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『メンタリスト』シーズン5第12話には、頼みごとを持ちかける場面があります。頼みに対して、はっきり引き受けるでも断るでもない、保留の返事が重ねられていきます。
Maybe. と I don’t know. は、どちらも「分からない」「決めかねる」に近い意味合いがありますが、働きは同じではありません。頼みごとの場面で、二つの返事の違いと、借りを約束する言い方を順に見ていきます。
「Will you help me?」頼みに続く「Maybe.」
最初は、頼みごとの場面の冒頭です。
— Will you help me?
(手を貸してもらえますか?)
— Maybe.
(たぶんね。)
The Mentalist Season5 Episode12 (Little Red Corvette)
Will you ~? は、相手に「〜してくれますか」と頼む形です。Can you ~? と比べると、相手の意思を問う響きがあるとされます。help me は「私を手伝う」で、頼みの内容をまだ具体的に言わずに、協力そのものを求める言い方になっています。
この問いのあとに置かれる Maybe. は、Yes とも No とも言い切らない一語です。「そうなる可能性はある」という含みを持ち、引き受ける余地を残したまま返事を保留します。この一語のあとには、事情を尋ねる言葉が続きます。
つまり Maybe. は、事情次第では引き受けるかもしれない、という開いた保留です。先に条件や理由を聞きたい、という流れを作る働きがあります。短く返すだけで、会話を断ち切らずに次の説明へつなげられる点が、この一語の使いどころです。
maybe は、可能性が半々に近いときに使う副詞として知られています。単独で置くと、短いながらも返事として成立します。引き受けるかどうかを決める前に、相手の話を聞く姿勢を残しています。
「I don’t know, Teresa.」名前を添えて迷いを伝える
事情を尋ねる流れのなかで、事件に関わる話であることが示されます。
— What case?
(どの事件ですか?)
— I can’t tell you.
(話せません。)
Brenda: Mm. I don’t know, Teresa.
(うーん。どうかしらね、テレサ。)
The Mentalist Season5 Episode12 (Little Red Corvette)
What case? は、名詞を伴う短い問いです。何についての話かを、一語で絞り込んでいます。case は、ここでは事件や案件を指す語です。
その問いに続く I can’t tell you. は、can’t を使って、理由を明かすことができないと伝える言い方です。話せないという事実だけを、短く言い切る形です。
続いて、リズボンが頼みごとをする相手のブレンダが I don’t know, Teresa. と言います。ブレンダは、リズボンを名前で呼びかけています。I don’t know は、直訳すると「分からない」ですが、ここでは「決めかねる」という保留のニュアンスで使われています。名前を添えると、相手個人に向けて迷いを伝える形になります。
また、文頭の Mm. は、すぐには答えを出さずに考えている間を表す短い声です。この声が I don’t know の前に置かれています。
Maybe. が「可能性はある」という開いた保留であるのに対し、I don’t know は「判断がつかない」という、慎重さの勝った保留です。同じ保留でも、Maybe. は引き受ける方向へ傾きやすく、I don’t know は立ち止まる方向へ傾きやすい、と整理されることが多い違いです。
「Brenda, I’ll owe you.」借りを約束する言い方
最後は、借りを約束する言い方が出てくる場面です。
Lisbon: Brenda, I’ll owe you.
(ブレンダ、借りにしておくわ。)
— One day, you’ll need a favor, and I will owe you.
(いつかあなたが頼みごとをする日が来て、そのときは私が借りを返すわ。)
The Mentalist Season5 Episode12 (Little Red Corvette)
リズボンは、ブレンダの名前を呼びかけたうえで I’ll owe you. と言います。owe は「借りがある」という意味で、I’ll owe you は、いまは相手に借りができるが、あとで返す、という約束を示す言い方です。I’ll は I will の短縮形で、これから先のことを表しています。
続く一文は、One day を頭に置いて、いつか頼みごとが必要になる日が来る、という想定を述べています。you’ll need a favor は「頼みごとが必要になる」という意味です。その日には I will owe you. と続き、I’ll が I will に開いた形で、借りを返す約束が述べられています。短縮しない形は、約束の言葉に重みを持たせます。
owe は、お金に限らず、恩や手助けに対しても使われる語です。ここでは、頼みごとに対する見返りとして、借りを返す意思が述べられています。
この場面では、Maybe. や I don’t know のあとに、I’ll owe you. が続いています。返事の保留から借りの約束へと、話がひと続きで進んでいます。
まとめ|保留の返事と借りの約束
Maybe. は引き受ける余地を残した保留、I don’t know, ~. は判断がつかない慎重な保留、I’ll owe you. は借りを返す約束です。頼みごとの場面では、この三つの言い方が順に出てきます。
次回も『メンタリスト』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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