アメリカ野球の「スプリングトレーニング」とファンの文化と英語|『モダンファミリー』S09E17で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: アメリカ野球の「スプリングトレーニング」とファンの文化と英語|『モダンファミリー』S09E17で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン9第17話では、ミッチェルとキャメロンが夫婦向けのリトリートに参加します。その会場のすぐ隣では、偶然にもアメリカのプロ野球チームが、シーズン前の春の練習を行っていました。

子どものころからそのチームのファンだったキャメロンの言葉を手がかりに、アメリカ野球の「スプリングトレーニング」と、それを見に行くファンの文化を見ていきます。

目次

「spring training」とはどんな時期か

リトリートの進行役を務めるドクター・ランディは、隣が野球チームの「Royals」だと話し、こう説明します。

Doctor Randy: Actually, it’s the Kansas City Royals.
(実は、カンザスシティ・ロイヤルズのほうです。)

Doctor Randy: Spring training, their practice field is next door.
(スプリングトレーニングの時期で、隣が彼らの練習場なんです。)

Modern Family Season9 Episode17 (Royal Visit)

spring training は、アメリカのメジャーリーグの球団が、レギュラーシーズンの開幕前に行う春季キャンプを指します。一般に2月から3月ごろにかけて、フロリダ州やアリゾナ州など暖かい地域で行われることが多いとされます。日本のプロ野球でいう「春季キャンプ」と「オープン戦」を合わせた期間に近いものと言えます。

この時期に行われる試合は spring training games や exhibition games と呼ばれ、公式戦の成績には含まれない調整の場です。practice field は「練習場」で、球場とは別に設けられた練習用のグラウンドを指すことがあります。

冒頭の Actually は「実は」と、相手が思い描いたものとは違うことを伝えるときの出だしです。リトリートの参加者にとって、隣に球団の練習場があるというのは思いがけない話だったことが伝わってきます。

ファンにとってのスプリングトレーニング

隣がロイヤルズの練習場だと聞いたキャメロンは、子どものころからの夢をこう語ります。

Cameron: Growing up a Royals fan, it was always my dream to see them at spring training.
(ロイヤルズのファンとして育った僕にとって、スプリングトレーニングを見に行くのはずっと夢だったんだ。)

Cameron: So, I just decided, after the retreat was over, I’m just gonna swing by, you know, grab an autograph, maybe whisper an opinion in the manager’s ear, be discovered as a great baseball mind.
(だから決めたんだ。リトリートが終わったらちょっと寄って、サインをもらって、監督の耳元で意見のひとつもささやいて、偉大な野球頭脳として見いだされようって。)

Cameron: Then the Yankees would come calling, and then I’d have to choose between the team I love and the the big payout.
(そしたらヤンキースから声がかかって、愛するチームと大金のどっちを取るか選ばなきゃならなくなる。)

Cameron: But I’m getting ahead of myself.
(おっと、先走りすぎだね。)

Modern Family Season9 Episode17 (Royal Visit)

スプリングトレーニングは、ファンが選手の練習を間近で見られる機会として親しまれていると言われることが多い行事です。球場が小さめで選手との距離が近く、サインをもらえる機会もあるとされます。ただし、見学の方法やサインの受け付けは球団や球場によって異なります。

キャメロンの言葉には、そうしたファンの楽しみ方が並んでいます。swing by は「ちょっと立ち寄る」、grab an autograph は「サインをもらう」です。grab は「さっと手に入れる」という気軽な響きで、grab a coffee(コーヒーを買ってくる)のようにも使います。野球で manager は「監督」を指し、会社の管理職とは訳し分けが必要な語です。

be discovered は「(才能を)見いだされる」、come calling は「(誘いの)声がかかる」という意味です。big payout は高額の契約金を冗談めかして言ったもので、キャメロンはそこで I’m getting ahead of myself.(先走りすぎた)と自分で話を止めます。ファンの空想が一気に広がっていく様子が、言葉の連なりから読み取れます。

練習見学がばれるまで

ところがこのあと、その日がチームの練習の最終日で、今夜には発つと説明されます。リトリートが終わってから立ち寄るという計画では、間に合わない状況です。

そこで、ミッチェルがフロートタンクで過ごしていた時間に、キャメロンは練習場へ向かいます。そこでは、本人役で登場するロイヤルズの元選手ジョージ・ブレットとも顔を合わせます。戻ったキャメロンは、ミッチェルにこう話します。

Cameron: I just stayed in the tank a little a little extra.
(タンクにちょっと、ちょっと長めに入ってただけだよ。)

Modern Family Season9 Episode17 (Royal Visit)

ところが、屋外の練習を見に行ったことは、日焼けで分かってしまいます。

Mitchell: Oh, my T-T-That’s why you’re burned.
(うそだろ、だ、だから日焼けしてるんだ。)

Mitchell: You went Royal watching!
(ロイヤルズを見に行ったんだな!)

Cameron: I was only gonna stay for a second, but George Brett George George Brett cornered me.
(ほんのちょっとのつもりだったんだ。でもジョージ・ブレットが、あのジョージ・ブレットが僕をつかまえちゃって。)

Cameron: And you know how I am with famous people.
(それに、僕が有名人に弱いの知ってるだろ。)

Cameron: I can’t say “No”.
(「ノー」って言えないんだよ。)

Modern Family Season9 Episode17 (Royal Visit)

ここでの burned は、sunburned(日焼けした)を短く言った形です。Royal watching は bird watching(野鳥観察)のように、「〜を見に行くこと」を watching で表した言い方です。

キャメロンの corner someone は「人を追い詰める」が元の意味で、「話につかまる、引き留められる」という場面でも使われます。you know how I am with ~ は「私が〜に対してどうなるか、知ってるでしょ」と、自分の弱みを言い訳にするときの言い方です。キャメロンは、有名人の前では断れないという自分の性格を理由に挙げています。春の屋外での練習見学は、日差しを浴びる時間が長くなりやすいものです。そうした事情が、キャメロンの言い訳を崩すきっかけになっている場面です。

まとめ|春のキャンプとファンの英語

spring training と practice field、grab an autograph や come calling、そして Royal watching。シーズン前の練習を見に行くファンの文化が、キャメロンの夢と言い訳を通して見えてきます。

野球の春の風物詩を思い浮かべながら『モダンファミリー』の場面を観ると、スポーツにまつわる英語も身近に感じられます。

フィルとクレアの賢さ比べや、ジェイが息子の友だちの父親に張り合う話も、同じ回のほかのコラムで取り上げています。

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