「It feels quotable.」名場面を自分で演出したいときの英語|『モダンファミリー』S09E01で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 「It feels quotable.」名場面を自分で演出したいときの英語|『モダンファミリー』S09E01で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン9第1話は、皆既日食を見るために家族そろって湖へ出かける回です。旅を言い出したジェイは、家族の思い出に残る場面を自分の手で作ろうとします。その台詞には、出来事に意味を持たせたいときの英語がいくつも出てきます。

出来事に意味を持たせる言い方、自分の言葉を名言扱いする言い方、そしてその作為を言い当てる返し。ジェイと家族のやりとりから、この3つを順に見ていきます。

目次

「turning point」と「a story you’ll want to tell people」

ヒュー・ダンカンへの追悼の言葉をSNSで読んだジェイは、自分が人からどう語られるのかを気にし始めます。そのあと、ジェイはアレックスに自分の望遠鏡を贈ります。

Jay: Honey, I want you to have my telescope. May it inspire you to love science.
(なあ、お前にこの望遠鏡をやりたいんだ。これで科学を好きになってくれるといいな。)

Alex: I already love science.
(科学ならもう好きだけど。)

Jay: This feels like a real turning point. You know, it’s a story you’ll want to tell people.
(こいつは本物の転機って感じだな。ほら、人に話したくなる話だろ。)

Modern Family Season9 Episode1 (Lake Life)

turning point は「転機、分かれ目」を表す名詞です。a real turning point と real を添えると、「これこそが転機だ」と出来事の重みを強める言い方になります。Getting that job was a turning point in my life.(あの仕事に就いたことが人生の転機だった。)のように、ふつうは振り返って使うことが多い語です。

ジェイはこれを、望遠鏡を手渡したその場で口にしています。a story you’ll want to tell people も同じ方向の言葉で、「あとで人に話したくなる出来事」をいま作っているのだと、本人が先に宣言している形です。May it inspire you to ~ は「これが〜するきっかけになりますように」という祈りの形で、贈り物に添える改まった響きがあります。

一方のアレックスの返事は、もう科学は好きだというあっさりした一言です。贈る側が込めた意味と、受け取る側の温度差が、ここで早くも見えてきます。

「It feels quotable.」と「write it down」

別の場面では、昔の気まずい出来事を打ち明けたミッチェルに、ジェイが助言をします。そのあとの会話がこちらです。

Jay: Run toward embarrassment, not away from it, and you take away its power.
(恥ずかしいことからは逃げずに向かっていけ。そうすりゃ、そいつの力を奪えるんだ。)

Mitchell: That’s actually not the worst advice.
(それ、意外と悪くないアドバイスだね。)

Jay: It’s great advice. In fact, you should write it down. It feels quotable.
(最高のアドバイスだ。なんなら書き留めとけ。名言っぽいだろ。)

Modern Family Season9 Episode1 (Lake Life)

quotable は quote(引用する)に -able がついた形容詞で、「引用したくなる、名言になりそうな」という意味です。That line is very quotable.(そのセリフは引用されそうだね。)のように、ふつうは他人の言葉や作品をほめるときに使います。ジェイはそれを自分の助言に向けて、It feels quotable. と言っています。It feels ~. は「〜な感じがする」と印象を述べる形で、It feels right.(これでいい気がする。)のようにも使えます。

write it down は「書き留める」で、You should write it down. なら「メモしておいたほうがいい」という勧めになります。ミッチェルの not the worst advice は「最悪ではない」という控えめな評価で、ほめ言葉としては低めの温度です。それに対してジェイは great advice と言い直し、記録まで勧めます。評価の差がそのまま台詞の差になっているのが分かります。

「I asked for one thing」と「manufacture nice moments」

日食のあと、ようやく戻ってきた家族に、ジェイは不満をぶつけます。

Jay: No one wants your stupid science, Alex! I asked for one thing To share a memory with all of us with me at the center of it!
(お前のくだらない科学なんか誰も聞いてないんだ、アレックス!俺が頼んだのはひとつだけだ。俺を真ん中にして、みんなで思い出を分かち合うことだよ!)

Claire: This is an all-time rant.
(これは歴代最高クラスのキレっぷりね。)

Mitchell: Oh, yeah, top three.
(ああ、トップ3に入るね。)

Modern Family Season9 Episode1 (Lake Life)

I asked for one thing は「たったひとつ頼んだだけなのに」と、相手が応えてくれなかった不満を示す型です。all-time は「史上〜の」で、クレアの言葉は父親の怒りを記録のように数える冗談になっています。続いて、ミッチェルがジェイの狙いに気づきます。

Mitchell: Wait, w-were you trying to manufacture nice moments so that we’ll say good things about you when you’re gone?
(待って、もしかして、いなくなったあとでいいことを言ってもらえるように、いい場面をわざと作ってたの?)

Alex: Wait. Is that why you gave me your telescope?
(待って。だから私に望遠鏡をくれたの?)

Phil: And the the sunscreen? That wasn’t real?
(じゃあ、日焼け止めのあれも?本気じゃなかったんですか?)

Jay: I don’t want to talk about this!
(この話はしたくない!)

Modern Family Season9 Episode1 (Lake Life)

manufacture は「製造する」が元の意味で、気持ちや場面に使うと「わざとこしらえる」という作為の響きが出ます。manufacture an excuse(言い訳をでっちあげる)のように、本物でないものを作る場面で使われやすい語です。That wasn’t real? は「本物じゃなかったの?」と、受け取った好意を確かめ直す問いです。家族が次々にジェイとの思い出を挙げる流れの最後に、ミッチェルはジェイの助言を口にしてこう言います。

Mitchell: I’m always gonna remember that!
(ずっと覚えてるよ!)

Jay: Good enough.
(まあ、それでいい。)

Modern Family Season9 Episode1 (Lake Life)

Good enough. は「それで十分だ」と、満点ではないものを受け入れる返事です。ミッチェルが覚えていると言ったのは、ジェイが自分で「名言っぽい」と言ったあの助言でした。ジェイはその一言を、十分な答えとして受け取っています。

まとめ|思い出を「作る」側と「見抜く」側の英語

turning point、a story you’ll want to tell people、It feels quotable. は、名場面を自分で作ろうとする側の言い方です。manufacture nice moments と That wasn’t real? は、その作為に気づいた側の返しと言えます。

湖の旅を観ながら、家族の記憶に残りたいジェイの言葉を追っていくと、出来事に意味を持たせる英語の幅が見えてきます。

同じ回のほかのコラムでは、新しい環境を前にキャラを変えたい気持ちや、湖のハウスボート休暇の英語を扱っています。

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