海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
BONESシーズン4 第12話は、ある事件の捜査のために、ブースとブレナンがナイフ投げの芸人夫婦を装って巡業サーカスに潜り込むエピソードです。そこで二人を待っていたのは、団員たちが当たり前のように使う、外の人間には通じない隠語でした。
今回は、その中から「first of may」と「gillie」という2つの言葉を取り上げます。どちらも「仲間ではない人」に関わる言葉ですが、指している立ち位置ははっきり違います。
「first of may」は仲間の内側にいる新入り
ナイフ投げの芸を売り込みに来た二人を、団長ヘンリーは最初の公演を無償で任せる形で試すことにします。そしてラヴェルを呼びながら、こう探りを入れます。
Henry: Lavelle? You two ain’t the first of may are ya?
(ラヴェル! お前さんたち、まさか新入りじゃないだろうな?)
Brennan: No in fact we are not the first of may
(いいえ、実のところ私たちはfirst of mayではないわ。)
Booth: we are no first of may, we’re no first of may.
(俺たちはfirst of mayなんかじゃない。違うって。)BONES Season4 Episode12 (Double Trouble in the Panhandle)
二人とも意味が分からないまま、とりあえず否定しているのがおかしいところです。トレーラーに戻ったブースは、演目の設定をその場の思いつきで決めたブレナンに釘を刺してから、すぐにスイーツへ電話をかけます。
Booth: You know what? Don’t pop things Bones. Sweets! What the hell is a first of may?
(いいか、思いつきで口に出すなよ、ボーンズ。スイーツ! first of mayってのは一体何なんだ?)
Sweets: A newbie, a rookie.
(新入り、新人のことですよ。)BONES Season4 Episode12 (Double Trouble in the Panhandle)
first of mayは、サーカスの世界で「その年に初めて巡業に加わった新入り」を指す隠語です。巡業シーズンが春、5月1日ごろに始まったことに由来するとされています。スイーツが言い換えたnewbieやrookieは一般にも通じる「新人」で、newbieはネットやゲームでも使われるくだけた語、rookieはスポーツや職場の一年目によく使われる語です。
スイーツはさらに、ラヴェルの肩書きである24-hour manが「一座より先に町へ入って準備を整える係」だと説明し、lingo(業界の隠語)に苦労しているならlexicon(用語集)をメールで送ると申し出ます。団長がわざわざ新入りかどうかを確かめた場面からは、腕前だけでなく、この世界での経験があるかどうかも気にかけている様子が読み取れます。
「gillie」は仲間の外側にいる人
団員たちとの食事の席で、捜査対象の姉妹の一人に交際相手がいたことが話題になります。団長ヘンリーが、外の人間と恋に落ちればサーカス暮らしは終わりだと語ったあと、ブースが相手は誰かと尋ねると、マダム・ニーナはこう答えます。
Madame Nina: He was a gillie.
(その人はgillieだったのよ。)
Booth: What’s a gillie?
(gillieって何だ?)
Brennan: A gillie is an outsider.
(gillieは部外者のことよ。)BONES Season4 Episode12 (Double Trouble in the Panhandle)
小声で尋ねるブースに即答できたのは、かつてカーニバルを調査した経験のあるブレナンならではです。gillieはサーカスの外で暮らす一般の人を指す隠語とされ、gillyと綴られることもあります。
この言葉の重みがはっきりするのは終盤です。二人がFBIの身分を明かして協力を求めると、団員たちは一斉に背を向けます。
Henry: you aren’t one of us.
(あんたらは俺たちの仲間じゃない。)
Lavelle: You don’t get it do you? How could you you’re gillies
(分かってないな。分かるわけないか、あんたらはgillieなんだから。)
Brennan: No we’re not gillies, our act was good.
(いいえ、私たちはgillieじゃないわ。私たちの演目は良かったもの。)
Lavelle: Yeah. You’re gillies.
(いいや。gillieだね。)BONES Season4 Episode12 (Double Trouble in the Panhandle)
芸の出来を理由に反論するブレナンと、それでも「外の人間だ」と言い切るラヴェルのやり取りから、gillieが技術ではなく所属を表す言葉だということが分かります。
| 表現 | 意味 | 立ち位置 |
|---|---|---|
| first of may | その年に加わった新入り | 仲間の内側(まだ新しい) |
| gillie | サーカスの外の一般の人 | 仲間の外側 |
| one of us | 自分たちの仲間 | 内と外の線引きそのもの |
newbieとoutsiderの違いと言い換えると、日常英語にも応用しやすくなります。
まとめ|内輪の言葉が引く「内」と「外」の線
first of mayは仲間の内側にいる新入り、gillieは腕前に関係なく外側にいる人。one of usという言い方とあわせて見ると、業界の隠語が「誰が仲間か」をはっきり分ける働きをしていることが見えてきます。
サーカスという閉じた世界の英語をたどると、二人の潜入捜査がなぜ一筋縄でいかなかったのかも見えてきます。
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