海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン5第12話のレイチェルは、モニカとチャンドラーが仲間に隠して付き合っていることを、すでに知っています。それでもレイチェルは知っていることを口にせず、モニカのほうから打ち明けてくれるのを待つように、話を振り続けます。
相手から話を引き出す切り出し方、探りを入れられたときの問い返し、打ち明けられない側の言葉まで、二人のやりとりを順に見ていきます。
「What is new with you?」話を引き出す切り出し方
カフェのセントラルパークで、棚卸しで一日忙しいはずのレイチェルがモニカの前に現れます。昼休みを長めに取ったと話したあと、レイチェルはこう続けます。
Rachel: You know, I feel like we don’t talk anymore. How are you? What is new with you?
(なんか、最近私たち話してない気がするの。元気?何か変わったことある?)
Monica: Um, not much. Um, work’s good.
(うーん、特には。仕事は順調よ。)
Rachel: Oh, you know what? We don’t have to talk about work. We can talk about anything.
(あら、ねえ。仕事の話じゃなくていいのよ。何でも話せるんだから。)
Friends Season5 Episode12(The One with Chandler’s Work Laugh)
I feel like ~ は「〜な気がする」と、自分の感じ方として話を切り出す形です。What is new with you? は「何か変わったことある?」と近況を尋ねる言い方で、相手に話題を選ばせる問いになっています。モニカの not much は「特にない」という短い答えで、話を広げない返事です。続く work’s good は work is good の短縮で、近況を聞かれたときの短い答えとして使われることの多い形です。
レイチェルはさらに話題を絞り込みます。
Monica: Okay, um–
(わかった、えっと――)
Rachel: Hey, you know what? Let’s talk about relationships.
(そうだ、ねえ。恋愛の話をしようよ。)
Monica: Okay, what’s goin’ on with you?
(いいわよ。そっちはどうなの?)
Rachel: Nothing.
(何もないわ。)
Rachel: You go.
(あなたからどうぞ。)
Friends Season5 Episode12(The One with Chandler’s Work Laugh)
Let’s talk about ~ は話題を提案する言い方です。モニカは what’s goin’ on with you? と、同じ質問を相手に返しています。レイチェルの You go. は「あなたの番」と順番を相手に回す一言で、自分は話さずに相手に話させる流れを作っています。モニカに話してほしい話題を、一般的な提案の形で切り出しているのが、この場面の運びです。
「Is there something that you wanna talk to me about?」探りを入れられたら問い返す
モニカは、銀行でかわいいと思った人がいたけれど、もう何とも思っていないと話します。レイチェルの返事は次のとおりです。
Rachel: Wow, that’s, uh, juicy. Um, you know what though, Mon? I actually do have a lot of work to do. So if-if.. You’re sure there’s just not anything else?
(わあ、それは、えっと、刺激的ね。うーん、でもね、モニカ。実は仕事がたくさんあるの。だから、もし……ほかには本当に何もないの?)
Monica: Yes, I’m sure. Rachel, is there something that you wanna talk to me about?
(ないわよ。レイチェル、何か私に話したいことがあるの?)
Rachel: No!
(ないわ!)
Rachel: If there was, I wouldn’t tell you.
(あっても言わないけど。)
Friends Season5 Episode12(The One with Chandler’s Work Laugh)
juicy は「おもしろそうな、刺激的な」話を指す語ですが、ここでは期待していた話ではなかったことを含ませた言い方と読めます。You’re sure there’s just not anything else? は「本当にほかに何もないの?」と念を押す問いで、仕事があると切り上げかけながら、最後にもう一度尋ねる形になっています。
モニカの返しは、Yes, I’m sure. で答えたうえで、is there something that you wanna talk to me about? と質問を相手に向け直すものです。探りを入れられたときに、答えをはぐらかしつつ「そっちこそ何かあるの?」と返す言い方として使える形です。wanna は want to を会話の発音どおりに書いた形です。
レイチェルの If there was, I wouldn’t tell you. は仮定法の形で、「もしあったとしても言わない」という意味です。ないと答えた直後に付け加えられているため、知っていることを言わずにいるレイチェルの立場が、この一言に表れています。
「She’s my best friend.」打ち明けられない側の言葉と、話を合わせる返し
場面が変わり、モニカから残業すると電話があったばかりのレイチェルは、チャンドラーたちの部屋へ向かいます。そこで、モニカとチャンドラーの会話を耳にします。
Monica: I’m a terrible liar and I hate having to lie to Rachel.
(私、うそが下手だし、レイチェルにうそをつかなきゃいけないのがすごく嫌なの。)
Chandler: Yeah, but we’re not ready to tell yet.
(ああ、でも、まだ話す準備ができてないだろ。)
Monica: I know. It’s just that, ever since high school Rachel was the one person that I told everything to you know. I miss that so much now. She’s my best friend.
(分かってる。ただ、高校のころからずっと、レイチェルは何でも話せるたった一人の人だったの。今はそれがすごく寂しい。私の親友なのよ。)
Friends Season5 Episode12(The One with Chandler’s Work Laugh)
hate having to ~ は「〜しなければならないのが嫌だ」、be ready to ~ は「〜する準備ができている」という意味です。terrible liar は「うそが下手な人」で、うそをつくのが苦手なことを名詞で言い表した形です。I miss that の that は、何でも話せていた関係を指しています。
レイチェルは問い詰めずに引き返そうとしますが、物音でモニカに気づかれます。ランプを借りに来たと話すレイチェルに、モニカも自分がそこにいた理由を説明し、さっき仕事だと言ったことについても言葉を足します。
Monica: You know, when I said to you earlier that I was at work.. I’m at my new work.
(あのね、さっき仕事中って言ったのは……新しい仕事のことなの。)
Rachel: Good enough. Right?
(それで十分よ。でしょ?)
Rachel: Okay, well, um.. I’m gonna go look at my books.
(じゃあ、えっと……私は本を見に行くわ。)
Monica: Go get back to my new job.
(新しい仕事に戻るわね。)
Rachel: Congratulations on your new job!
(新しいお仕事、おめでとう!)
Friends Season5 Episode12(The One with Chandler’s Work Laugh)
Good enough. は「それで十分」と、相手の説明をそれ以上追及しない返事です。説明の筋が通っているかどうかには触れず、話をそこで終わらせています。Congratulations on ~! は「〜おめでとう」で、レイチェルはモニカの言った「新しい仕事」に合わせて祝いの言葉を返しています。
まとめ|話してほしい側とはぐらかす側の英語
What is new with you? で話を引き出し、is there something that you wanna talk to me about? で問い返し、Good enough. で説明を受け入れる流れを見てきました。聞き出す側とかわす側の言葉が、同じ場面の中で交互に現れます。
二人がそれぞれ何を知っていて何を言わずにいるのかに注目しながら観ると、会話の運び方がより見えてきます。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、同じ回の別の場面の英語を取り上げています。


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