海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『BONES』シーズン8エピソード15には、捜査がなかなか進まずいら立つブースに、スイーツが I know how frustrating this must be. と声をかける場面があります。ところが、その言葉は素直には受け取ってもらえません。今回はこのやり取りを起点に、共感の言葉をかけるとき、かけられたときの英語を読み解きます。
「気持ちは分かるよ」という言葉は、かけ方ひとつで励ましにも、相手をいら立たせる言葉にもなります。言い方の違いと返し方の幅を知っておくと、会話の受け止め方が変わってきます。
「I know how frustrating this must be.」は気持ちを思いやるひと言
捜査の手がかりがまだ少ない場面で、ブースはまず That’s it?(それだけか?)と声を上げます。そのあとに続く会話が次のやり取りです。
Booth: 27 people working on this and we have nothing, Sweets.
(27人も動いてて、何もつかめてないんだぞ、スイーツ。)Sweets: Look, I know how frustrating this must be.
(ねえ、どれだけもどかしいかは分かりますよ。)BONES Season8 Episode15 (The Shot in the Dark)
frustrating は「思いどおりにいかず、もどかしい・いらいらさせる」という意味の形容詞です。I know how ~ this must be は「これがどれほど〜か分かる」という形で、must be は「きっと〜に違いない」という推量を表します。相手の状況を思いやる、定番の共感のひと言です。
似た言い方には、次のようなものがあります。
| 表現 | 意味 | 響き |
|---|---|---|
| I know how you feel. | 気持ちは分かるよ | 自分も同じ思いをした、と寄り添う |
| That must be frustrating. | それはもどかしいよね | 相手の状況を受け止める |
| I can only imagine how hard this is. | どれほど大変か想像するしかない | 分かったつもりにならない、控えめな言い方 |
I know how you feel. は、相手が「誰にも分からない」と感じているときには、分かったつもりの言葉に聞こえることもあるとされます。そんなときは I can only imagine のような控えめな言い方のほうが受け入れられやすいとされます。
「Really? Do you?」は共感をはねつける返し
スイーツの言葉に、ブースはこう返します。
Booth: Really? Do you? ‘Cause you don’t. I don’t think you do.
(本当か?分かるのか?分かってないだろ。分かってるとは思えないね。)Sweets: Everyone’s doing their best, Booth.
(みんな全力を尽くしてますよ、ブース。)BONES Season8 Episode15 (The Shot in the Dark)
Do you? は、直前の I know を受けて「本当に分かってるの?」と聞き返す形です。英語では、相手の言葉の動詞を助動詞で受けて Do you? Is it? のように短く聞き返すことがよくあります。’Cause は Because のくだけた形です。共感の言葉が、場面によってはかえって相手の気持ちを逆なでしてしまうことがある、と分かるやり取りです。
これに対する Everyone’s doing their best. は「みんな全力を尽くしている」という意味で、do one’s best は「最善を尽くす」です。相手の言葉に言い返さず、周りの努力に目を向けさせる言い方になっています。
「I know.」と受け止める返しと、言い添えるひと言
これより前、捜査で何人かに話を聞いたあとの会話には、気遣いの言葉に I know. と返す、こんなやり取りがあります。
— I’m usually objective, but they all look guilty to me.
(普段は客観的なんですが、全員が怪しく見えます。)— Everyone does.
(誰でもそう見えます。)— Look, this case is personal for you.
(いいですか、この件はあなたにとって他人事じゃないんです。)— It’s natural to lose perspective.
(冷静な見方を失うのは自然なことです。)— I’m the shrink, okay? I know.
(専門家はこっちですよ。分かってます。)— I’m just being a friend.
(友人として言っているだけです。)BONES Season8 Episode15 (The Shot in the Dark)
personal はここでは「自分に深く関わる・他人事ではない」、lose perspective は「全体を見る冷静な視点を失う」、shrink は心理の専門家を指すくだけた言い方です。I know. は「言われなくても分かっている」と少し突っぱねる響きにもなりますが、I’m just being a friend. と言い添えられることで、忠告ではなく気遣いだと伝わる流れになっています。
共感の言葉を素直に受け取るときは、Thanks, I appreciate that.(ありがとう、助かります)、That means a lot.(そう言ってもらえるとうれしいです)、Yeah, it’s been tough.(うん、大変だったんです)のように返すのが自然です。
まとめ|共感の言葉は、かけ方も返し方もいろいろ
今回は『BONES』シーズン8エピソード15から、共感を伝える I know how frustrating this must be.、それをはねつける Really? Do you?、気遣いを受け止める I know. と、言い添える I’m just being a friend. を読み解きました。言葉のかけ方と返し方の両方を知っておくと、相手の気持ちに合わせた受け答えがしやすくなります。
登場人物どうしの短いやり取りを観ながら、言葉の受け止め方にも目を向けると、英語の会話がより立体的に見えてきます。
このエピソードの他のコラムでは、「オーダーメイド」を表す英語や、仕事を引き受けるときのひと言も扱っています。


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