海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン5第15話では、交際が仲間に知られたばかりのモニカとチャンドラーが言い合いになります。きっかけは、チャンドラーが「君が欲しいのはこれだろう」とモニカの気持ちを決めつけたことでした。
相手に自分の望みを勝手に言い当てられたとき、英語でどう打ち消し、どう言い返すのか。決めつける側と言い返す側の言葉を、この回の場面の順に追っていきます。
「You want babies.」気持ちを決めつける言い方と、打ち消す言い方
この回の冒頭では、二人の交際がロスにも知られ、カフェのセントラルパークで仲間たちが子どもや結婚祝いの話で冗談を言います。そのあと、チャンドラーとジョーイの部屋で、モニカとチャンドラーは一つの椅子に二人で座っています。
モニカが「ずっとこうしていたくない?」と聞くと、チャンドラーは「気楽な付き合い」を口にし始めます。モニカは、みんなが結婚の話で冗談を言っていたから怖くなったのだろうと指摘します。そこでチャンドラーが返すのが、次のやりとりです。
Chandler: Well, you-you do want all that stuff, right?
(でも、君は……君はそういうの全部、望んでるんだろ?)
Monica: Oh, and you know what I want.
(へえ、私が何を望んでるか、あなたには分かるってわけ。)
Chandler: Yes. You want babies. You have baby fever.
(ああ。君は赤ちゃんが欲しいんだ。赤ちゃん熱にかかってる。)
Monica: I do not have baby fever.
(赤ちゃん熱になんか、かかってないわよ。)
Chandler: Oh, please. You are obsessed with babies and marriage and everything that’s related to babies and-and… marriage.
(よく言うよ。君は赤ちゃんと結婚と、赤ちゃんと……結婚に関係することで頭がいっぱいなんだ。)
Friends Season5 Episode15(The One with the Girl Who Hits Joey)
you do want ~, right? の do は動詞を強める働きで、「本当は望んでいるんだろう」と念を押す形です。モニカの you know what I want は、「私の望みが分かるっていうの」と、相手の思い込みを聞き返す言い方として働いています。
baby fever は、赤ちゃんが欲しくてたまらない気持ちを指すくだけた言い方として使われることがあります。モニカは I do not have ~. と、相手の言葉をそのまま使い、do not を縮めずに言って打ち消しています。それでもチャンドラーは Oh, please. と、否定を受け流してしまいます。
「You don’t know everything.」決めつけに言い返す問いの重ね方
モニカは「これは私ではなく、あなたの問題だ」と言い返しますが、チャンドラーはさらに言い張ります。
Chandler: Nuh-uh. I know you, okay? I know the thoughts that you have in the head– in your head.
(いいや。君のことは分かってるんだ、いいか?君が頭の中で……君の頭の中で考えてることは分かってる。)
Monica: Well, you don’t know everything. Did you know that I’m going out with Rachel tonight instead of you, hmm?
(あら、何でも分かってるわけじゃないでしょ。今夜はあなたじゃなくてレイチェルと出かけるって、知ってた?)
Monica: And did you know that the only baby around here is you?
(それに、ここで赤ちゃんなのはあなただけだって、知ってた?)
Monica: And did you know that I can’t even look at you right now?
(それに、今はあなたの顔も見られないって、知ってた?)
Chandler: Yeah, well, I did not know that.
(ああ、それは知らなかった。)
Friends Season5 Episode15(The One with the Girl Who Hits Joey)
チャンドラーの I know you に対して、モニカは You don’t know everything. と、「何でも知っているわけではない」と真正面から返しています。決めつけてくる相手に、その前提そのものを崩す一言です。
続く Did you know that ~? は、答えを求める質問ではありません。相手が知らないはずのことを三つ並べて、「ほら、知らないでしょう」と示す問いかけです。一つ目は今夜の予定、二つ目は「赤ちゃんなのはあなたのほう」という切り返し、三つ目は今の気持ちで、どれも相手の決めつけを裏返す内容になっています。
二つ目の the only baby around here is you は、チャンドラーが繰り返していた babies という語を借りて、「赤ちゃんみたいなのはあなたのほう」と向きを変えた一言です。相手の言葉を拾って返すと、言い返しがより鋭く響くことがあります。
モニカが部屋を出て行ったあと、チャンドラーは I did not know that. と、問いかけをそのまま受けて返します。言い合いは、ここでは収まりません。
「Just tell me what I need to do」答えを求める側と、自分で考えてと返す側
場面がカフェに移り、チャンドラーはロスとジョーイに相談しています。ロスからは、何か大きなことをしないと、と言われます。そこへモニカがやって来ます。
Monica: I’m still not done not wanting to talk to you.
(まだ、あなたと話したくない気持ちが終わってないの。)
Chandler: Just tell me what I need to do to make things right.
(どうすれば元どおりにできるか、教えてくれよ。)
Friends Season5 Episode15(The One with the Girl Who Hits Joey)
I’m still not done not wanting to talk to you. は、not wanting to talk to you(あなたと話したくないこと)を、まだ done(終えて)いない、という二重の否定です。名前を呼んで近づいてきたチャンドラーに、「まだ怒っている」ことを回りくどく伝える言い方です。make things right は「元どおりにする、埋め合わせる」という意味です。
自分が間違えてモニカが直し方を教えるのが二人のやり方だ、とチャンドラーが続けると、モニカはこう返します。
Monica: I’m really tired of being your relationship tutor. You’re going to have to figure this one out for yourself, all right? If you’re too afraid to be in a real relationship then don’t be in one.
(あなたの恋愛の家庭教師でいるのは、もううんざりなの。今回は自分で考えてもらうわ、いい?本気の付き合いが怖いなら、付き合わなければいいのよ。)
Friends Season5 Episode15(The One with the Girl Who Hits Joey)
figure ~ out for yourself は「自分で答えを見つける」という意味です。モニカは直し方を教える役をやめ、チャンドラー自身に考えさせようとしています。そう言い残して、モニカは店を出て行きます。
その後、仲直りのつもりでプロポーズしたチャンドラーに、モニカは申し込みを受けず、こう伝えます。
Monica: I mean, I never said that I wanted to have babies and get married right now.
(だって、今すぐ子どもが欲しいとか結婚したいなんて、一度も言ってないでしょ。)
Chandler: Yeah, I know, but I was really confused and then I talked to these guys
(ああ、分かってる。でも、すごく混乱してて、それでこいつらに相談したんだ。)
Friends Season5 Episode15(The One with the Girl Who Hits Joey)
I never said that ~ は、決めつけに対して「そんなことは言っていない」と事実で返す形です。
まとめ|決めつけを打ち消し、言い返す英語
You want ~. と決めつけられたときの I do not ~.、You don’t know everything. と Did you know that ~? の重ね方、そして I never said that ~ で事実を示す返し方を見てきました。言い返しの強さにも段階があることが分かります。
二人の言い合いの言葉に注目しながら観ると、この回の会話がより身近に感じられます。
同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、この回の英語を場面ごとに取り上げています。


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