝返る・陣営を替える」で、議論やゲームの席替えにも使える言い方です。直前の That is so generous of you. は、so+形容詞+of youの形で相手の行いを評価する型で、褒め言葉と乗り換え宣言をひと息に並べる使い方になっています。
最後にハワードが持ち出す load-bearing は「荷重を支える」という形容詞で、load-bearing wallといえば建物の重さを支えるため簡単には撤去できない耐力壁を指します。味方集めに失敗した側が、今度は建物の構造を根拠に持ち出す、という粘り方が読み取れます。
まとめ|sideを聞き分けると構図が見える
今回は、back me upの援護要請から、take your side、on your side、switch sidesまで、誰の側につくかをめぐる表現を追いかけました。sideの言い分けが聞き取れるようになると、対立場面の構図が英語のまま見えてきます。
壁1枚をめぐってここまで会話が転がる脚本の密度も、『ビッグバン★セオリー』の見どころと言えます。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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