海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン4第9話では、ロスとチャンドラーが遊び仲間と会う約束を楽しみにしていたところ、相手が来られなくなります。ジョーイに誘われて3人は自分たちだけで出かけますが、途中のひと休みで、それぞれが疲れたと口にします。
予定が流れたときの受け答え、気を取り直して誘い直す言い方、そして「疲れた」の度合いを言い分ける表現を、3つの場面から見ていきます。
「He’s not going to make it.」来られなくなったと伝える
話の始まりは、チャンドラーがロスに「パーティーの準備はいいか」と持ちかける場面です。二人は次の日の仕事を休むために電話をすると言い合い、遊び仲間と会う日を待ちわびます。
場面がチャンドラーとジョーイの部屋に移ると、出かける支度をしていたチャンドラーは「楽しみすぎて吐きそうだ」と言い、ジョーイに落ち着けとなだめられます。ジョーイが出ていくと同時に電話が鳴り、チャンドラーが受けます。相手はその遊び仲間でした。
Chandler: Oh, well… well, maybe next time then.
(ああ、そうか……じゃあ、また今度ってことで。)
Ross: What happened?
(どうしたんだ?)
Chandler: He’s not going to make it. He’s stuck in Chicago.
(あいつ、来られないって。シカゴで足止めだってさ。)
Ross: Oh, man!
(うわ、なんだよ!)
Ross: Chicago’s so lucky.
(シカゴはついてるな。)
Friends Season4 Episode9(The One Where They’re Going to Party!)
最初の Maybe next time then. は、チャンドラーが電話の相手に向けて言った一言です。then が「それなら」の意味を添えて、相手の事情を受け止めたうえで「また次の機会に」と話を収めています。
電話を切ったあと、ロスの What happened? に対して、チャンドラーは He’s not going to make it. と答えます。make it はここでは「予定どおり来られる」「間に合う」の意味で、否定にすると「来られなくなった」と伝えられます。続く be stuck in ~ は「〜で動けなくなっている」「足止めされている」の意味です。なぜ足止めされたのかまでは語られません。
ロスの Chicago’s so lucky. は、その友人と過ごせることになったシカゴのほうをうらやむ冗談です。友人に会えないことを、相手の街をうらやむ形で言っています。
「So what if he didn’t come?」気を取り直して誘い直す
場面は同じ部屋に戻り、ロスとチャンドラーがテレビを見ているところへジョーイが帰ってきます。予定が流れたあと、二人はこんなふうに時間を過ごしていました。
Ross: I balanced my checkbook.
(小切手帳の帳尻を合わせてたよ。)
Chandler: Yeah, and I gave first names to all the foosball players.
(ああ、それに俺はテーブルサッカーの人形全員に名前をつけてやった。)
Ross: I can’t believe he didn’t come.
(あいつが来なかったなんて信じられないよ。)
Joey: So what if he didn’t come? We can go out and party ourselves.
(来なかったからって何だよ?俺たちだけで出かけて騒げばいいじゃん。)
Friends Season4 Episode9(The One Where They’re Going to Party!)
ロスとチャンドラーの最初の二言は、暇を持て余していたことを自分で笑う冗談として働いています。そのあとのロスの I can’t believe ~ は「〜なんて信じられない」と、残念な出来事を受け入れきれないときに使える形です。
ジョーイの So what if ~? は「〜だからって何だ」「〜でもいいじゃないか」と、相手が気にしていることを小さく見せる問いかけです。答えを求める疑問文ではなく、気持ちの切り替えを促す言い方です。party はここでは動詞で、「パーティーをする」「遊んで騒ぐ」の意味になります。
ロスが、あの友人と一緒なら起きていたことを挙げると、ジョーイはそれを一つずつ引き受けます。
Ross: Yeah. We’d meet… we’d meet total strangers and hang out with them.
(そうなんだよ。知り合う……全然知らない人と知り合って、一緒に遊んだりしてさ。)
Joey: Well, we could do that.
(それなら俺たちでもできるだろ。)
Ross: There was other stuff, too.
(ほかにもいろいろあったんだよ。)
Joey: We’ll do it all, and better.
(全部やってやるよ、もっとうまくな。)
Friends Season4 Episode9(The One Where They’re Going to Party!)
We could do that. は「それなら自分たちにもできる」と、相手の挙げたことを可能性として示しています。could を使うことで、押しつけずに提案する響きになります。最後の We’ll do it all, and better. は、and better を付け足して「全部やるうえに、もっとうまくやる」と言い切る形です。このあと3人は、そろって出かけることに決めます。
「I’m kind of beat」と「I’m exhausted」疲れの度合いを言い分ける
場面はカフェのセントラルパークに移ります。ジョーイは、コーヒーで元気をつけてまた出かけようと言い、ここまで楽しんでいるよなと二人に確かめます。そのあとの会話です。
Ross: I’m kind of beat.
(なんか、ちょっと疲れたよ。)
Chandler: Actually… me, too.
(実は……俺も。)
Joey: Are you serious?
(マジで?)
Joey: Thank God. I’m exhausted.
(よかった。俺、もうへとへとなんだ。)
Gunther: So, you guys want coffees?
(で、コーヒーにする?)
Joey: Yeah, but I don’t want to be up too late so I’ll have a decaf.
(ああ、でもあんまり遅くまで起きてたくないから、カフェインレスで。)
Ross: Yeah. Me, too.
(ああ、俺も。)
Friends Season4 Episode9(The One Where They’re Going to Party!)
beat は形容詞として使うと、くだけた会話で「疲れ切った」という意味になります。ロスはそこに kind of を付けて「ちょっと疲れた」と控えめに切り出しています。一方のジョーイの exhausted は「くたくたに疲れた」と、疲れの強さをはっきり示す形容詞です。
| 表現 | 響き |
|---|---|
| I’m kind of beat. | くだけた言い方を kind of でやわらげた「ちょっと疲れた」 |
| I’m exhausted. | 疲れの強さをはっきり言う「へとへとだ」 |
この場面では、言い出す順番にも注目できます。ロスが控えめに切り出すと、チャンドラーも Actually… me, too. と actually を添えて続きます。盛り上げ役だったジョーイは Are you serious? と聞き返し、ロスとチャンドラーが Yeah. と答えると、Thank God. と言って自分も疲れていたと明かします。
ジョーイの I don’t want to be up too late は「あまり遅くまで起きていたくない」と、疲れていることを具体的な希望の形で伝える言い方です。ロスの Me, too. も、短く同調する返しとして使えます。
まとめ|「疲れた」を言い分ける英語
He’s not going to make it. で予定が流れたことを伝え、So what if ~? で気を取り直し、I’m kind of beat と I’m exhausted で疲れの度合いを言い分ける流れを見てきました。控えめな切り出し方と同調の返しを知っておくと、言い出しにくい本音も伝えやすくなります。
張り切って出かけた3人の会話を観ていると、疲れを打ち明ける英語の幅が見えてきます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の別の場面の英語を取り上げています。


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