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『フレンズ』シーズン4第5話では、チャンドラーがジョーイから、ジョーイの恋人キャシーとの食事に誘われます。チャンドラーは苦しい言い訳で断ろうとし、ジョーイはその理由を自分なりに解釈します。
誘いを断る場面では、どんな理由を口にするかで、その後の会話の流れが変わります。言い訳の重ね方、相手の早合点への返し方、歩み寄りを求める言い方を、二人の会話から見ていきます。
「I already ate.」誘いを断る苦しい言い訳
この少し前の場面で、チャンドラーは仲間に、ジョーイの恋人を好きになってしまったと打ち明けています。場面がチャンドラーとジョーイの部屋に移り、帰ってきたジョーイがチャンドラーを誘います。
Joey: Hey. Listen, you want to get some dinner with me and Kathy tonight?
(なあ。今夜、俺とキャシーと一緒に晩飯どう?)
Chandler: Oh, um, you know what? I, uh, already ate.
(あー、えっと、実はさ。俺、もう食べたんだ。)
Joey: It’s 4:30.
(4時半だぜ。)
Chandler: Yeah, well, I had a big meal on Monday.
(ああ、まあ、月曜にたっぷり食べたからさ。)
Chandler: So that’s just going to get me straight through the week.
(だから、それで今週いっぱいもつんだ。)
Friends Season4 Episode5(The One With Joey’s New Girlfriend)
you want to get some dinner with ~? は、Do you want to の Do を省いたくだけた誘い方です。get some dinner で「夕食を食べに行く」という軽い誘いになります。
チャンドラーの I already ate. は「もう食べた」と、誘いを断るときに使われることのある理由づけです。ところが時刻は夕方の4時半で、ジョーイに It’s 4:30. と一言で返されてしまいます。
そこでチャンドラーが持ち出すのが、「月曜にたっぷり食べたから、今週いっぱいもつ」という言い訳です。get ~ through … は「〜に…を乗り切らせる」という形で、ここでは食事が自分を週末まで持たせる、という意味になります。もともと無理のある言い訳を、さらに大げさな理由で上書きしている流れです。
「I see what’s going on here.」相手の早とちりに話を合わせる
言い訳を聞いたジョーイは、自分なりの結論を出します。
Joey: Okay. I see what’s going on here.
(なるほど。そういうことか。)
Chandler: You, you do?
(わ、分かったの?)
Joey: Yeah. You don’t like Kathy.
(ああ。お前、キャシーのことが気に入らないんだろ。)
Chandler: You got me.
(バレたか。)
Friends Season4 Episode5(The One With Joey’s New Girlfriend)
I see what’s going on here. は「何が起きているか分かった」、つまり「そういうことか」と、相手の態度の理由に気づいたと伝える言い方です。チャンドラーの You do? は、直前の I see を受けた短い聞き返しで、「分かったの?」という驚きを表します。
ジョーイの結論は「キャシーが気に入らないんだろう」というものでした。チャンドラーが仲間に打ち明けていた事情とは違う推測です。それに対するチャンドラーの You got me. は「バレたか」「その通り」と、言い当てられたことを認める決まり文句です。ここでは推測を正さず、そのまま話を合わせる返しとして使われています。
ジョーイはさらに、チャンドラーに歩み寄りを求めます。
Joey: I made an effort to like Janice. It’s your turn to make an effort to like Kathy by coming out to dinner with us.
(俺はジャニスを好きになろうと頑張ったんだ。今度はお前の番だぜ。一緒に晩飯に来て、キャシーを好きになる努力をしろよ。)
Friends Season4 Episode5(The One With Joey’s New Girlfriend)
make an effort to ~ は「〜しようと努力する」、It’s your turn to ~ は「今度はあなたが〜する番」です。ジャニスはチャンドラーの元恋人で、ジョーイは自分がしてきたことを引き合いに出して頼んでいます。
チャンドラーが同意すると、ジョーイはこう続けます。
Joey: Good. And, hey, my treat.
(よし。それと、俺のおごりな。)
Joey: But that’s only because you’re not eating anything, right?
(でもそれは、お前が何も食べないからだけどな?)
Friends Season4 Episode5(The One With Joey’s New Girlfriend)
my treat は「私のおごり」という短い申し出です。ジョーイはすぐに「何も食べないから」と付け足し、チャンドラーの言い訳を逆手に取っています。
「I am pretending.」ふりはしていると言い返す
場面がナイトクラブでの食事に移ります。キャシーが友達を紹介しようかと持ちかけ、チャンドラーは断って席を立ちます。ジョーイがあとを追い、What was that?(今のは何だよ)と声をかけてから、こんなやりとりになります。
Chandler: Look, what do you want from me?
(なあ、俺にどうしろっていうの?)
Joey: I want you to like her but if that’s too damn difficult for you then the least you could do is pretend.
(キャシーを気に入ってほしいんだよ。でもそれがどうしても無理なら、せめてふりくらいしろよ。)
Chandler: I am pretending.
(ふりはしてるよ。)
Joey: Well, then do it better.
(じゃあ、もっとうまくやれよ。)
Friends Season4 Episode5(The One With Joey’s New Girlfriend)
What do you want from me? は「私にどうしてほしいの」と、要求に追い詰められたときに返す言い方です。ジョーイの返事にある the least you could do(せめて〜くらいは)については、同じエピソードのフレーズ記事で詳しく扱っています。
チャンドラーの I am pretending. は、I’m と縮めずに I am と言う形で「ちゃんとふりはしている」と言い返す一言です。ジョーイにとっては「気に入ったふりはしている」という意味ですが、チャンドラーが仲間に打ち明けていた事情を踏まえると、別のことを隠しているとも読める返事になっています。ジョーイの Then do it better. は「だったらもっとうまくやれ」と、相手の言葉をそのまま受けて要求を重ねる形です。
まとめ|言い訳と早とちりの英語
I already ate. のような言い訳、I see what’s going on here. という早合点、それに乗る You got me.、歩み寄りを求める It’s your turn to ~ を見てきました。断る側と誘う側の言い分がかみ合わないまま会話が進む様子が分かります。
二人の言葉のずれを意識しながら観ると、この回のやりとりの面白さがより見えてきます。
この回のほかのコラムやフレーズ記事でも、別の場面の英語を取り上げています。


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