海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン5第20話で、ジョーイは警察官のゲイリーの車に同乗させてもらい、途中で店のサンドイッチを買ってきます。ところが車の中では食べられず、においをかいだチャンドラーとの言い合いにまで発展します。
食べ物を自慢する言い方、ルールを告げる言い方、許可していないと咎める言い方まで、一つのサンドイッチをめぐる英語を順に見ていきます。
「This place makes the best sandwich in the world.」買ってきた食べ物を自慢する
ゲイリーの車の前の席にはロス、後ろの席にはチャンドラーの姿があります。そこへジョーイが店から戻ってきて、手に入れたサンドイッチの話を始めます。
Joey: Okay, I got it.
(よし、買ってきたぜ。)
Joey: This place makes the best sandwich in the world.
(この店のサンドイッチ、世界一うまいんだぜ。)
Gary: Hey, Joe, does it have meatballs on it?
(なあ、ジョー、ミートボールは入ってる?)
Joey: Oh, yeah.
(おう、入ってる。)
— Yeah.
(うん。)
Gary: Does it have melted cheese and marinara sauce?
(とろけたチーズとマリナラソースも?)
Joey: Yep.
(うん。)
Friends Season5 Episode20(The One With The Ride-Along)
I got it. は、ここでは「買ってきた」「手に入れた」という報告です。This place makes the best ~ in the world. は、店を主語にして「この店の〜は世界一」と自慢する形です。the best ~ in the world は大げさな言い方ですが、気に入ったものを紹介するときに使われることの多い表現です。
ゲイリーの Does it have ~ on it? は、パンの上やあいだに何が入っているかを聞く形です。具材を一つずつ挙げて聞いていく流れです。ジョーイの返事は Oh, yeah. と Yep. の短い肯定だけで、聞かれるたびに「入っている」と答えます。Yep. は Yes. のくだけた形で、親しい相手との会話で短く肯定するときに使われることがあります。質問が続くほど、サンドイッチの中身が具体的に見えてくるやりとりです。
「You can’t eat that in my car.」ルールを告げられて言い返す
具材を確かめたゲイリーは、こう続けます。
Gary: Yeah.
(だよな。)
Gary: You can’t eat that in my car.
(それ、僕の車の中で食べちゃだめだ。)
Joey: Yeah, okay. Even though my tax dollars paid for this car.
(ああ、わかったよ。この車、俺の税金で買ったのにな。)
Chandler: Your tax dollars?
(お前の税金?)
Joey: Yeah, okay.
(ああ、はいはい。)
Friends Season5 Episode20(The One With The Ride-Along)
You can’t ~ in my car. は「私の車では〜できない」と、その場のルールを告げる言い方です。can’t を使うことで、お願いではなく決まりとして伝えています。具材をひととおり確かめた直後にこの台詞が来るので、話の流れが変わります。
ジョーイは Yeah, okay. と一度は受け入れたうえで、Even though ~ で不満を足します。even though は「〜なのに」と、事実を挙げて納得のいかなさを表す接続の語です。ここでは「この車は自分の税金で買ったのに」と、自分にも言い分があると付け加えています。
tax dollars は「税金として払ったお金」を指す言い方で、公共のお金の使い道を話題にするときに使われることがあります。my tax dollars paid for ~ と言えば、「〜の代金は自分も払っている」という主張になります。ゲイリーの車が警察官の車だからこそ出てくる言い分です。
チャンドラーの Your tax dollars? は、相手の言葉の一部をそのまま繰り返して聞き返す形です。繰り返すだけで「本当にそう言える?」という問いになります。ジョーイの最後の Yeah, okay. は、それ以上は言い返さずに話を終える返事です。
「Did I say you could smell it?」においをかぐのも許可制?
時間が経っても、ジョーイはサンドイッチのにおいをかいでいるだけです。そこへチャンドラーが身を乗り出して、においをかぎます。
Chandler: Wow, that sandwich really does smell good.
(うわ、そのサンドイッチ、本当にいいにおいだな。)
Joey: Did I say you could smell it?
(かいでいいって言ったか?)
Chandler: I can’t smell your sandwich?
(お前のサンドイッチ、においもかいじゃだめなの?)
Joey: Half the taste is in the smell. You-you’re sucking up all the taste units.
(味の半分はにおいなんだよ。お、お前、うまみを全部吸い取ってるじゃん。)
Chandler: Okay, I’ll give them back.
(わかった、返すよ。)
Chandler: What.. What is so great about that sandwich?
(で……そのサンドイッチの何がそんなにいいわけ?)
Friends Season5 Episode20(The One With The Ride-Along)
really does smell good の does は、動詞を強めて「本当に」と言う働きをしています。ジョーイの Did I say you could ~? は「〜していいと言った?」と、許可していないことを咎める言い方です。ふつうは食べる・使うといった行動に使う形を、においをかぐことに当てはめているところに、この場面のおかしさがあります。
チャンドラーの I can’t ~? は、だめだと言われて驚いたときの聞き返しです。ジョーイは Half the taste is in the smell. と理屈をつけ、においも味の一部だと主張します。Half the ~ is in ~ は「〜の半分は〜にある」と、物事の大事な部分がどこにあるかを言うときの形です。続けて taste units という言葉を使い、味を数えられるもののように言うことで、においまで自分のものだと言い張っています。
チャンドラーの I’ll give them back. は、吸い取ったと言われた「うまみ」を返すという冗談で、このあと鼻から息を吐いてみせます。最後の What is so great about ~? は「〜の何がそんなにいいの?」と、相手のこだわりの理由を聞く形です。
まとめ|食べ物をめぐる言い合いの英語
This place makes the best ~ in the world. で自慢し、You can’t eat that in my car. で止められ、Did I say you could smell it? で咎め合う流れを見てきました。一つのサンドイッチで、自慢、ルール、許可の言い方がそろいます。
ジョーイのサンドイッチへのこだわりは、この回のほかの場面にもつながります。
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