海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン5第21話で、レイチェルは子どものころから欲しかったという毛のない猫を、1,000ドルで買ってきます。見せられたロスとジョーイの反応は厳しく、やがてレイチェル自身も、思っていたのと違うと嘆くことになります。
高い買い物を友達にけなされたとき、そして期待外れだったと認めるとき、英語ではどんな言い方をするのか。ジョーイが何度も繰り返す一言を手がかりに見ていきます。
「It’s not a cat.」買ったものをけなされたときの言い合い
モニカとレイチェルの部屋では、ロスとジョーイがボールを投げ合っています。そこへ帰ってきたレイチェルが、子どものころから欲しかったものを買ったと言って、毛のない猫を見せます。
Rachel: It’s-it’s a cat.
(ね、猫よ。)
Joey: That is not a cat.
(それは猫じゃない。)
Rachel: Yes, it is.
(猫よ。)
Ross: Why is it inside out?
(なんで裏返しなんだ?)
Rachel: Excuse me but this is a purebred, show-quality Sphinx cat.
(失礼ね。これは純血種の、ショーに出せるスフィンクス猫なの。)
Ross: How much did you pay for that?
(それ、いくら払ったんだ?)
Friends Season5 Episode21(The One With The Ball)
ジョーイの That is not a cat. に、レイチェルは Yes, it is. と言い返します。否定の文に「そうだ」と反論するときは、is を言い切る短い形で返せます。ロスの Why is it inside out? は、毛のない姿を「裏返し」にたとえた冗談です。
レイチェルの Excuse me は、ここでは謝罪ではなく「ちょっと待って」と相手の言葉に異を唱える前置きです。そのうえで品種や血統を並べ、価値のある猫だと説明しています。ロスの How much did you pay for that? は、値段をたずねる基本の形で、that が猫を指しています。
Ross: Yeah? How much?
(で?いくら?)
Rachel: A thousand bucks.
(1,000ドル。)
Ross: On a cat?!
(猫に!?)
Joey: It’s not a cat.
(猫じゃないって。)
Friends Season5 Episode21(The One With The Ball)
bucks はドルを指すくだけた言い方で、友達どうしの会話で使われることの多い語です。ロスの On a cat?! は「猫に?」とお金の使い道だけを問い返す形で、「猫にそんな額を?」という驚きを短く表しています。そこへジョーイが It’s not a cat. を重ねます。同じ一言を何度も繰り返すことで、レイチェルの説明をまるで受け付けない態度が笑いになっています。
「Free cats do that, too, you know.」買った理由を、まぜっかえされたとき
レイチェルは、なぜこの猫を買ったのかを話し始めます。
Rachel: All right, listen, ball boys my grandmother had one of these when I was a little girl and it was the sweetest thing. I mean, it was so cute. It would sit in my lap and just purr all day long and I would drag a shoestring on the ground and it would chase it.
(いい?ボール遊びのお二人さん。私が小さいころ、おばあちゃんがこの猫を飼ってて、すっごくかわいかったの。本当に愛らしくて、一日じゅう私のひざの上でゴロゴロ言ってたし、靴ひもを床に引きずると追いかけてきたのよ。)
Ross: Free cats do that, too, you know.
(タダの猫だって、それくらいするぞ。)
Joey: It’s not a cat!
(猫じゃない!)
Friends Season5 Episode21(The One With The Ball)
one of these は「これと同じ種類のもの」を指す言い方で、目の前の猫と祖母の猫が同じ品種だと伝えています。it would sit ~ や it would chase it の would は、過去にくり返していた習慣を表す使い方です。思い出を語るときに、昔よくしていたことを並べられる形です。
ロスの Free cats do that, too, you know. は、レイチェルの理由をそのまま受けて、「それならタダの猫でもいい」と切り返すまぜっかえしです。文末の you know が、「わかってるだろうけど」という軽い念押しになっています。
二人の反応を受けて、レイチェルは I don’t care what you think. と言い切ります。「あなたたちがどう思おうと気にしない」という意味で、まわりの意見に左右されないと宣言する一文です。好きで選んだものを人にけなされたときに、そのまま使える言い方と言えます。
「I’m stuck with ~」思っていたのと違ったと認めるとき
場面がチャンドラーとジョーイの部屋に移り、ボール遊びにはモニカも加わっています。そこへレイチェルが入ってきて、こう話します。
Rachel: You guys this cat is nothing like my grandmother’s cat. I mean, it’s not sweet; it’s not cute.
(ねえ、この猫、おばあちゃんの猫とは全然違うの。かわいげもないし、愛らしくもない。)
Friends Season5 Episode21(The One With The Ball)
nothing like ~ は「〜とは似ても似つかない」と、違いを強く言う表現です。さきほど it was the sweetest thing と語った祖母の猫と比べて、it’s not sweet; it’s not cute と同じ語を否定で言い直しているところに、期待とのずれが表れています。
その後、レイチェルは猫を連れて再び部屋に来て、I give up とお手上げを口にします。モニカに買った店へ返すよう言われても、引き取ってもらえなかったと答えます。
Monica: You can keep it at our place until you find out what to do with it.
(どうするか決まるまで、うちに置いておいていいわよ。)
Rachel: No, Mon, that’s not the point. I am out $1,000; I am all scratched up and I’m stuck with this stupid cat that looks like a hand.
(ううん、モン、そういう問題じゃないの。1,000ドル損して、引っかき傷だらけで、しかも手みたいな見た目のバカな猫を抱えたままなのよ。)
Friends Season5 Episode21(The One With The Ball)
that’s not the point は「そういう問題じゃない」と、相手の申し出が論点からずれていると伝える言い方です。be out + 金額 は「その額を損している」という意味で、be stuck with ~ は「望まないものを抱え込んで手放せない」状態を表します。損をした金額と困った状況を、短い形で並べて伝えています。この猫は最後に手放され、引き取ったのはガンターだったことが分かります。
まとめ|けなされたときと嘆くときの英語
It’s not a cat. の繰り返しへの言い返し、How much did you pay for that? と On a cat?!、I don’t care what you think.、そして nothing like、be out + 金額、be stuck with を見てきました。自分の買い物を守る言葉と、期待外れを認める言葉の両方がそろいます。
ジョーイの一言に注目して観直すと、この回の掛け合いがいっそう楽しめます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事では、フィービーとゲイリーの件やボール遊びなど、この回の別の場面の英語を扱っています。


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