海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン4第16話には、よく似た二つの言い方、Excuse me と Beg your pardon が、それぞれ別の場面で出てきます。同じ Excuse me でも、人を呼び止める場面と聞き返す場面の両方があり、働きの違いが見えてきます。
短い台詞ばかりですが、三つの場面の台詞を順にたどりながら、それぞれの言い方の組み立てと働きを確かめていきます。
「Excuse me, agents?」呼び止めて知らせるときの Excuse me
一つ目の場面は、何かを見つけたと知らせる呼びかけです。
— Excuse me, agents? We found something. You should take a look.
(すみません、捜査官のみなさん。何か見つけました。見ておいたほうがいいですよ。)
The Mentalist Season4 Episode16 (His Thoughts Were Red Thoughts)
Excuse me は、ここでは相手の注意を引くための切り出しとして置かれています。直後の agents は「捜査官のみなさん」という呼びかけで、複数形になっているため、声をかけられた相手は一人ではないと分かります。
続く We found something. は「何かを見つけた」という報告です。something と言っているだけで、この一言の時点では中身を伝えていません。先に「見つけた」ことを知らせ、見てほしい気持ちを次の文に回す順序になっています。
最後の You should take a look. の should は「〜したほうがよい」と促す助動詞で、take a look は「ちょっと見る」という意味の言い回しです。Look at this. のように直接指示するより、見ることを勧める形で、聞き手に判断を残す、やわらかい響きになることがあります。
呼びかけの Excuse me は、文頭に置いて、あとに相手を指す語を続ける形です。話し出す前の合図の役目をしているのが、この場面の特徴です。
「Beg your pardon?」問われたことを聞き返す
二つ目の場面では、状況を尋ねる問いかけに、短い聞き返しが返ります。
— What’s going on, Bret?
(ブレット、何が起きているのですか?)
— Beg your pardon?
(何とおっしゃいましたか?)
— You know this doesn’t look good, yet you’re not asking the questions that you should.
(状況が良くないことは分かっているはずなのに、聞くべきことを聞いていませんね。)
— Why is it that you’re not worried?
(なぜ不安に思っていないのですか?)
— What does Bret Stiles have to be worried about?
(ブレット・スタイルズが、何を心配する必要があるというのです?)
The Mentalist Season4 Episode16 (His Thoughts Were Red Thoughts)
What’s going on, ~? は「何が起きているのか」と状況を尋ねる形で、末尾に名前を添えて相手に呼びかけています。これに続く Beg your pardon? は、直訳すると「あなたの許しを請う」ですが、聞き取れなかったときや、言われた内容を受け止めきれないときに、もう一度言ってほしいと促す一言として使われます。この場面でも、直前の問いを受けて聞き返す位置に置かれています。
そのあとに続くのは、You know this doesn’t look good, yet ~ で始まる指摘です。yet は「それなのに」と逆の内容をつなぐ語で、the questions that you should の後ろには be asking が省かれています。
次の Why is it that you’re not worried? は Why is it that ~? の形で、Why aren’t you worried? よりも理由に焦点を当てて問う言い方になります。最後の What does ~ have to be worried about? は、「〜は何を心配する必要があるのか」という形の問いで、直前の問いを受けて名前を挙げながら問い返しています。
この場面の台詞は、すべて疑問文か、疑問文に近い指摘です。短い聞き返しの Beg your pardon? が、その後の長い問いの流れの入り口になっています。
「Excuse me?」呼びかけを受けて聞き返す
三つ目の場面は、協力を頼む言葉に、役職と姓名を添えた呼びかけが返るところです。
— Please, Agent Grace Van Pelt.
(よしてください、グレース・ヴァン・ペルト捜査官。)
— Excuse me?
(何ですって?)
— The helpless maiden routine?
(「かよわい乙女」の芝居ですか?)
— Worth a try. Look, I can’t find anything you own.
(試す価値はありました。ところで、あなたの持ち物が何も見つからないのです。)
The Mentalist Season4 Episode16 (His Thoughts Were Red Thoughts)
最初の Please, Agent Grace Van Pelt. は、Agent という肩書きに姓名を続けた呼びかけで、宛先はヴァン・ペルトです。ここでの Please, は何かを頼む言葉ではなく、直前の頼みを受け流す切り出しとして置かれています。
そのあとの Excuse me? は、語尾を上げて聞き返す短い一言です。一つ目の場面の Excuse me, agents? と同じ語でも、ここでは呼び止めるためではなく、直前の言葉を受けて聞き返す働きをしています。続く The helpless maiden routine? は、routine を「お決まりの流れ」という意味の名詞として使い、やり取りを一つの型として名指しする問いになっています。
Worth a try. は It was worth a try. の省略形で、「試す価値はあった」という意味です。Look, は話の向きを切り替えるときに頭に置く語で、そのあとに I can’t find anything you own. と、話の本題が続きます。
ここで二つの聞き返しを並べてみます。Beg your pardon? は二つ目の場面、Excuse me? は三つ目の場面に出てきて、どちらも直前の発言を受けて返す短い一言です。一般には Beg your pardon? のほうが改まって聞こえるとされることが多いものの、この二つの場面だけでは、丁寧さの差まで確かめることはできません。
まとめ|呼びかける一言と聞き返す一言
Excuse me, ~? で注意を引き、Beg your pardon? と Excuse me? で聞き返す、三つの形を見てきました。同じ Excuse me でも、置かれる位置と語尾で、呼びかけにも聞き返しにもなります。
次回も『メンタリスト』と一緒に、英語を学んでいきましょう。
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