海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回のテーマは、『CHUCK』シーズン5 第9話に出てくる、思いついたキャッチフレーズを仲間に売り込むときの英語です。チャックはカーマイケル・インダストリーズの新しい理念を考え出し、それをサラとケイシーに披露していきます。
答えを促す問いかけから、頭字語を明かす披露の仕方、懐疑的な問いへの問い返しまで、二つの場面を順に追っていきます。売り込む側と受け止める側の言葉の違いにも注目してみてください。
頭字語のキャッチフレーズを披露し、反応を確かめる
サラから、ひと晩中起きていたのかと尋ねられたチャックは、会社の理念について考えていたことを話し始めます。そして、サラにこう問いかけます。
Chuck: What can we, Carmichael Industries, offer our clients that other security firms can’t? Go.
(僕たちカーマイケル・インダストリーズが、ほかの警備会社にはできなくて、お客さんに提供できるものって何だと思う? さあ、どうぞ。)Sarah: Discount electronics?
(家電の安売り?)CHUCK Season5 Episode9 (Chuck Versus the Kept Man)
offer A that B can’t は「Bにはできないが、自分たちはAを提供できる」という組み立てで、他社との違いを問う形です。最後の Go. は「さあ答えて」と相手の番を示す一語です。サラは疑問形のまま返しており、断定を避けた軽い返事として受け取れます。
チャックは続けて、考えていた答えを明かします。
Chuck: We care, Sarah. We care. C-A-R-E. Clandestine Agents Relating Emotionally. Get it? You hate it.
(僕たちは気にかけるんだよ、サラ。気にかける。C-A-R-E。「心で寄り添う秘密工作員」。わかる? ……気に入らないんだね。)Sarah: No, I think it’s very interesting.
(ううん、とても興味深いと思うよ。)CHUCK Season5 Episode9 (Chuck Versus the Kept Man)
We care. を二度重ね、一文字ずつ C-A-R-E とつづってから頭字語の中身を明かす順番です。動詞の care は「気にかける、大切に思う」という意味で、会社の姿勢を一語で示しています。Get it? は「わかる?」と相手の理解を確かめる口語の問いです。
続く You hate it. は、相手の反応を先回りして言葉にする一言です。サラは No で打ち消したうえで very interesting と答えました。interesting は「興味深い」と評価を保留する語で、好きか嫌いかをはっきりさせずに受け止める返事として働きます。
懐疑的な問いに問い返し、根拠を添えて押す
場面は変わり、チームがそろった場で、ケイシーは理念の文面を読み上げたうえでチャックに問いただします。
Casey: You really think this is what our clients want, private security firm that holds their hands, builds their self-esteem, tells them they’re special?
(本気でこれが客の求めてるものだと思ってるのか? 手を握って、自尊心を持ち上げて、あなたは特別ですと言ってくれる民間警備会社が。)Chuck: Isn’t that what everyone wants, Casey? And it’s no coincidence that we booked our first client in forever, hours after I put my CARE statement on our Web site.
(それって誰もが求めてるものじゃないかな、ケイシー? それに、CAREの理念をウェブサイトに載せた数時間後に、ずいぶん久しぶりの依頼が入ったのは偶然じゃないよ。)Sarah: We have a Web site?
(ウェブサイトなんてあったの?)CHUCK Season5 Episode9 (Chuck Versus the Kept Man)
You really think 〜? は、相手の考えに疑いを向ける問いかけです。ケイシーは hold someone’s hand(手を引いて面倒を見る)、build someone’s self-esteem(自尊心を高める)と案の中身を言い換え、疑問を強めています。チャックは Isn’t that what everyone wants? と否定疑問で問い返し、同意を求める形で切り返しました。
さらに it’s no coincidence that 〜 で「〜なのは偶然ではない」と根拠を添えています。in forever は「ずいぶん長いあいだ」を表す口語です。サラの We have a Web site? は平叙文の語順のまま問いにした形で、初めて知った驚きが表れます。
依頼人として現れたのはガートルードでした。自分の警備会社を持っているはずだとサラに指摘されると、ガートルードは人手が足りないと説明したうえで、こう続けます。
Verbanski: Besides, your company offers a level of service that other companies just don’t offer. You care.
(それに、あなたたちの会社はほかの会社が提供しないレベルのサービスを提供してくれる。気にかけてくれるのよ。)CHUCK Season5 Episode9 (Chuck Versus the Kept Man)
a level of service that other companies just don’t offer は、他社との差をサービスの水準で示す言い方です。チャックが掲げた理念を、依頼人の側が You care. の二語で言い当てる形になっています。
まとめ|キャッチフレーズを披露し、反応に応じて押す英語
答えを促す Go.、頭字語を明かして確かめる Get it?、評価を保留する very interesting、否定疑問の問い返しと it’s no coincidence that を見てきました。披露、反応、切り返しの順に会話が進み、最後は依頼人の言葉が理念を裏づけます。
次回も『CHUCK』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。
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