指で引用符を描く「エアクオート」の文化と英語|『BONES』S04E19で学ぶ英会話

『BONES』コラム: 指で引用符を描く「エアクオート」の文化と英語|『BONES』S04E19で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『BONES』シーズン4エピソード19には、両手の指を2本ずつ立てて曲げる身ぶりが何度も登場します。英語圏の会話で見かけることがある「エアクオート」と呼ばれるしぐさです。今回は、捜査の合間の会話を起点に、この身ぶりが何を伝えるのか、そしてそれを言葉で表す英語を見ていきます。

字幕だけでは伝わりにくい、手の動きが添える含みに注目すると、会話の温度が見えてきます。

目次

エアクオートとは? 指で描く引用符

エアクオート(air quotes)は、話しながら両手の人差し指と中指を立て、引用符の形をなぞるように曲げる身ぶりとされています。finger quotesと呼ばれることもあるようです。一般には、「これは自分の言葉ではなく、誰かの言い方を借りている」と示す合図として使われ、皮肉や疑いを込める場面が多いとされています。

表現 意味
air quotes 指で描く引用符(身ぶり)
quotation marks 引用符(書き言葉の記号)
quote, unquote 口で引用符を示す言い方
so-called いわゆる(皮肉を込めることもある)

劇中では、FBIの見学室で、心理学者のスイーツが参考人の取調べの様子をブースとブレナンに報告する場面で登場します。

Sweets: But, he denies ever having been “in love” with her.
(でも、彼女に「恋をしていた」ことは一度もないと否定しています。)

Booth: What’s with the hooked fingers?
(その曲げた指は何なんだ?)

Sweets: Well he said “in love” very sarcastically like it was something that happened to “lower primates.”
(彼は「恋」って言葉を、まるで「下等な霊長類」に起きることみたいに、すごく皮肉っぽく言ったんですよ。)

BONES Season4 Episode19 (The Science in the Physicist)

ブースは身ぶりの意味が分からず、見たままを”hooked fingers”(曲げた指)と言葉にして尋ねます。”What’s with ~?”は、相手の妙な様子の理由を聞くくだけた言い方です。スイーツの答えから、身ぶりが「参考人の言い方の再現」の合図だったことが分かります。

引用符の連発と「quotation marks」

参考人の割り切った態度が話題になると、ブースは、誰もがあの参考人のように割り切れるわけではないと言い返します。そのとき、さっき意味を尋ねたばかりの身ぶりを、早速何度も使ってみせます。

Booth: Because maybe not everybody is so “adult” or “rational” or hey, “clear thinking.” Or “heartless” as him.
(誰もがあいつみたいに「大人」で「理性的」で、おっと、「冷静な判断ができる」わけじゃない。あいつほど「薄情」じゃない奴もいるだろ。)

Sweets: That was a lot of quotation marks.
(ずいぶん引用符が多かったですね。)

BONES Season4 Episode19 (The Science in the Physicist)

ブースが引用符で囲んだ”adult””rational”などの語は、参考人が自分を語るときに使いそうな言葉だと読み取れます。エアクオートで包むことで、「本人はそう言うだろうが」という冷ややかな距離が加わります。スイーツは身ぶりを書き言葉のquotation marksで言い表し、使いすぎをやんわり指摘しています。重ねるほど皮肉の色が濃くなっていく様子が伝わってきます。

身ぶりがなくても伝わる皮肉

皮肉は、身ぶりがなくても言葉と声の調子で伝わります。序盤、研究員が地震のエネルギーを研究していると聞いたブースは、ひと言で返します。

Booth: Groundbreaking.
(画期的だな。)

Brennan: That was a funny joke.
(今のは面白い冗談ね。)

Beaudette: Yeah. One I’ve never ever heard before.
(ええ。一度も聞いたことのない冗談ですね。)

BONES Season4 Episode19 (The Science in the Physicist)

groundbreakingは「画期的な」という意味ですが、字面は「地面を割る」で、地震の研究にかけただじゃれです。研究員の”never ever heard before”は、聞き飽きた冗談だと裏返して伝える皮肉で、素直に笑うブレナンとの温度差が際立ちます。

事件が片づいたあとのバーで、ブレナンが仲間の知性を一人ずつ評していく場面です。素直にお礼を言うナイジェル・マリー、遠回しにけなされたと返すスイーツに続き、アンジェラの番が来ます。

Brennan: And Hodgins, and Angela…not so much but she’s very talented.
(それにホッジンス。アンジェラは……それほどでもないけど、とても才能があるわ。)

Angela: Thank you…very much.
(それは……どうも、ありがとう。)

BONES Season4 Episode19 (The Science in the Physicist)

Thank you very much.は本来ていねいなお礼ですが、途中で間を置き、皮肉を込めた調子で言うと「よく言ってくれるわね」という意味に変わります。ト書きにも「皮肉っぽく」とあり、言い方だけで意味が反転する例です。ブレナンはこの皮肉に気づかないまま応じていて、合図がなければ皮肉は伝わりにくいことも読み取れます。

まとめ|エアクオートが伝える距離感

air quotes、hooked fingers、quotation marks、そして言い方だけで皮肉に変わる”Thank you…very much.”。見学室でのやりとりからは、身ぶりひとつで「借りた言葉」と「自分の考え」を分けてみせる、英語の会話らしい表現の工夫が見えてきます。

手の動きや声の調子に注目すると、ドラマの会話がひと味違って聞こえてきます。次回も『BONES』と一緒に英語を学んでいきましょう。

このエピソードの英語表現は、ほかのコラムやフレーズ記事、エピソードまとめでも扱っています。

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