海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン9第20話では、マニーが映画の授業でつくった短編ホラー映画の上映会が開かれます。この映画には、監督のマニーだけでなく、ジェイやフィルも関わっています。
作品づくりの話では、自分が何を担当したか、どこまで関わったかを言い分ける表現が欠かせません。この回の会話には、その言い分けが自慢や言い合いの形で次々に出てきて、役割を話す英語をまとめて拾えます。
「write and direct」で、作品と担当を伝える
マニーとジェイは、映画ができるまでをこう語ります。
Manny: For my film class, I wrote and directed a short.
(映画の授業の課題で、短編を書いて監督したんだ。)Manny: I felt the horror genre was the best way to grapple with the struggles of our time.
(現代の苦悩と向き合うには、ホラーというジャンルがいちばんだと感じてね。)Jay: When Manny first came to me with the project
(マニーが最初にこの企画を持ってきたとき)Manny: You read a script I left out and you elbowed your way in.
(僕が置きっぱなしにしてた脚本を読んで、強引に割り込んできたんでしょ。)Modern Family Season9 Episode20 (Mother!)
write and direct ~ は「〜の脚本を書き、監督する」で、映画づくりの担当を一度に言える組み合わせです。a short は a short film(短編映画)を縮めた言い方で、映画の話題だと分かっている場面では名詞として単独で使われます。I wrote and directed a short. の一文で、作品の種類と自分の担当の両方が伝わります。
grapple with ~ は「〜と取り組む、格闘する」という意味で、難しい問題やテーマに向き合うときに使います。the struggles of our time(現代の苦悩)という大きな言葉と組み合わせているところに、作品に込めた狙いを語るマニーの大人びた口調が表れています。
ジェイが「企画を持ってきたとき」と話し始めると、マニーはすぐに言い直します。ジェイが自分から頼まれたように話すのに対し、マニーは「脚本を読んで割り込んできた」と言い返す流れです。二人の言い分の違いが、そのまま関わり方を言う表現の違いにつながる場面です。
「silent money」と「get involved」で、関わり方を言い分ける
マニーに言い直されたジェイは、こう続けます。
Jay: Semantics.
(言葉のあやだ。)Jay: I was gonna be the silent money.
(俺は金だけ出して、口は出さないつもりだったんだ。)Jay: But it turns out I’ve got some natural storytelling talent, so I took on a more creative role.
(ところが、どうも俺には生まれつき話をつくる才能があったらしくてな。それで、もっと創作寄りの役回りを引き受けたってわけだ。)Modern Family Season9 Episode20 (Mother!)
Semantics. は「言葉の問題にすぎない」と、言い方の違いを軽く受け流す一言です。the silent money は、出資だけして経営に口を出さない共同出資者を指す silent partner をもとにした言い方と読み取れます。take on a role は「役割を引き受ける」で、I took on a bigger role in the project.(その企画で、より大きな役割を担うことになった。)のように仕事の話でも使えます。マニーは、それでも授業で初めてAをもらえたと話し、ジェイは「俺たちの」と言い直します。
上映のあと、グロリアが二人を組ませたのは自分だと言い出すと、ジェイが聞き返します。
Jay: What do you mean you put us together?
(俺たちを組ませたって、どういう意味だ?)Gloria: I left Manny’s script out so that you would see it and you would get involved.
(マニーの脚本を置いておいたのよ。あなたが見つけて、関わるようにね。)Modern Family Season9 Episode20 (Mother!)
elbow one’s way in は「ひじで人を押しのけて入り込む」が元の意味で、頼まれていないのに強引に加わる様子を表します。一方の get involved は「関わるようになる」という中立的な言い方です。マニーが「自分が置いていた脚本」と話していたものは、グロリアが置いたものだったと分かります。同じ加わり方が、立場によって elbow one’s way in にも get involved にもなる場面です。
「play the Sheriff」と「put it out there」
映画には、フィルも出演しています。上映会の前、フィルはルークにこう話します。
Phil: Oh, can you throw that shirt on a hanger for me, actually? I need to look sharp for Manny’s premiere tonight.
(あ、そのシャツ、ハンガーにかけといてくれるか? 今夜のマニーのプレミアには、ビシッと決めていかないとな。)Phil: I play the Sheriff, which is ironic because I steal every scene I’m in.
(俺は保安官役なんだ。皮肉だろ、出る場面をことごとく盗んでるんだから。)Modern Family Season9 Episode20 (Mother!)
play ~ は「〜の役を演じる」で、ジェイの role(担当)とは別に、出演者としての役を言うときの形です。steal the scene は「その場面で注目をさらう」という言い回しで、steal every scene I’m in なら「出る場面すべてで主役を食う」という自慢になります。保安官なのに「盗む」と言うところが、フィルの言う ironic です。look sharp は「きちんとした身なりに見える」という意味です。
上映の前、マニーは作品への思いを口にします。
Manny: I’m pretty proud of it, too.
(僕もかなり誇りに思ってるよ。)Manny: And a little nervous to put it out there.
(それに、世に出すのが少し不安でもある。)Modern Family Season9 Episode20 (Mother!)
put ~ out there は「〜を世に出す、人目にさらす」で、作品や考えを公開するときの気持ちを語るのに合う表現です。I finally put my work out there.(ついに自分の作品を公開した。)のように、発表や投稿の場面でも使えます。直前の I’m pretty proud of it, too. の too は、ジェイが口にしたヒットへの手応えを受けて「僕も」と応じる形です。誇らしさと不安を And で並べることで、発表前の落ち着かない気持ちがそのまま伝わってきます。
まとめ|作品づくりの役割を話す英語
write and direct、take on a role、play the Sheriff で担当を言い、elbow one’s way in と get involved で関わり方を言い分ける表現を見てきました。作品を put it out there する緊張まで含めて、映画づくりを語る英語がそろっています。
家族総出の映画づくりを観ながら、役割を話す言葉を拾っていくと、仕事の会話にも生かせる表現が見つかります。
母の口出しに気づく英語や、家族旅行を抜けたいと切り出す英語は、同じ回のほかのコラムで取り上げています。


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