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『フレンズ』シーズン5第18話には、冗談や本気ではない言い方のあとで、本当のことを明かす場面がいくつも出てきます。ロスとジョーイの出がけのやりとり、レイチェルの新しい職場、オーディション帰りの報告と、場面はばらばらです。
同じ kid という語でも、「冗談だよ」と明かす側と「冗談でしょ?」と確かめる側では形が変わります。三つの場面から、その使い分けを見ていきます。
「Are you kidding?」と「Of course I am.」冗談かどうかを確かめる問いと答え
モニカとレイチェルの部屋で、ロスはベンを迎えに行って、CMのオーディションに出かけようとしています。CMに父親役があると聞いたジョーイが聞き返し、父親役の話が出たところで、ロスがジョーイにこう言います。
Ross: You’re not his godfather.
(お前は名付け親じゃないだろ。)
Joey: Are you kidding?!
(冗談だろ?!)
Ross: Of course I am. Okay, let’s go, godfather.
(もちろん冗談さ。よし、行くぞ、名付け親。)
Friends Season5 Episode18(The One Where Rachel Smokes)
Are you kidding? は「冗談でしょ?」と、相手の言ったことが本気かどうかを確かめる問いです。kid はここでは「からかう、冗談を言う」という動詞で、進行形の be kidding で「今冗談を言っている」という意味になります。驚きや抗議の気持ちを込めて、強い調子で言われることの多い形です。
ロスの返事 Of course I am. は、問いの kidding を繰り返さずに am で止めた形です。「Are you kidding?」と聞かれたので、「I am (kidding).」と答えていると読めます。直前の問いと同じ部分を省いて、be動詞や助動詞だけで答えるのは、会話で見られることの多い返し方です。
ロスは続けて let’s go, godfather と呼びかけています。さっき否定してみせた呼び名をそのまま使うことで、最初の一言が冗談だったことをもう一度示す形になっています。からかわれた側が「Are you kidding?」と聞き、からかった側が「Of course I am.」で明かす。冗談の問いと答えが、3つの発言の中でそろっています。
「Now I’m kidding.」冗談だと付け足す言い方
場面はレイチェルの新しい職場に移ります。上司のキムの部屋で、キムともう一人のアシスタントのナンシーと3人で、2つの候補のどちらにするかを話し合っています。キムがレイチェルに意見を求め、別の候補を推す答えが返ってくると、キムは冗談を言い、自分で I’m kidding. と付け足します。それを受けて、ナンシーが続けます。
Nancy: She is kidding… but don’t ever disagree with her again.
(冗談よ……でも、二度と彼女に反対しないでね。)
Nancy: Okay, now I’m kidding.
(はい、今のが冗談。)
Rachel: Oh, what a fun office.
(まあ、楽しい職場ね。)
Friends Season5 Episode18(The One Where Rachel Smokes)
I’m kidding. は「冗談だよ」と、自分の言ったことが本気ではないと明かす一言です。ナンシーはまず She is kidding と主語を三人称に変え、キムの言葉が冗談だったと説明しています。そのうえで but のあとに釘を刺すような一言を足し、次の文で now I’m kidding と明かします。now が付くことで、「さっきのではなく、今のが冗談」という区切りがはっきりします。
短い間に、冗談と本気の区切りが何度も入れ替わります。レイチェルの what a fun office は、「what a + 形容詞 + 名詞」の感嘆の形で「なんて〜な職場なの」と言う返しです。言葉どおりの感想なのか、戸惑いを含んだ返しなのかは、この台詞だけでは決めきれません。
「You got a callback, too, didn’t you?」落ち込んだふりを見抜いて種明かしさせる
場面はモニカとレイチェルの部屋に戻ります。オーディションから帰ってきたロスに、モニカが結果を尋ねます。
Monica: How’d the audition go?
(オーディションはどうだった?)
Ross: Not so good.
(あんまりよくなかった。)
Monica: Now, wait a minute. Are you doing Joey’s… “The audition didn’t go so well… yeah, it did!”
(ちょっと待って。それってジョーイの……「オーディション、うまくいかなかった……なんてね、うまくいった!」ってやつ?)
Ross: Yeah, I am! Yeah, Ben got a second audition!
(そうだよ! ベンが二次審査に進んだんだ!)
Friends Season5 Episode18(The One Where Rachel Smokes)
Not so good. は「あまりよくなかった」と、悪い結果を控えめに伝える答えです。モニカは Are you doing ~’s …?(〜のあれをやっているの?)の形で、ジョーイがやる決まった言い回しをまねてみせ、ロスが同じことをしているのではないかと確かめます。do はここで「(人のまね・持ちネタを)やる」という意味で使われています。ロスの Yeah, I am! も、doing を繰り返さずに am で止めた答え方です。
続いて、ジョーイも話に加わります。
Joey: Yeah, I had to teach Ross my bit ‘cause I actually didn’t get a callback.
(ああ、ロスに俺の持ちネタを教えなきゃならなかったんだ。俺は二次審査に呼ばれなかったからさ。)
Monica: You got a callback, too, didn’t you?
(あなたも呼ばれたんでしょ?)
Joey: Yeah, I did!
(ああ、呼ばれたよ!)
Friends Season5 Episode18(The One Where Rachel Smokes)
bit はここでは「お決まりのネタ」の意味で、callback はオーディションの二次審査に呼ばれることを指します。モニカは didn’t you? の付加疑問で「呼ばれたんでしょ?」と見抜き、ジョーイが Yeah, I did! と明かします。ふりを見抜く側は付加疑問、明かす側は短い答えという分担になっています。
まとめ|冗談を明かす英語と確かめる英語
I’m kidding は自分の冗談を明かす言い方、Are you kidding? は相手が本気かを確かめる言い方です。答えるときは Of course I am. や Yeah, I did! のように、繰り返す部分を省いた短い形が使われていました。
冗談と種明かしの間合いに注目して観ると、同じ場面のやりとりがまた違って聞こえてきます。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、別の場面の英語を取り上げています。


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