海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『フレンズ』シーズン6第22話では、レイチェルが交際相手のポールと週末を過ごす山小屋に、ロスが隠れている場面があります。ポールに見つからないように、レイチェルは飲み物や氷、車の中の物を次々と頼みます。
ちょっとした用事を頼む英語は、短い言い方ほど日常の場面で使い勝手が良いものです。頼み方、頼まれた側の聞き返し方、「任せる」と返す言い方を順に見ていきます。
「Did you see a little mouse?」驚いた理由を聞かれて、とっさに用事を頼む
ポールの山小屋では、ポールとレイチェルがソファに座って話をしているところです。ロスはエリザベス(ポールの娘)と同じ小屋に来ていて、ソファの下に隠れていました。それに気づいたレイチェルが声を上げると、ポールが尋ねます。
Paul: What’s the matter, honey? Did you see a little mouse?
(どうしたんだい、ハニー?小さなネズミでも見たのかい?)
Rachel: No, no. Big bear. Big bear outside.
(違う違う。クマよ。外に大きなクマがいるの。)
Friends Season6 Episode22(The One Where Paul’s the Man)
What’s the matter? は「どうしたの?」と相手の様子の変化を尋ねる言い方で、Did you see ~? と具体的な理由の候補を続けると、心配している気持ちが伝わりやすくなります。ポールが挙げたのは小さなネズミでした。
レイチェルの返事は Big bear outside. と、主語も動詞も省いた名詞のかたまりです。とっさの場面では、このように要点の語だけを並べても意味は通じます。小さなネズミに対して大きなクマを持ち出しているので、ポールの問いの形をそのまま裏返した返しとも読めます。実際にクマがいたわけではなく、あとでロスに「本当にクマの音を聞いたの?」と聞かれる流れからも、その場をしのぐための言葉だと分かります。
このあとレイチェルは、Would you get me ~? の形で、ポールに飲み物を持ってきてほしいと伝えます。Would you ~? は Can you ~? より少し丁寧な依頼で、get me ~ は「私に〜を取ってくる」という意味です。ポールが台所へ向かうと、レイチェルはその間にソファの下のロスと話します。
「I need ice.」渡された物に、もうひとつ頼みを足す
ポールが飲み物を持って戻ってきます。
Paul: Here you go, honey.
(はい、どうぞ、ハニー。)
Rachel: Oh, thank you.
(あら、ありがとう。)
Friends Season6 Episode22(The One Where Paul’s the Man)
Here you go. は物を手渡すときの決まった言い方で、「はい、どうぞ」にあたります。受け取る側は Thank you. と返すだけで会話が成り立つ、短いやりとりです。
ところがレイチェルは、渡された飲み物を前に、もうひとつ頼みを足します。
Rachel: Oh… ice. I need ice.
(あっ……氷。氷がほしいの。)
Friends Season6 Episode22(The One Where Paul’s the Man)
I need ~. は「〜が必要」と言い切る形で、依頼の疑問文にしなくても「〜を持ってきてほしい」という頼みとして伝わります。ここではまず ice の一語で気づいたように言い、続けて I need ice. と文に整えます。一語で要点を出してから文で言い直す順番は、思いついたことを口に出すときの自然な流れです。
ポールはまた氷を取りに行き、レイチェルはその間にロスを部屋から出そうとします。どちらの頼みごとも、ポールを少しのあいだ台所へ行かせる働きを持ちます。Here you go. と Thank you. の短い受け答えの流れのまま、次の頼みが続く場面です。小さな用事を頼むときは、長い前置きよりも、必要な物の名前をはっきり言うほうが伝わりやすいことが見えてきます。
「Surprise me.」何が要るのか聞かれて、相手に任せる
そこへエリザベスがやって来ます。いくつかやり取りがあったあと、ポールは娘にこう尋ねます。
Paul: So, Lizzie, are you planning on staying the night?
(それで、リジー、今夜は泊まっていくつもりかい?)
Elizabeth: Oh, no, no. Believe me, I’m leaving as soon as possible.
(ううん、まさか。信じて、できるだけ早く帰るから。)
Paul: Good. Good.
(よかった。よかった。)
Paul: Not that we don’t want you to stay. Obviously, you’re welcome.
(いや、いてほしくないわけじゃないよ。もちろん歓迎だ。)
Paul: How much more homework do you have?
(宿題はあとどれくらい残ってるんだい?)
Friends Season6 Episode22(The One Where Paul’s the Man)
Are you planning on ~ing? は相手の予定を尋ねる形で、planning on の後ろには動名詞が続きます。staying the night は「一晩泊まる」という意味で、帰るのか泊まるのかを確かめたいときに使えます。Not that ~. は「〜というわけではない」と、直前の自分の言葉が強く響きすぎたときに打ち消す形で、Good. を2回重ねたあとにすぐ言い足す流れです。
続くやりとりでは、レイチェルが用事を頼む側に回ります。
Elizabeth: Uh, I just have one problem left that I do not know how to solve.
(あの、解き方がわからない問題が1つだけ残ってて。)
Elizabeth: Uh, Rachel, maybe you want to come upstairs
(えっと、レイチェル、2階に来て)
Elizabeth: And help me figure it out?
(一緒に考えてくれない?)
Rachel: Really?
(本当に?)
Rachel: Okay, I-I’ll go upstairs… if-if you… get me something from the car.
(いいわ、2階に行く……もし、あなたが……車から何か取ってきてくれたら。)
Paul: What do you need from the car?
(車から何が要るんだい?)
Rachel: Surprise me.
(お任せするわ。)
Friends Season6 Episode22(The One Where Paul’s the Man)
エリザベスの Maybe you want to ~? は、命令や依頼をやわらげて誘う形です。I just have one problem left と、手伝ってほしい理由を先に置いてから誘う順番で組み立てられています。レイチェルは I’ll ~ if you ~. の形で、自分が引き受ける代わりにポールにも用事を出します。if-if you… と言葉を繰り返しながら、引き受ける条件を後ろに付け足す形です。
何が要るのかと聞き返されて答えた Surprise me. は、「何でもいいから任せる」という返しで、注文や贈り物の相談でも使われることのある言い方です。
まとめ|小さな用事を頼む英語
Would you get me ~? で頼み、I need ~. で足りない物を伝え、I’ll ~ if you ~. で交換条件を付け、Surprise me. で中身を任せる流れを見てきました。短い文でも、頼む・足す・任せるの使い分けができます。
山小屋での頼みごとの数々を、聞き取りに注目しながら観ると、言い回しの短さがよく分かります。
この回のほかの場面の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも取り上げています。


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